思わぬ助っ人(1)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
敵の装備や人数、個々の戦闘力を事前に茅から聞き、把握していた青龍らは、特殊装甲に覆われていない頭部を的確に攻撃する。
時折、400ヤード以上離れたマンションの屋上から茅が青龍やペガサスを狙撃してくるが、そこはノープロブレム。黒龍に疑われないように、しばらくの間、弾丸に対する防衛手段を持つ者を狙撃するようにと、あらかじめ彼女と打ち合わせをしている。
と、ここまでは計算通り。その上でペガサスは盤石を期すため、ある一手を打つ。
「そろそろか……黒猫。それと白虎君。悪いけど入口辺りにいる敵を排除して」
「何か策があるようね。了解。行こう白虎」
「行こうったって、どうする気っすか? 黒猫先輩。確かに俺らの方が近いっすけど、それでもここからじゃまぁまぁ距離が……」
白虎がそうウダウダ言い続けると、黒猫は彼の手を掴んで宙に放り投げ、自身も自慢の跳躍力を用いて彼を追った。
「この高度ならできるでしょ? 四の五の言わずに早く」
「あ、そういうことっすか。了解っす! 不死鳥!」
「光輝」
「天翔脚ーっ!」
黒猫と白虎は2人同時にそう言って、入口付近にいた死獣神被害者の会の会員の頭を蹴り砕いた。コピー能力の持ち主である黒猫だからできる戦法である。もっとも、何の説明もなくいきなり空中に上げられた白虎は、冷や汗ものだっただろうが。
「けど、なんだってあんなところにいた奴を?」
「客人に手間をかけさせるわけにはいかないだろ?」
「へ?」
白虎がそう言った直後、1人の女性が宙返りして被害者の会の密集地点ド真ん中に着地した。そして、
「奥義! 孔雀雷閃舞!」
と言って、周囲にいた会員達を足払いで宙に浮かせ、闘気によって生じた電気を纏った手刀で回転斬りし、彼らを両断した。
こんなことができるのは、白虎が知る限り、彼女しかいない。
「何を間抜けな声を出しているの? 大牙。それでもチャンピオン?」
「フェ、緋蘭さん!?」
そう。その女性とは、白虎への復讐をするための子をいまだに孕んでいる緋蘭だった。
「いいんすか!? 妊娠してんのに、そんな大技やって!」
「あら、心配してくれるの? 自分の命を奪うかもしれない子のことを」
そう言われて、白虎は一瞬ゾッとする。
「さて……今よ」
緋蘭がそう言って合図を送ると、『了解』の一言と共に彼女を囲む会員の頭に何かが刺さり、悶絶する。
わかりきっていることですが、一応言っておきます。
妊娠中の戦闘。ダメゼッタイ。




