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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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奏を殺害せよ(3)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 午後1時。武文の家に死獣神メンバーと未来が集まり、黒龍らへの対策を含めたミーティングが開かれた。


 まず最初に口を開いたのは柚。彼女から報告されたのは、茅が潜入して手に入れた黒龍と死獣神被害者の会についての情報だった。

 茅いわく、黒龍は粛清で減った人員を補うために、1ヶ月ほど前に立ち上げて間もない死獣神被害者の会に接触。彼らに特捜5課が使っていたものより頑丈な軍用特殊装甲を提供し、戦法をレクチャーしているそうだ。

 おそらく死獣神打倒という点で利害が一致したのだろう。

 それでも黒龍にとっては青山夫妻も、いや、影すらも駒であり、無用な戦いを避けるための盾としか思ってない。

 その証拠に彼は、青山夫妻と会談した時に、自身が硬化と自然治癒のデミ・ミュータントになったと明かし、ブラック・ナイトを出し抜いたり、同盟を破るような行動をした場合、死獣神被害者の会諸共皆殺しにすると脅したらしい。


 黒龍が施した戦力増強と、彼自身がデミ・ミュータントと化したこと。これだけの脅威を事前に知れたのは紛れもなく茅のおかげである。

 これについては、万全の準備と戦術プラン構築を整え、茅と連携すれば対処できるということで意見が一致した。


 問題はやはり、奏を殺害せよという依頼の件である。あのことを電話で知らされてからというもの、龍は気が気でない状態に陥っている。

 そんな彼と、彼を落ち着かせようとする翔馬が激しくぶつかり合う。


「あんなの、なんかの間違いだよ。絶対! 姉さんがターゲットになるなんて、そんなの嘘だ!」


「落ち着け龍! いいか? あれほど才色兼備なお嬢さんなら、嫉妬で殺そうとする奴だってゴマンといる。現に、あの人はいっぺん指を切られかけたんだろ?」


「それは……」

 翔馬からの指摘に、龍は言葉が詰まる。


『あたしも同じ意見だわさ。差出人のアドレスを調べてみたら、死獣神被害者の会の会員名義だったよ』


「つーことは、十中八九お前の親父とお袋の差し金だろうな。てことは、俺らに奏さんを殺させて、その直後で精神的に参ってるところを暗殺。もし断っても、自分らで手を下すか別の殺し屋を雇うなりして、彼女の命を狙う。いずれにしても、奏さんが殺される理由は十分あるってことだ」

 翔馬から冷淡にそう言われて、龍は愕然とした。黒龍と両親の相手をしつつ奏を守る。はたして自分に、それだけのことができるのだろうか? と。

 ただでさえ激強の黒龍をデミ・ミュータントにしたのは誰か?

 その正体は後に明らかとなります。

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