裏切り そして……(7)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
この窮地に、朱雀と鳳凰と奏はなんとか助けに行きたかったが、それはできなかった。青龍が黒龍の前に強制連行された段階で、ワイヤーカッターで背中合わせに縛られ、3人まとめて拘束されていたからだ。
「ペガサス!? 離せオラァッ!」
「おっと、動かない方がいいよ。でないと、玉の肌に傷がつくどころじゃすまないから」
そう言われ朱雀達は、彼氏1人救えない不甲斐ない自分に悔しさを滲ませた。
「それはそれとして、お嬢さん方。少し耳を貸してくれるかな?」
「……悪魔の囁きって奴?」
「僕は天使なんですけどね。まぁ黙って聞いてください。悪い話じゃないですから」
そう言うとペガサスは、3人にしか聞こえないぐらいの声で、何かを囁いた。
その信じ難い内容に、朱雀達は表情を一変させる。
「本当ですか?」
驚きを見せる鳳凰からの問いに、ペガサスは首を縦に振る。
「あんた、それでも天使か」
「ごもっともな意見だ。僕も今回ばかりは天道に反していると自覚している。だから何か言い残したいことがあれば言って。最後の慈悲として、聞いてあげるよ」
そう言われた3人は、動けない状態ながらもアイコンタクトで意思疎通をし、互いの考えを共有した。
「でしたら、お2人だけ」
「せやな。おとん。おかん。さいなら」
「お父さん。お母さん。じゃあね」
彼女達が別れの言葉を告げると、青山夫妻と赤羽夫妻は嬉しそうに笑みを浮かべた。
それから間もなくして、肉を貫く音と斬撃音が時間差で夜のグラウンドに響き渡り、納刀された菊一文字零式・真打とグラウンドに鮮血が飛び散った…………
『そして……』とはすなわちこういうことです。
因縁の相手を前に、裏切りと死に直面した死獣神。強い結束と力を持っていた彼らの末路がこれとは皮肉なものです。




