ガールズトーク(3)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
話は戻すが、そんな本日の彼女の機嫌を損なわせるNGワードを口にしてしまった大牙は、自らの死を覚悟した。
「それとも、お望みどおり干物にして、その無様な姿を透美さんの携帯に送信してあげよっか? 『ハーレムを妄想したらこうなっちゃいました』って一言を添えて」
「どどど、どれも結構です! すみませんでしたっ!」
怯える大牙が必死になって謝ると、柚は彼から手を離した。
大牙からすればこのやりとりの間、全く生きた心地がせず、寿命が10年は縮んだと錯覚したに違いない。
そんな彼に対し、朋美は唐突に彼の肩に片腕を回して、項垂れるように全体重を預ける。体調が悪くなったのではと思った大牙は、
「どうしたんすか? 重岡先輩」
と、彼女を気にかけ尋ねたが、彼女は至って健康そのもの。寧ろ、大牙の方こそ、まだまだ続く受難にもっと警戒するべきだった。
「…………大牙。ちと付き合え」
「え? その口調って、もしかして、まさか……」
嫌な予感がした大牙がそう言うと、朋美だった者は顔を上げて不敵な笑みを浮かべた。
「おう。もちろんこの俺だ」
「やっぱり、玄さんかーっ!」
玄の登場に、いつぞやのトラウマが蘇った大牙は、逃げようとするが、肩に回していた玄の腕がそれを許さない。
「よう、てめぇら。急でわりぃけど、こいつ借りてくぜ。いいよな?」
そう聞かれて、柚は迷わず首を縦に振る。
「え!? 猫宮先輩。即答とか嘘っしょ!? 何とか救いの手をーっ!」
大牙はめげずに救いを求めるが、未来からも手を合わせて謝られた時点で、救済は絶望的である。
「ごめん。ヘタに止めたら、私達も何されるかわからないから」
「ま、いいんじゃない? 彼に色々開発されて、新しい世界の扉を開くっていうのも」
「そんなカオスな扉開きたくありませんっ!」
そう言って、駄々をこね続ける大牙だったが、玄は待ってはくれない。
「おら。行くぞ」
「ちょっ! 叶先輩と猫宮先輩の薄情者ー! 鬼! 鬼畜ーっ!」
そう捨てゼリフを吐いて、玄に引っ張られていく大牙。哀れな彼に未来と柚が今してあげられることは、気の毒そうに苦笑いするか、合掌するかしかない。
安定の女難の相ですね。
まぁ、今回は自業自得でしょうけど。




