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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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奏を殺害せよ(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 未来や柚達が心配するほど、自信を失いかける龍。皆が叱咤激励をして奮い立たせようとする中、こいつだけはそう見せかけて水を差し、更なる追い討ちをかけた。


「龍。止めたいんだろ? 自分の両親を」


「うん」


「守りたいんだろ? 自分の姉ちゃんを」


「うん」


「そして……振り切りたいんだろ? 黒龍っていう過去を」


「うん」


「……だったら、最後まで奏さんを守りきってやれ。()()()()()()、な」

 翔馬のこの一言に、龍を始め、全員がキョトンとした。


「どういうこと?」


「……翔馬君。もしかして……」


「あぁ。俺らは依頼を受けさせてもらう。奏さんがどうなろうが知ったこっちゃねぇしな」

 全員が心情的な理由や罠の危険性から受けるのを躊躇っている依頼をあえて受ける。

 血も涙もない彼の考えに、大牙や澪らは一斉にブーイングした。


「そんな! 翔馬君、非情すぎるよ……」


「『非情』、ねぇ……」

 頭を掻きながらそう言うと、翔馬は深いため息をつき、


「龍。俺とお前との間には、もう亀裂ができちまってる。取り返しがつかないほど深くて大きい亀裂がな。なんでそうなったかは、てめぇの頭で考えろ。じゃあな」

 と言って、ミーティングを抜け出し、先に帰ってしまった。

 この時の彼の言動がどうしてもひっかかったのだろう。朋美を含めた3()()が真意を問い質そうと、落ち込む龍のケアを紫乃らに任せて彼の後を追いかけた。


 結局その後、ミーティングは空気が悪くなったせいもあり、そのままお開きとなった。



 それから4時間後。日が傾き、戦いの時が迫る中、死獣神メンバーはというと、それぞれの時間を過ごしていた。


 雲雀達大半のメンバーは、死獣神存続を第一に考え、サイト運営やわかりきってる敵にどう対処するかということに全神経を注ぐ。


 未来と愛花は直接戦うわけではない。だが、大切に想う者達を助けるサポートをすることはできる。そのために彼女達は、パソコンに一時も離れず向き合い続けている。


 ペガサスは為すべきことだけを見据え、()()()と共に暗躍する。


 柚は茅に連絡をとり、黒龍を討つための作戦を通達した後、宙と美夜相手に電話で他愛もない会話をした。

 その会話中に、宙から美夜と付き合うことになり、今、大阪市内にある某有名テーマパークで彼女と初デート中だと聞かされ柚は、幸せそうな幼なじみの声に嬉しく思い、学校でのキャラで祝福の言葉を贈った。

 本当は嘘偽りない言葉で祝福したかったが、それはできない。素の自分の状態で話してしまうと、どうしても別の感情が勝ってしまうから。柚は必死に堪えて彼らとの電話を切った。


 龍は、翔馬に対するわだかまりがまだ残っていた。彼の言動の意味については未だにわかっていない。

 それでも彼は、迷い、苦悩した末に1つの答えを導き出した。その選択に悔いが残らないように、彼は得物を手に取る。

 何人もの命を奪った穢れた武器でも、守れるものがあると信じて……


 茅から知らされた決戦の時間は夜の9時。和を乱した翔馬のことは気になるが、皆の士気は最高潮に達している。

 準備は整った。後は、彼らにとって長い夜を待つだけだ…………

 それぞれが為すべきことを見据え、想いを胸に夜を待つ。

 決戦までもう間もなくです。

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