柔を求めし剛将(4)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
今回のターゲットは、雷ファミリーの敵対組織に雇われていた殺し屋コンビ・双頭鳥。
日本人の兄弟と言うことと凶器以外判明していないフリーの殺し屋だが、その所業はとにかくひどく、十三が以前所属していた暴力団・久遠組の関係者を老若男女問わず皆殺しにし、さらには十三を迎え入れてくれた雷ファミリーの構成員十数名の命も奪った。
これだけなら、ただの抗争の一言で片付くのだが、彼らの場合それに飽き足らず、殺し屋のくせに金品まで強奪したのである。
一応、帝虎の指示で、双頭鳥を送り込んできた組織は雷ファミリーの報復によって壊滅させることには成功したが、契約が切れていたのかその場に双頭鳥の姿はおらず、今現在に至るまで行方を掴めずにいるのだ。
「……そこであなたには、双頭鳥の捜索と抹殺をしてもらいたいの」
「え!? 捜索もっすか!? 俺1人で!?」
「誰もそんなことは言っておらん。おぬし1人に任せていては、時間がいくらあっても足りんからの。じゃから、わしのところの若い衆にも動いてもらい、土地勘のないおぬしのために、サポートとして十三と組んでもらう。十三もそれでよいな?」
そう聞かれた十三は、大牙の実力をあてにしていないのか、不満げな顔をしながらも了解した。
「うわ、不服そう……ま、いっか。んじゃ、早速行ってきます」
そう言って大牙は、十三と共に捜索を開始しようとし、帝虎や紅花、構成員らが激励の言葉をかけた。
その中にいた1人の構成員の、
「久保田さん! お気を付けなすって」
と、中国語で言った見送りの言葉が、大牙に引っかかった。唯一聞き取れた久保田という名字と十三という名前……どこかで聞き覚えがある。
その答えがわかった時、大牙はようやく十三のことをはっきりと思い出し、それまでの評価から一転、尊敬の眼差しを彼に向けた。
武文がおいしい話を持ちかける時は、大抵裏がある。
わざわざ1週間も日程を組んだのには、こういう理由があったんです。




