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一世一代の?

ぎゃーす、ぐぉお、ぎぇえ。


…今日も良い奇声が聞こえる、ワイルドな目覚めだわ。

ふわぁ、と欠伸をしつつ伸びをし、ジゼルに朝の挨拶をする。

あっちでは寝起きは良くなかったのだけれど「聖女」のスキルのおかげかすっきり起きれるようになった。起き抜けに感謝を送っておこう。女神様、ありがとう。


「おはよう、ナーヤ。携帯食だけど食べるか?」

「ありがとう。遠慮なくいただくわ」


差し出された棒状のレーションらしきもの(なんとかメイトっぽいやつ)と、そのあとに出された水の入ったコップを受け取り、焚き火の跡の周辺に座り直す。旅の食がどういったものかも確認しとかないとね。

それにしても、ジゼルのこの悪意や媚を感じさせないスマートさよ。素敵じゃないか。

ジゼルの紳士さに感動しつつ、朝ごはんをぱくり。


…想像通りというか。歯ごたえのありすぎる固さにパサつく口内。ほぼほぼ無味なだけましと思った方が良いのか。

合間に水を飲みつつ、無言でぼりぼりと完食。うん、出来たら改良したい一品でしたな。

ジゼルは私の様子をみて苦笑していた。


「人族にはなかなかきつい固さだよな、味もアレだし」

「そうね、でも大事な食べ物だもの。ありがとう」

「いや、昨日助けてもらった恩にはまだまだ足りないくらいだよ」


二人とも食べ終わっているので結界石などの後片付けをしつつ、ジゼルの事情というか身の上的なものを尋ねてみる。ジゼルは快くこたえてくれた。

彼はフリーの冒険者でギルドランクはB、ご家族は存命。豹獣人の父とネコ系ミックス獣人の母と妹がいて、依頼料をもらって余裕があるときは仕送りをするぐらい、関係性は良好。ジゼルの素敵なお耳と尻尾はネコ科のものなのね。

そしてそして。

連れ合いは、なし!!(ガッツポーズ)

つまりは私がアプローチしても無問題(モーマンタイ)ってわけだ!

町につくまでたいした日数はないが一緒にいたいと思ってもらえるようにしよう。



はい、七夜です。あれから数日が経ちまして、旅程は順調です。


出くわした小動物を狩って捌き方を教えてもらったり、採集をしたり、それらを調理しながら進んでおります。

ジゼルとの出会いのときに遭遇した強めの魔獣もでず、特に問題もございません。

そう、何も…。

つまりだ。


何 の あ ぴ ー る も 出 来 て い な い !!


ジゼルの話を聞いたときはあんなに気合入れたのに!!


狩りにしても捌き方にしても、彼に頼りっぱなし。

採集、調理に関しても彼はベテラン冒険者らしく、ある程度知識を持っているからこれといって役に立たず。

寧ろ更に私が彼と離れたくなくなっていくばかりである。

チョロいというがいい。

私はこの数日でジゼルにメロメロである。

整った容姿、フレンドリーながらも紳士な態度、優れた狩り力、おまけに獣耳獣尻尾(ケモミミケモシッポ)

どストライクなのよぉお!!(誰も聞いてない)


そんな焦りに満ちた内心を置き去りに、明日には町に到着するというところまできているとジゼルが教えてくれた。


もう駆引きとか考えている時間もない。

私は意を決してジゼルに話を切り出した。


「ジゼル。この先も私と共に歩んでくれませんか?」


…あれ?私、焦りすぎてなんか違う方向にとらえられる告白してないか?

その証拠にジゼルは硬直し、尻尾も耳もピンッと直立している。

重大な言い間違いに気づいた私は顔に熱が集まるのを感じつつ、弁解を試みる。


「あ、ごめ、そうじゃなくて…いや、一緒にいてほしいのは嘘じゃなくてね?えっとなんていうか」

「お、俺で良かったら喜んで!!」


わたわたと弁明をしていると、ジゼルが再起動して勢い良く返事をしてくれた。

え、都合のいい空耳じゃないですよね??

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