思わぬ助っ人(2)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
その正体は流星錐。しかも、毒使い用にカスタマイズされた代物だった。
「これって……じゃあ、まさか!」
「続いて。2人共」
持ち主がそう言うと、彼女の背後から2人の大男が飛び出し、拳や投げ技で次々と制圧していく。
見事な連携プレーで加勢しに来たのは、ペガサスから連絡を受けて駆けつけた十三と、死んだはずの海姉弟だった。
「凜華さん! それに、王龍さん!」
「は!? なんでこの独活の大木がおんねん! キョンシーになって化けて出てきたんか!?」
「誰がうどの大木だチビ女! それに、キョンシーでもねぇ。現に顔に札を貼ってねぇだろ?」
「そりゃそうやけど……」
朱雀はいまいち釈然としなかったが、そんな彼女のことは無視して、海姉弟と緋蘭と十三は白虎の方を向き直す。
「それはそうと、白虎。さっき緋蘭から聞いたけど、彼女、あなたの子を孕んでるんですって?」
「え、えぇ、まぁ」
「ふふっ、女の恨みを買うなんてね。白虎……」
凜華がそう言うと、その場にいた仲間達が一斉に、
「ご愁傷様」
と、白虎に憐れみの言葉を送った。
「だーもう! みんなして『ご愁傷様』って言うなーっ!」
そう怒鳴る白虎の反応を見て、ペガサスや緋蘭達は面白がるが、ここは放課後の教室ではなく戦場と化したグラウンド。和気藹々とした雰囲気の彼らに苛立ちを覚えた影や被害者の会の会員らが、容赦なく襲ってくる。
だが、心配はいらない。死獣神の加勢に来たのは彼女達だけではないのだ。
高速で駆け抜けた何かが、刹那の内に敵を肉塊にしていく。それをやってのけた男達の姿に、青龍達は見覚えがあった。
「ふっ、僕らは運がいい。こんな最高の舞台で彼女達の役に立てるのだから。君もそう思わないかい?」
「えぇ。まったくです。ずっと、彼らに恩を返したいと思っていましたから」
「ひ、人兄ぃ!?」
「京士郎さん!?」
そこにいたのは、青龍達の目の前で死亡したはずの人志と京士郎だった。
予想だにしない人物の登場に、死獣神一同は一瞬目を疑ったが、前例がある分、すぐにピンときた。
ペガサスが彼らや海姉弟をリヴァイヴで復活させていたことに。
問い詰めると、ペガサスはその事実を素直に認め、彼らだけでなく、蒼子も生き返らせていることや、京士郎のデミ・ミュータント能力も、未来が開発した遺伝子操作をリセットするワクチン・ノーマライズリキッドを投与したことで、完全に抹消されていることを語った。
おかげで京士郎は真人間に戻れたが、この結果に朱雀は納得していない。
「……あんた、反省の色無しか」
「そう言われても仕方ないことは、重々承知してる。けど、みんなも知ってのとおり、僕はチキンな慎重派。石橋を叩きすぎて壊してしまうぐらいのね。だから、いくら敵の数や装備がわかっていても、万全を期さないと気が済まないんだ」
そう言われた朱雀は舌打ちをし、『何かあったら覚えておけよ』と、悪態をつきつつ、釘を刺した。
死んだはずの人間のまさかの復活。前例があるとはいえ、タイトル通りの助っ人だと思います。
あと、白虎。ご愁傷様。




