6.5話(幕間) KokuSouS Part.1
作品のタイトルを【妄想犯行計画 未来を掴む推理ゲーム】に変更しました。
幕間回 KokuSouS Part.1
「あのさ! 何回も言ってるよね、勝手に覗かないでってさ!」
「ごめんって、小蒼ちゃん。どうしても気になってさー」
開始早々、僕の目の前にあるゲーミングノートっぽいの器である小蒼ちゃんに怒られている男がいる。
その男の名前は、20代半ばの普通のサラリーマン森咲杜鷹、それが僕の名前である。
僕の趣味は、SF作品、トリックモノと推理モノの作品の鑑賞、考察だ。
でも今は、目の前にあるゲーミングノートっぽいKokuSouSの仕組みが、どうしても知りたい! 好奇心から、あらゆる手段を用いて、未知の未確認物体のメカニズムを解析しようと試みる普通の人間だ!
『ふっ、プライバシーの侵害。これさっき、杜鷹が言ってきたこと、私は忘れないからね、杜鷹、さん!』
――やばい、小蒼ちゃんかなり怒っているな……
小蒼ちゃんが怒っている原因は、僕がKokuSouSのデスクトップ画面に表示されている、用語集フォルダと言う名前の鍵付きフォルダを勝手に解錠して、中のファイルを開こうとしたからだ。
「ほんっと、ごめん、小蒼ちゃん、でも好奇心には勝てないよ……」
『ふっ、そこまで言うのであれば、今回は特別に見せてあげるよ、特別に! 見せてあげる!』
こんな感じで、小蒼ちゃんから用語集フォルダのファイルを閲覧する許可を得た僕は、最初のファイルをクリックした。
【妄想犯行計画 用語集パート1】
【舞台】
・まほらぎ市。
・人口は、約30万人 。
・治安は、普通。
・特徴は、沢山の車の中を電車が走ってる街。
・杜鷹と契約した場所は、駅の近くの映画館まほらぎシアター。
【妄想犯行計画の舞台】
・ほこやぎ町。
杜鷹が好きなトリック推理作品である萬屋 赤葉の事件帳の舞台であるほこなぎ町を杜鷹の想いを核に、杜鷹の覚悟を試す為の舞台として、五感再現と現実を生きている事を追加、再構築した仮想空間がほこやぎ町。
・ほこやぎ町の人達は、ほぼ現実世界の人と同じ。
もちろん萬屋 赤葉と相棒の明堂刑事もいる。
妄想犯行計画のゲームルールは後述に記載。
――ん? 待てよ……赤葉さんの姉はいないのか? まあいないならいないで良いんだけどね。
僕は次に、自分の名前がつけられたファイルを開いた。
【森咲 杜鷹】
想いを叶える存在である刻想器と契約した、20代半ばのサラリーマン。
趣味は、SF作品、トリックモノと推理モノの鑑賞、考察。
性格は、明るい、現実主義、偶に感情的、哲学者?
好きなものは、雪護 喜冬、柊先生、萬屋 赤葉の事件帳。
嫌いなものは、重要機密。
小蒼との関係は、対等な契約関係。
杜鷹の自宅は、駅から徒歩15分のまほらぎハイツ101号室、角部屋。
――自分の名前を見るだけでも恥ずかしいのにさ、さすがに……哲学者? はどう意味なんだろう……
恥ずかしい自分のファイルを閉じた僕は、次のファイルをクリックした。
【雪護 喜冬】
・杜鷹が、好意を抱く護りたい大切な人らしい。
・杜鷹とは同い年である。
性格は、明るい、凛々しい、おとなしい。
容姿は、雪みたいな肌、透き通る髪、多分美人。
趣味は、トリックモノと推理モノの鑑賞、考察……秘密。
杜鷹との関係は、同僚趣味友以上恋人未満。
小蒼との関係は、無し。
――喜冬さんは多分美人じゃなくて、本当に美人なんだよ。その見た目からは、考えられない僕と同じ趣味を持っているギャップに、僕は惹かれた理由なんだよな……ところで、秘密ってなに? これもしかして用語集ではなくて、小蒼ちゃんの観測記録みたいなモノか?
【柊先生と萬屋 赤葉の事件帳】
柊先生は、若手女性推理小説家である。
杜鷹が好きな萬屋 赤葉の事件帳も柊先生によって生み出された作品。
アニメ一期が放送され、劇場版も上映済み、来年春に萬屋赤葉の事件帳の実写ドラマが放送予定。
街の記録人を自称する主人公、萬屋 赤葉とスキンヘッドの強面刑事である明堂 真が、ほこなぎ町で起きる様々な事件を解決していく、推理作品である。
【萬屋 赤葉】
萬屋 赤葉の事件帳の主人公。
年齢は、18歳。
職業は、フリーター、街の記録人(自称)。
容姿は、普通、長い赤髪でメガネかけてる。
頭脳は、一般人よりやや上ではあるが、鋭い観察力と点と点を固めて、繋いで、犯人を暴く。
その他は、偶然を装い、事件に首を突っ込んで、事件現場に来た明堂と赤葉が、現場で言い争うシーンから必ず始まる。
【明堂 真】
萬屋 赤葉の相棒の刑事。
年齢は、45歳。
職業は、ほこやぎ警察署の刑事で階級は警部。
容姿は、堅いよく、スキンヘッドでサングラスをかけている、コワモテ。
頭脳は、もちろん脳筋。
――赤葉は普通のファイルなのに、なんで明堂さんだけ辛口寄りなんだ?
僕は、次のファイルを開いた。
【刻想器 その1】
私もかつて刻想器だった。
いくつもの世界をいつも移動しているから、私たちと出会えるのは、偶然であり奇跡だ。
時から与えられし、選択肢を選び続ける、それが命あるモノの使命である。
選ばれなかった選択肢が集まり、生まれたモノが刻想器だ。
――僕が今、これを見ているのも刻想器と出会ったからなんだよな……出会いは最悪だった。
僕は次のファイル、小蒼ちゃんの名前がついたファイルを開いた。
【小蒼 その1】
小蒼である私は、かつて刻想器だった。
想いのプラネタリウムで、杜鷹と刻想契約をした結果、この姿になった。
刻想器は、出会いし者へ絶望の未来の形の1つを見せ、見せた未来を変える方法を出会いし者に考えさせる。
出会いし者が持つ、強き想いを刻想契約の際に、刻まれると、出会いし者の強き想いに反応した形へと変化する、それが小蒼である私だ。
私がこの姿になってしまったのは、杜鷹が刻想契約の際に、雪護さんのこと、柊先生と劇場版萬屋 赤葉のトリック妄想のことばかり、考えてたから。
その結果、私は雪護さんを10歳若くした姿にされてしまった……一応、気に入ってはいます。
刀や大樹にされなくて、本当に良かったです。
【KokuSouS】
・妄想犯行計画を作るために、鉄の箱へと変わった型に小蒼の器である。
・機能は、この世の理で作られていないため解説不可。
・基礎システムは、KokuSouS。
・電源とエネルギー源は、刻想器。
・杜鷹と契約したプラネタリウム、ここが私の家。
――ん? 次が最後の項目みたいだ。
【妄想犯行計画】
・森咲 杜鷹の想いを核に作り出した、仮想空間型推理システム、妄想犯行計画。
・起動にはKokuSouSと【メガネ型ゴーグル】が必要。
【妄想犯行計画のゲームルール】
1.ほこやぎ町以外のエリア移動は禁止。
2.【探偵ヘルプについて】
萬屋赤葉などの探偵を呼出ができる機能。
ただし、Aの事件で探偵ヘルプを使用した探偵は、事件解決後はお手つき状態となり、Bの事件を解決するまでは、呼出不可。
探偵ヘルプの探偵は、犯人を暴き出す権利はない。
3.【時刻表示について】
現在時刻は、妄想犯行計画内の時刻。
現実時刻は、契約者の住む世界の時刻。
妄想犯行計画にログイン中は、現実世界の時刻は進まない――逆の場合も同じ。
4.【各事件の解決期限】
現実世界換算で七日間の168時間。
5.【ログイン義務】
妄想犯行計画の暴く側のプレイヤーは、一日1回は、必ず妄想犯行計画を起動しないといけない。
ログアウト時から次回ログインをするまでに、二十四時間を超過してしまった場合。
ペナルティとして、超過した時間分、妄想犯行計画内の時間が進む。
6.【ログアウトについて】
基本的に一部条件を除き、任意のタイミングで可能であるが、ルール3に注意。
事件解決期限が24時間を切る場合は、ログアウトできない。
7.【暴く側のプレイヤーのゲームオーバー条件】
事件を暴けない場合。
事件の解決期限を過ぎた場合。
妄想犯行計画内で死亡した場合。
8.【妄想犯行計画について】
この世の理とは違う概念で作られた推理ゲーム。
この世の理で作られたモノでは、妄想犯行計画を記録、生配信することはできない。
9.【ゲームクリアの条件】
自身の未来を選択し、自身の未来の壁なるものを越えた時、未来への道は開かれる。
警告.【妄想犯行計画を解析しようとした場合】
暴く側のプレイヤー又は、暴かれる側のプレイヤーは、強制的にゲームオーバーとなる。
以上のルールが破られた場合は、暴く側、暴かれる側を問わず、最悪な未来が訪れるであろう。
前にも見た、妄想犯行計画のルールを見終わった所で、閲覧制限のエラー表示が目の前に現れた。
――良いところだったのに!
「ふっ、この先の続きを見たいなら、鍵を見つけることだね。分かった? 杜鷹」
――この先の続きを見たいなら、鍵を見つけてこいだと? 僕は、そう言われると逆に燃えるタイプなんだよ!
「分かったよ、小蒼ちゃん。おやすみ」
『ふっ、次は覗かないでね、いい? おやすみなさい』
僕は静かに、シャットダウンをクリックするのであった……
――今度こそ、バレずに試してみよう!
6.5話 KokuSouS Part.1 完。
次回のKokuSouSへつづく!
読者の皆様を置き去りにして、ただでさえ訳の分からない作品の専門用語を6話に渡って展開してしまったので、章の区切りとして、幕間と用語回を挟みました。
次章は、妄想犯行計画内における初めての事件である第1の妄想犯行編です。
萬屋赤葉と一緒に、第1の妄想犯行である事件を解決するまでの話を10話に分けて展開されます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
*2026年3月16日 (月) 構成変更改訂を行いました。




