真相(1)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
平成19年3月21日の昼頃。卒業式から1週間以上経ち、人々が新たな生活に向けて準備を始めていたこの日。翔馬はある人物の家を訪問していた。
「よっ! 武文。元気してっか?」
「翔馬君……そんなに元気じゃないよ」
その人物とはなんと、ペガサスに殺されたはずの武文だった。
「やっぱ、原因はあれか?」
「うん……龍君達が死んで、サイトも潰されたことで、死獣神は壊滅した。そうじゃなくても、大切な友達を大勢失ったら、こうもなるよ」
「その、すまねぇ。柚ちゃんをペガサスが殺したことも含めて、未来ちゃんに色んなことベラベラ喋っちまって。そのせいで、未来ちゃんは……」
「あぁ。今も行方不明、だろ?」
そう言い、武文は9日前に行われた卒業式を想起する。
雲雀、澪、未来、柚、そして龍。彼らがいなくなったことで、本来彼らがいるべき席が空席となってしまっていた。
誰もいない席。そこにあるのは、寂しさと空虚感と例えようがないほど大きすぎる悲しみ。もう雲雀と澪の喧嘩も、柚の学校キャラやイチャつきも、龍と未来の笑顔も見れない。
卒業式終了後、それを改めて感じた武文は誰もいない教室で号泣していた。
あの時のことを思い出すと、また涙が溢れてくる。それを察し、1人にしておこうと思った翔馬は、話をそこそこに帰る旨を伝え、見送る武文と共に玄関を出た。
ふと見上げると、そこには雲1つない青い空があった。当たり前のことだが、空は清々しいぐらい青く、どこまでも広がっている。
そんな空を眺めている内に、ある人物のことを思い出した翔馬は、思わず笑みがこぼれた。
「どうしたの?」
「いや。そういや、あいつらうまくやってっかな? って」
「あいつら?」
「俺のダチさ。お前もよーく知ってる、な」
そう言うと翔馬は、あの夜のことを思い返した…………
武文が生きていたという展開から始まった今回。
翔馬は誰を思って空を仰いでいるのか。あの夜の続きが今、明らかとなります。




