裏切り そして……(1)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
と、絶望しかけていると、玄武の携帯電話が着信を知らせた。
そこに記された名に玄武はたまげ、慌てて電話に出る。
「え!? もしもし?」
「あ、タケ君! 大変なんだわさ!」
電話の主は自宅でサイトの管理・運営をしていたAIだった。普段喋らない彼女からの電話。それだけで緊急事態を物語っている。
「どうしたの? 君の方から電話してくるなんて」
「それが、さっきから死獣神サイトにハッキングをしかけられてて、データを片っ端から壊されていってるんだわさ! タケ君どうしよう!?」
その知らせに玄武は耳を疑った。サイバーポリスの追撃を回避し、鉄壁のセキュリティを誇る死獣神サイトが侵入を許しただけでなく、天才プログラマーにしてハッカーでもあるAIが手も足も出ないなど、俄に信じ難いからだ。
「どうしようって、僕じゃどうにも……止められないの?」
「うん。あぁっ! とうとうメインシステムにまで! ごめんタケ君! 電話してる余裕なくなっちゃった! 切るねっ!」
「え!? ちょっ……!」
玄武はそう言いかけたが、その前に通話を切られてしまった。それ程までに状況は切迫しているらしい。
「どないしてん!?」
冷静さを失っている自分を見て心配した朱雀にそう尋ねられた玄武は、まだ頭が混乱しているものの一旦落ち着き、オーナーとして仲間に先程のことを説明した。
青龍達は皆、嘘だと思いたかったが、愛花の慌てぶりからしてそれはない。
逃れようのない現実を突きつけられ、死獣神メンバーは愕然としたが、それをやったと思われる人物の目星はついていた。
「……黒龍さん。何かしましたか? たとえば、僕らの相手をしつつ、部下にハッキングを命じているとか」
「さぁ? 知らんな。まぁ、敵である以上、疑いの目を向けたい気持ちはわかるが、その件に関してはこちらとは全くの無関係だ」
「そんな言葉を信じろと?」
「そう思うのならかかってこい。もう傷も癒えただろう?」
「言われずとも!」
そう言って青龍は、ペガサスに治してもらったばかりの体に鞭打って、再び挑んでいった。
泣きっ面に蜂とはまさにこのことです。
いったい誰がやったのか? もうおわかりかもしれませんね。




