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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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殺戮の拳(5)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 翌朝。大牙と朋美が朝風呂へと向かい始めた午前7時半頃。柚はチクッと刺さるような痛みを感じて目を覚ました。

 寝ぼけ眼ながらよく見てみると、自分が寝ていた布団の周囲に、何やら見慣れぬ機材と心電図らしきものがある。それらを用意した張本人は、今まさに自分の腕に輸血用の針を刺した未来だった。


「あ、ごめん。痛かった?」


「……何してるの? 未来さん」


「柚さんの血を少し貰ってるの」

 突拍子もない言葉に疑問が晴れない柚に、未来は自分が同行を申し出た理由を明かし始めた。


 彼女が何の関係も無いこの依頼についてきたのは、柚や朋美ともっと親睦を深め、信頼し合える友になりたいというのもあったが、もう1つ重要な理由として、柚のコピー能力を改良するためでもあった。

 龍からコピー能力の上限とそれに伴うリスクを聞かされていた未来は、さぞかし苦労してるのだろうと同情し、ならばデミ・ミュータント研究者としてなんとかしようと、同行したのだ。わざわざ伊豆まで機材を送りつけてまで。

 幸い、柚は不完全ながらもコピー能力の基礎遺伝子はあったらしく、根気よく施術を施し続けていけば、いつかは上限が無限になる。そうなれば、彼女はなんの制約も無く、コピー能力を行使できるようになるのだ。

 そこまでするのは、彼女を一流の殺し屋として生きてもらうためではない。日常生活でも不自由なく行使し、彼女自身が幸せに生きられるよう願ってである。


「ごめん。事前に言うべきだったよね? でも、柚さんの性格上『余計なお世話』って拒まれそうだったから……」

 そう言われて柚は首を横に振り、


「そんなことないよ。寧ろその逆。感謝してもしきれないよ。ありがとう」

 と、素直に礼を述べ、彼女の施術に身を委ねた。



 その後、採血等を終えた2人は大牙と朋美と合流。柚の希望で、龍との恋を成就させるためのデート服を買いに行くことになった。

 普通なら恋敵の服を選んであげる義理など、未来には無い。それでも快く了承し、朋美も誘うことを勧めたのは、やはり恋のライバルとしてより、親友としての想いの方が強いからである。無論それは、柚も同じ。でなければ、そんなお願いなどハナからしない。

 いずれにしても、打算なくショッピングをするその姿は、まさしく友人としての理想形と言えるだろう………………

 ちなみにこの数日後、柚はその服で龍とデートをしに行きました。

 結果は大成功だったのですが、それによって雲雀と澪がいい思いをしなかったのもまた事実。

 恋のバトルが激化するのは必至でしょう。

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