ペガサスの模倣犯(7)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
目の前で起こった悍ましき惨劇と、その犠牲になった家族と秘書の亡骸を目の当たりにした正治は、恐怖に戦いていたが、どうすることもできない現状に開き直ったのか、
「き、貴様ぁ! この堕天使がー!」
と、ペガサスに罵声を浴びせてきた。
黙っていればもう少しマシな死に方ができたかもしれないものを、この一言のせいで彼の末路が、凄惨なものになることが決定した。
「僕はまだ堕ちてません。なのに今あなたが言った言葉は、僕にこの使命をお与えになった神様をも侮辱するものです。相応の覚悟をしてもらいますよ」
その言葉と殺意に満ちた目に、正治は脱兎の如く逃げようとするが、逃げ道などないし、あのペガサスが逃がすはずがない。
ペガサスは再び風の刃を装着すると、正治の四肢を指1本残らなくなるまでバラバラにして惨めに這いつくばらせてから、風の刃とスレイブフェアリーで肉片の塵と化した。
これで自分と死獣神に降りかかる脅威は払拭できた。が、それを為したペガサスの顔に達成感などはなく、どこか浮かない表情をしている。
その原因は正治が言った言葉にあった。
「堕天使……か。神様、僕はもう止まりそうにありません。もしかしたら、あの男の言うように、僕の心は、もう…………」
そこには、任務を忠実にこなそうとする神様の下僕や狂気に駆られた殺人鬼の姿などなく、ただの悲しみに満ちた哀れな聖天使の姿があった……
その後、通報を受けた警察の捜査によって、正治の企みは白日の下に晒されることになった。
ここまで大暴れしたにもかかわらず、ペガサスの犯行自体は、相手が悪党だということと、死獣神のためにやったという点を考慮した瞳によって揉み消され、正治達の死は未解決事件として後に処理された。
こうして原田親子による模倣と殺人事件は無事解決し、ペガサスの潔白は証明されたが、この時、龍達はまだ知る由もなかった。ペガサスと龍。彼らの変化によって死獣神に1つの火種が燻りだしていることを………………
今の状態になっているペガサスが、今後ほとんどの作品で登場するペガサスだと思ってください。
どういう状態かは、『死の書』終盤をお楽しみです。




