デート?
「あぁー⋯やっちゃったかな」
北川さんに電話をかけ、会う約束をした。
特に用ってほどの用があるわけじゃなかったけど、何となく話したかった。北川さんなら私の話を聞いてくれる気がした。
単純に言うと、会いたかっただけだ。
ほとんど衝動的に電話をしたものだから、断られたらどうしようとか、そんなことを考える時間もなかった。
どうしよう⋯うざがられたりしてないよね?
「いや、でもっ番号教えてくれたし⋯!」
まだ美容院は開店中だろうし、ましてや店長さんならきっと忙しいに違いない。
あとで電話をかけようと思いつつ、私は会う場所を考え始めた。
*
「あ、北川さん!遅くなってすみません⋯」
「俺も今来たばかりなので全然⋯」
北川さんは私の声に振り向いて────
フリーズした。
「⋯どうかしたんですか?」
自分の格好を見下ろしてみる。
美容に詳しい北川さんの前でダサいファッションをするわけにはいかないと思い、一応ちゃんと着こなしてきたつもりだ。
「いえ⋯あの、似合ってる⋯と、思いますよ」
ぎこちなくそう言った北川さんの言葉ににやけそうになりながら、私は「ありがとうございます、美容師さんに言ってもらえると嬉しいですね」と返した。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯あれ?
何かこれ、デートみたいじゃない⋯?
待って、デート?これってデートなの?
混乱しだした頭を整理する。
誘ったのは私で、普通に会いたかったから───会いたかったからって、それって普通に、
(デートじゃん!)




