一触即発? スキー旅行(4)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
出発から4時間後。一行はスキー場近くの宿に到着。
入ってすぐ、翔馬は率先してチェックインをするためフロントに向かい、龍達はその間、ロビーで寛ぎながら待つことにした。が、チェックインしに行ったのはあの翔馬。その時点であまりいい予感はしない。
実際その通りだった。彼の独断で既に全員の部屋が決まっており、翔馬と瞳と朋美。武文と紫乃と愛花がそれぞれ同じ部屋で、龍を含めた残りの6人に至っては、大部屋までとって一緒という大きなお世話全開の部屋割りとなっていた。
もちろん愛花や澪、雲雀らといった恋のライバルを徹底排除したい面々は猛抗議するが、そんなものは馬耳東風。
「ま、そういうわけだから、変更申し込みや異議は一切受け付けねぇってことで。以上!」
「な!? そんなん横暴やないか! ボケ翔馬!」
『そうだわさ! ブーブー!』
雲雀や愛花はそう文句をつけるが、今更言ったところで時間の無駄。龍達は渋々部屋割りを受け入れることにした。
数十分後。部屋に荷物を置き、スキーの準備を整えた龍達は、ゲレンデに集合した。
実はこのスキー場は、翔馬が幼少期から家族とよく来ている所で、実家を離れて暮らし始めた去年も、零や恋といった龍達以外の仲間と訪れている。
「さて、今から滑りに行くんだが、その前に、この中でスキーはからっきしダメって奴はいるか?」
そう聞かれて、澪と紫乃と愛花は恥ずかしそうに挙手した。
「じゃあ3人は、午前中スキースクールに通うってことで」
翔馬がそう言うと、雲雀は心の底から喜び、ガッツポーズをした。澪が抜けるということは、その分龍と楽しむことができるからである。
それに気付いた頃にはもう手遅れ。澪は自分だけ仲間外れになる状況にガックリと肩を落とし、自らの運動神経の無さをこの上なく呪った。
「まぁ、心残りは各々あるだろうが、それは一旦忘れて楽しもうぜ。せっかく来たんだし。んじゃ、12時になったら一旦ここに集合ってことで、みんな、あとは好きーなだけ滑ってこい」
まさかの親父ギャグ。龍達のみならず、その場にいた他の客達の心にも寒風が吹き荒ぶ。
「うわ。もしかして俺、スベった?」
「スキーだけにねー。ほら、行くよ」
そう言って、瞳が翔馬の襟首を掴み、引きずるように2人乗りリフトの方に行くと、残った澪や武文達は気を取り直して、スキースクールやリフトの方へと向かった。
無論、龍も行くつもりだったが、予想以上に翔馬のギャグの影響が出たらしく尿意を催し、未来達を先に行かせて、自分はトイレに駆け込んだ。
寒すぎる親父ギャグをスキー場でかました翔馬は罰金ものです。




