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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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奏を殺害せよ(5)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 午後8時半。静まり返った綱手中学校のグラウンドに、仕事終わりの奏の姿が何故かあった。

 実は、彼女も例の依頼を見ており、両親を説得、または龍が来るまでの囮となるべく、慎介に連絡をとり、彼が指定したこのグラウンドに来ていたのだ。


 気になるのは、例の依頼を受けた殺し屋が誰なのか。龍が受けるとは思えないが、そうなると、見知った顔の殺し屋が自分の命を狙いに来ることになる。その人物と弟が戦うことになると思うと、想像するだけで心苦しい。


 と、そんな彼女の元に、1人の殺し屋が暗闇の中から現れた。

 その人物は……まさかの青龍だった。


「姉さん」


「龍!? よりにもよってあんたが刺客とはね」

 奏がそう言うと、青龍はすぐに否定した。


 奏の帰りが遅いことを心配した青龍は、AIに協力してもらって彼女を捜索。携帯電話の電波からここを特定し、急いで駆けつけてきたと釈明した。

 つまり、青龍は姉を殺すために来たのではない。彼女を守りに来たのだ。

 彼は最終的に、仕事より私情を優先したのである。


「そっか。よかった。あんたが来てくれて。ありがとう。それと、一瞬でも疑ってごめん」


「仕方ないよ。僕がやってきたことを考えれば当然のことだ」


「龍……」

 そう言って2人は、今にもハグしそうな雰囲気になった。


 その時、彼らのいいムードを吹き飛ばすかのように強風が吹いた。殺戮の聖天使が舞い下りたのだ。


「お2人さん。悪いけど、そこまでだよ」


「ペガサス君」


「どいて。さもないと、君も殺すよ」

 2人のやりとりを見ていた奏は、ここで初めてペガサスが刺客だと気付く。


「やっぱり、姉さんを狙って?」


「それ以外何があるの? 人間なんて……人間なんて死んで当然なんだ! 滅ぶべき存在なんだっ!」

 そう怒鳴り、襲いかかってくるペガサスの刃から青龍は奏を守り、彼に立ち向かった。


 死獣神の中でもトップクラスの実力を持つ2人の殺し屋・青龍とペガサス。

 互いの考え方の違いから招いた。最初で最後の決闘が、今、始まってしまった。

 これから決戦という最悪のタイミングで同士討ちが始まりました。

 何故こんなことになったのか、その答えは彼らの戦いとそこに至るまでの変化の中にあります。

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