真相(3)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
すると、次の瞬間。彼の疑惑を払拭するかのように、黒龍の右肩を納刀された刀が貫いた。
刀の持ち主は、青龍と死闘を繰り広げていたはずの黒猫。例の肉を貫く音の正体はこれだったのだ。
といっても、あまりにも突然の出来事に朱雀らはもちろん、必死に戦い説得していた青龍も何が起こったのか上手く呑み込めず、ポカンとしていた。
だが黒猫は、そんな彼らのことなど気に留めず、黒龍の肩の上に乗ったまま鞘から菊一文字零式・真打を抜いて着地し、渾身の力で刀を斜めに振り抜いた。
やった。黒猫はそう思ったが、菊一文字零式・真打の切っ先がそこには無く、無惨に折られた刀身は宙を舞い、後方の地面にプスッと突き刺さった。
よく見ると、黒龍はいつの間にか龍人化をしている。どうやらそれと硬化能力で防いだようだ。しかも驚いたことに、彼は体を貫かれているのに平然と生きている。
「そんな……パパの刀が…………」
「……終の太刀・輝夜。鞘をかぐや姫に、敵を竹に見立て、敵のみを斬る闇夜流剣術最終奥義。お前がこれを会得し、物にしているのは見事だし、俺以外の者なら間違いなく絶命させていただろう」
そう言うと、黒龍は突き刺さった鞘を手に取り、
「が、硬化と自然治癒能力を持ち、龍人にもなれる俺には、無駄だったようだがな」
と言いながら、鞘を引き抜いた。多少血を噴き出し、苦悶の表情を見せたが、自然治癒と省略能力を掛け合わせた超回復を行うと、痛みも傷もまるで手品のように消えた。
予想を超える化け物ぶりに、黒猫は恐怖に戦く。
「しかし、1発は1発だし、鞘が肺を貫通した時はなかなかの苦痛だった。その分はきっちりと……返させてもらうぞ!」
肩をゴキゴキと鳴らしてからそう言った黒龍は、黒龍神腕で黒猫を容赦なく薙ぎ飛ばした。
黒い猫を着ていたおかげで、なんとか両断されずに済んだが、強打の衝撃で腕と胸の骨を折り、2、3回バウンドした彼女は、滑るように地べたに倒れ、苦しそうにうずくまった。
輝夜は黒龍が言っていた通り、闇夜流剣術最強の技です。
手数こそ朔夜や他の技に劣りますが、呼吸を読み切ることで、無月同様完全防御不可能かつ必殺の大技となっています。
本来なら、龍鱗だろうが硬化能力だろうが関係なく斬殺できるほど強力なんですが、黒龍は刃が当たる寸前に硬化能力を発動させて肉体の呼吸を変えることで、これを防いだようです。




