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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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殺戮の拳(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 そうとは知らない泰三は、ここならば追いつけまいと得意げに逃げながら、近くの港付近に繋がる洞穴を目指していた。

 今頃殺し屋達は、呆然と立ち尽くしているか、諦めて帰ろうとしているに違いない。多くの犠牲を払った泰三は、ここを無事逃げ切ることができたら、必ず再起と復讐を遂げようと心に誓った。


 が、そうは問屋が卸さない。完全に油断しきっていた彼の後方から、何かを叩きつけるような激しい水音が近付いてきた。

 なんの音だ? 不思議に思い振り返った泰三は我が目を疑った。

 何故なら、黒猫が水上走行というあり得ない手段で追いかけてきたからである。


(あいつ! 化け物か!?)

 千里眼で泰三の驚く様子が目に映った黒猫は、彼の真上の水面で直立する。


「坂田泰三さん。そこにいるのはわかっています。大人しく殺されてください」


(冗談じゃねぇ! そう易々と死んでたまるか!)

 そう心の中で言い放った泰三は、再び逃走を図った。水中にいる以上、まだ安全だと驕っているからだ。


 その生に執着する醜い姿を見た黒猫は、呆れてため息をついた後、天高く跳躍し、


「闇夜式体術……界王十戒(かいおうじっかい)。せーいっ!」

 と、言いながら海面にカカト落としをし、海を真っ二つに割った。

 それによって、泰三を守っていた海水という鎧は剥がれ、彼は海底に尻餅をついた。ということはすなわち、陸にいる2人からも狙えるようになったということである。


「今よ。ユニコーン。海が元に戻る前に、早く」


「あ、了解。はーっ!」

 そう言ってユニコーンは泰三の顔面に飛び蹴りを食らわせ、彼の顔面を粉砕。

 それを確認した2人は、一目散に海から脱出した。


「任務……完了………………」

 そう言い終えると、キララは深い眠りについた。活動限界を迎えたのである。


 きっかり1時間で仕事が終わり、ホッとする2人。その後、これ以上の長居は無用と判断した白虎と黒猫は、ユニコーンを背負って未来が待つ宿へと帰還した…………

 『死獣神』シリーズで水上走行や水面で立つことができるのは後にも先にも黒猫だけです。(ペガサスも本気を出せばできはかもしれませんが、混血も含めた人間となると、彼女のみです)

 よい子はマネしないでください。

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