ペガサスの模倣犯(5)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。
午後10時頃。大阪市内にある事務所で、正治や彼の妻、娘や秘書達と楽しげに会話しているペガサスの模倣犯の姿があった。
男の名は原田煌太。正治の子供ではあるが、幼い頃から非行や犯罪に手を染めている札付きのワルで、7ヶ月前までペガサスと同じ拘置所にいた男である。
彼は絶大なカリスマ性を持つペガサスと出会ったことで、憧憬と尊敬の念を抱き、以来犯罪の手口を研究していた。
そこに正治が注目し、彼を釈放。ペガサスの模倣犯として政敵を排除させていたのだ。
ちなみにあの犯行声明は、対立する政治家に恐怖を与え、反抗させる気を無くさせるためにやったものであり、仮に自分が疑われても、『ペガサスが勝手にやっていて迷惑している』と、言い逃れをするつもりでいる。
それらの甲斐もあってか、最早政敵が皆無に等しくなった正治は、浴びるほど酒を飲みまくり、我が世の天下とばかりに家族や秘書達とどんちゃん騒ぎをしていた。
だが、もうおわかりだとは思うが、この世に悪が栄えた試しなし。フッと電気が消え、すぐに点くと、あの男が1人の秘書の隣りに立っていた。
「こんばんは。原田正治さん」
「お、お前は、天使ペガサス!」
「ご名答。どうやら煌太君も一緒のようだね。久しぶり。君だね? 僕の模倣をしているのは」
「な、何しに来たんすか!?」
「決まってるだろ? 君達を殺しに来た。君らの馬鹿げた茶番は、僕と死獣神の障害になるからね。さ、わかったら大人しく首を差し出して。さもないと、これ以上の苦しみを味わうことになるよ」
そう言うとペガサスは、隣りにいる秘書の肩をポンと叩いた。すると、秘書の体がまるで積み木崩しのようにバラバラになって崩れ落ちていく。
先程の暗転の間にやったとは思えない芸当に、恐怖を感じた正治の娘や秘書達は悲鳴を上げ、逃げようとしたが、既に事務所の出入口はペガサスが張ったバリアによって封鎖されている。
さ、惨劇という名のお仕置きタイムの始まりです。




