森の中で出会いまして(熊ではない)
結界でやっちゃった感はあるけれども、ひと狩り終わったようなので人?の方を見てみると、先ほどバランスを失って倒れたまま、のびている大型トカゲを茫然とみていた。
「あのー、大丈夫ですか?」
ずっとそのままにしておくわけにもいかないので、取敢えず倒れたままの人?に声をかけてみる。
「あ、あぁ、すまない。助かった…」
あ、男性だ。満身創痍のその姿は大丈夫そうではないね。
「いえいえ、たまたま通りかかったものですから。ついでといってはなんですが、治癒魔法かけます?大きな損傷は治せませんが…」
そういうと、彼は虚をつかれたような顔をしたあと、出来るなら、と言った。
許可を得たので早速適当に呪文を言って魔法をかける。無詠唱は高等技術だと学習済みである。
あと、本気だしたら部位欠損や不治の病とされてる病気やらも治せるんだけどバレたら面倒なので必要にかられない限りはやらん。
「はい、終わりましたよ。調子は如何です?」
「ありがとう、何とかうごけそうだ」
手や足をうごかして確認し、そういって微笑みかけてくれた。うむ、なかなかイケめんである。
そしてなによりーー
(ケモ耳ケモしっぽきたぁああ!)
そうです。これが人のあとの疑問符の理由である。時々ぴょこりと動くケモ耳、治療後に少しだけ揺れたしっぽ、眼福です…。
獣人が存在するなんてっ!この世界によびくさったあの最低国王をすこーしだけ許してやることにしよう、うん。
「助けてもらったお礼がしたいんだが…生憎、手持ちがなくて」
私は手をパタパタと振り、断りをいれる。
「困ったときはお互い様ですよ。もし、どうしてもというのであれば、近くの町か村までご一緒願えません?」
実は迷子になってしまって、と嘘を交えてあわよくば同行を、と狙って願い出てみる。
彼は快諾してくれた。
そして話は大型生物にうつる。見た目大型トカゲのこいつはレッサードラゴンというらしく、町のギルドに持っていけば報酬がでるとのこと。
追い詰めたのは彼であり、私は不意討ちで最後をかっさらったに過ぎないので権利を放棄するといったのだが、それではこちらの気が済まないと譲らないので、討伐報酬の1/3を受け取ることで了承させた。生真面目さんか、君は。
「本当にいいのか?あー、と」
「かまわないわ。あぁ、そういえば名乗ってなかったわね。わたしはナーヤ、町までよろしくね」
「俺はジゼルという。よろしく、ナーヤ」
報酬の件の話し合いで、こちらの話し方もくずれたものになった。手を差し出すと、握手に応じてくれたので握って軽くふる。
余談だがナーヤというのはわたしがあっちでゲームをするときに使っていた名前である。偽名であっても馴染みがあるものでないとボロがでるからなぁ。




