一触即発? スキー旅行(3)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
翌朝午前6時。ワゴン車2台をレンタルした一行は出発し、紫乃と免許をとったばかりの奏の運転で福井県今庄へと向かった。
ちなみに、車内で龍を巡るバトルが起きたら面倒かつ危ないので、奏が運転する車には、龍と未来と翔馬と瞳と朋美が乗っている。
その車中にて、翔馬は率直な感想をもらした。
「しっかし、龍に紹介された時も驚いたけどだけど、まさか奏さんに運転してもらう日がくるとはなぁ……未だに信じらんねぇよ。ひょっとしたら、近い内にベッドも共にする日が来たりして。グヘヘヘヘ」
そうやって下卑た笑いをし、鼻の下を伸ばしているから、瞳から鉄拳制裁をくらうことになると、彼はいったい、いつになったら学習するのだろうか?
「信じらんないのはこっちのセリフだよ。あの殺人鬼・天使ペガサスが、こんなただの女好きのスケベだとは思わなかったから」
「いつつ……正確に言えば、俺とあいつは同一人物じゃないっすよ。あいつは俺と違って真面目な奴で、神様と世界に忠誠を誓ってます。だから、神様のために生き、神様のために人を殺し、神様のために死ぬ。それだけがあいつの存在意義なんです。けど、あいつはあぁ見えてすっげー心がよえぇから、誰かが支えてやんなきゃならない」
「それが翔馬君の役目?」
「はい。あいつのダチなんで」
迷いなくそう答える翔馬。犯罪の片棒を担いでいるという点では、支えとして、友として間違っているのかもしれないが、そこには血縁よりも強い絆がある。
そこには奏も思うところがあった。
「信じる人のために……か。私も、龍だけかもしんない……」
前だけ見ながら誰にも聞こえないように、奏はそう呟いたが、助手席に座っていた龍と真後ろに座っていた未来の耳に届いていた。
どういうことなんだろうと、2人はその真意を聞こうとも思ったが、これから楽しい旅行に行くところだということや、彼女にとってとてもデリケートな部分だということから思い直し、質問したいという気持ちをグッと堪えた。
奏の呟きの真意は、後に大きく関わってきます。




