表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想犯行計画 未来を掴む推理ゲーム  作者: 魔与音・庵
第4章 雪護喜冬とあの子
21/30

#18 モリタカルーム

「とりあえず――喜冬さん」

「さっき知り合った人にお願いするのも――」

「アレなんだけど――留守、お願いしてもいい?」

「白葉ねぇとご飯食べたら戻ってくるから、ね?」

「分かりました、いってらっしゃい――」

「いってきまーす!行くよ、白葉ねぇ」

「はいはい、またあとでね――喜冬ちゃん」


 ガチャ!バタン!


 赤葉さんと白葉さんは、ご飯を食べに行ったから、しばらく戻ってこない――今なら……

 今なら杜鷹君が……ほこやぎ町の杜鷹君がどうなっているのか確かめることができる。


 そう考えた私は、モリタカルームの扉を開けた!


 ここまでが前回の終盤――

 ここから先の私に何が起きたのか……話してみるとする――



 【202X 1月X日 PM20:00】

 【ほこやぎ町 萬屋記録局 モリタカルーム】


「杜鷹君――いるの?!」

 モリタカルームの扉を開けた私だったが――


「杜鷹君は爆睡中だって、赤葉さんは言ってたのに……いない……」


 モリタカルームで寝ているはずの杜鷹君は、どこにもいなかった――

 状況が理解できない私の目の前に――小蒼こそうさんが現れた――



『ふっ――杜鷹は2時間ぐらい前にログアウトしてるよ――』

『そのあと倒れて、今は現実世界で入院しているんだから――もしかしていると思った?雪護喜冬(ゆきもりきふゆ)


 ――小蒼さん――全てお見通しだったのね……


「赤葉さんの話を聞いて、もしかしたらと――」

「思って、扉を開けたのは確かだよ――」

「私が今、【妄想犯行計画】にログインしているメガネ型VRゴーグルとUIマップの萬屋記録局内に表示されている【M.M】のピン……」

「2つの共通点は、杜鷹君……」

「今の状態で、杜鷹君が退院した後――妄想犯行計画にログインをしてしまうと――」

「私が妄想犯行計画にログインできなくなる」

「――つまり現実世界とほこやぎ町で、彼を――」「サポートできなくなる……違う、小蒼さん?」


『ふっ――正解』

『じゃあワタシが――喜冬にメッセージを送った理由、喜冬は分かった?』

「うん……それは――」


 小蒼さんが作り出した妄想犯行計画に私が今、ログインできているのは、現実世界の杜鷹君の部屋でメガネ型ゴーグルを掛けて、五感転送された状態で、ログインしているから。


 ログインしている私が、今いる場所は萬屋記録局内のゲームの拠点で、杜鷹君の部屋――モリタカルーム。


 かつて想いを叶える存在刻想器であった小蒼さんは――杜鷹君に訪れる絶望の未来を回避する為のハッピーエンドの未来を掴む、想いの契約を杜鷹君とした。


 刻想器であった小蒼さんの目的は、杜鷹君が選択をやめない事をやめさせない裏側からの支援。

 しかし妄想犯行計画は1日1回ログインする事が、ゲーム上のルール――


 でも――現実世界で入院中の杜鷹君が1日1回、ログインするルールを実行することできない――だから……


「だから私に……杜鷹君が護りたい大切な人である私に――再ログインを促すメッセージを送った――」

「でしょ?――小蒼さん」


『ふっ――正解』

『喜冬に杜鷹の絶望の未来を見せたのも、妄想犯行計画のゲームルールを見せたのも、そして――』

『暴かれる側の【あの子】を推理させたのも――』

『喜冬が森咲杜鷹とハッピーエンドを掴む、覚悟を決めたのも――』

『全て、ワタシではなく、雪護喜冬が自分で決めて、選択した結果だから――』

『後ろを振り返る事はできない、これは森咲杜鷹の考え方――そしてワタシは、あなたに1つ聞きたい――』

『この世界と現実世界で――杜鷹を本気でサポートする覚悟があるのか――』

『森咲杜鷹と絶望の未来を迎える可能性を受け入れる覚悟があるのかを――』

『雪護喜冬――最後にあなたに問う――』




『森咲杜鷹の【今】を見た汝は今、何を想う?』




 私が今、ここにいる理由。

 それは全て私が選んだ、森咲 杜鷹と未来を掴む為の選択の結果……

 だから私は今、萬屋赤葉さん達がいるほこやぎ町にいる。

 私の……雪護喜冬の覚悟と想いは、もう決まっている――


「私は――雪護喜冬は、森咲 杜鷹と幸福な未来を掴む!」


『……雪護喜冬――刻想……契約締結』

『あなたの自宅に【KoKuSouSPC】と【メガネ型ゴーグル】を送った――』

『だから一度、ログアウトするといい』

『あなたに送る妄想犯行計画は、探偵ヘルプの役割を持つバージョン』

『杜鷹を支えてあげてね――喜冬』


 探偵ヘルプの役割を持つバージョン?――

 一度ログアウトしろと言われても――私はログアウトする方法を知らない――


『ふっ――スマホにログアウトのコマンドあるけど……見えなかった?』


 白いスマホで私がログアウトボタンを探していると――小蒼さんの言う通り、設定画面にログアウトコマンドがあるのを見つけた――


「杜鷹君は知ってたの?」

『ふっ――杜鷹には何回も言ったよ――』

『昨日もちゃんと忠告したのに――』

『聞かなかった……』


「そうなんだね……ごめんね――小蒼さん――」

「白葉さんが赤葉さんのブレーキ役の様に――」

「私が、杜鷹君のブレーキ役になるから――」

「杜鷹君と私と二人で、【あの子】に辿り着くからね」


『ふっ――もうすぐ、赤葉たちが帰ってくる』

『喜冬のほこやぎ町での拠点は用意してあるから――』

『じゃあ、あとでね――喜冬』


 私にそう伝えた小蒼さんは、目の前から消えた――


「ただいまー!」

「あれ?雪護さん――」

「――杜鷹はまだ寝てるの?」

「声をかけてみましたが、起きませんでした……」

「へぇ、杜鷹らしいよ――」

「まぁ、数時間前まで【臭い干物】の事件を全力で解決したから――」

「疲れ果てて、オーバーヒートかな?」

「はいはい、赤葉ちゃん――喜冬ちゃんに伝えることが、あるんじゃ無かったかなー?」


 ――赤葉さん達から見れば、杜鷹君はそこにいるのね……杜鷹君はログアウトしているから私には、見えないけど……


「そうだった――!喜冬さん……しばらくの間、ほこやぎ町にいるならさ――」

「萬屋マンションほこやぎの家具付きの部屋があるから――」

「その部屋を使うといいよ――」

「ね?喜冬さん――」

「でもその代わりと言ったら……非常に頼みにくいんだけど……記録局の仕事、手伝ってもらえない?」


 さっき小蒼さんが言っていた拠点の話――

 もし赤葉さん達の目の前で――私達がログアウトしてしまったら、万が一ログイン出来なくなってしまった時に、ほこやぎ町の停止している時計の針が勝手に動き出してしまう。

 そうしたら、赤葉さんたちがパニックになることは解る……


 それに私が記録局の仕事を手伝う事にすれば、杜鷹君のそばにいる事ができるから――杜鷹君の暴走のブレーキとサポートができる――


 ――でも一度、小蒼さんが送った私の妄想犯行計画を起動させないと……


「うん――いいですよ!よろしくお願いします――」

「赤葉さん!白葉さん!」

「交渉成立ってね――よろしくね、喜冬さん!」

「喜冬ちゃんの事は、白葉ねぇが八色姉さんに話しておくから――心配しないでね、喜冬ちゃん」

「白葉さん、ありがとうございます、よろしくお願いします」

「いえいえ――にしても杜鷹ちゃんはいつまで寝てるのかしら――」

「本当にそう!……ったく――杜鷹は!」

「喜冬さんも疲れたでしょ!」

「今日はゆっくり休んで、明日からよろしくね」

「ありがとうございます、こちらこそよろしくお願いします!」


 赤葉さんと白葉さんから萬屋マンションほこやぎの部屋の鍵と地図を貰った私は、萬屋マンションほこやぎに向かうことにした。


 #18 モリタカルーム 完

 #19 現実世界へのログアウトにつづく

最後までお読みいただきありがとうございました!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ