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駄女神に拉致られて異世界転生!!どうしてこうなった……  作者: 猫缶@睦月
2.いつか覚める夢
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7.近郊の森にて③

 そういえば、男子は何をしているのでしょう。揉めたりしていなければ良いのですが。周囲を見渡すと、視界に入った男子は木の棒を持って打ち合いをしています。ちゃんばらごっこかぁ、少しは遊びに工夫というものが出来ないのかな?

 僕は収納から以前作ったボールを取り出します。これは拳大の石に糸を巻いて、直径20cm程にしたものです。合わせて初歩的なサッカーのルールを書いた紙を取り出し、エマを呼んでボールと紙をリアンに届けてもらいます。

 ボールは以前僕が遊び用に作ったものですが、アレクシアさんとイリスに淑女がすることじゃないと駄目だしを喰らって、死蔵していたものです。確かにこの世界の女性はスカート着用が一般的ですが、流石にスカート姿ではボール遊びはしませんよ。そう言ったら、スケート姿で蹴り技使う人の言葉なんて信じられないと、文字通り一蹴されました。

 折角ルールも簡単に書いたのも、無駄になったのでここで活用しましょう。彼らがそれを使うか使わないかは、彼らの勝手ですし。


 芋煮の方は、僕とリンで味見して、味を調えます。僕が大雑把担当でリンが細かい調整を加えると、随分と味が変わりましたね。とても美味しいものが出来上がります。七味も加えると美味しそうですが、個人の好みですしね。後から、好きな方には入れてもらいましょう。

 賑やかな声が聞こえてきたので、森のほうを見るとユーリアちゃん親子も帰ってきたようですね。良い得物でも取れたのか皆さんいい笑顔をしています。


 「おかえりなさい。何かいいことがありましたか?」


 僕の質問に、ミロシュさんが答えます。


 「いや~、久しぶりの狩りだったので、だいぶ腕が鈍っていたよ。獣人族の皆さんのお陰で、無事しとめることが出来たけどね。何頭か狩っているうちにやっと一撃でしとめることが出来てね。あのままの成果だったら、家に帰っても立場が無かったよ。」


 笑いながらいうミロシュさんに、カタリナさんも肯いていますね。


 「ユーリアとダニエルの前で、みっともない所は見せられませんもんね。」


 「それは勿論だが、君の前でも格好はつけさせてくれよ?」


 いや、ミロシュさんとカタリナさん、惚気はいいですから。微笑ましいけど、妙に空気が甘くなりますので。二人はエルフ族なので、見た目もミロシュさんが20代前半、カタリナさんは10代後半にみえるので若い夫婦そのままに見えるので、余計空気が甘々になるんですよ。

 そんな空気を読んだのか、狼人族の狩人(ハンター)リーダーが声をかけてきました。頭部が獣系の獣人さんは、年齢が分かりにくいですね。兎人族や猫人族のお姉さん狩人は、まだ20代前半に見えますが、15歳から狩人をしていれば、立派な中堅狩人さんですしね。


 「こちらも十分稼がしてもらったが、君達は何か食事を作っているのかい? 変わった匂いがするのだが。」


 うんうん、こちらには無い匂いのものですしね。


 「はい。リンのお国の料理っぽい(?)ものなのですよ。皆さんもお腹がすいたんじゃないかと思いまして。」


 「おぉ、頂けるなら助かるな。街の近くなのに固パンと干し肉の昼食は、さすがに味気なくてな。我々も獲物の肉やキノコの類なら、採取品から提供できるので、良ければお願いしたい。」


 狼人さんの声に、狩人さんがみんな肯きます。そこで、それではとカタリナさんも口を開きます。


 「では、私も手軽にできるエルフ料理を作りますね。森の民ですから、こういった場所での調理も得意なんですよ?」


 軽く僕達にウィンクしてくれます。狩猟でとれた素材は、エルフ料理に回してしまいましょう。素材が新鮮ですし、十分期待できそうです。必要な調理道具があればと、確認して貸し出します。予備の敷物を取り出して、ミロシュさんに手渡します。ユーリアちゃんやダニエル君に、カタリナさんは敷物があったほうが良いでしょうからね。


 良い感じに出来上がった芋煮を、僕とリンとで用意してあったお椀に分けて、スプーンとフォークをつけて皆さんに渡します。


 「熱いから、気をつけてくださいね。」


 「おぉ、すまんな。」


 狩人の方々や、ユーリアちゃん一家、勿論イリスやエマ、ジェシーにも配る事は忘れません。


 「はい、リンもどうぞ。」


 僕はお椀に箸をあわせてリンに差し出します。勿論、事前にリンの国では箸が使われていることは確認済みですよ。リンは目を丸くして、僕からお椀と箸を受け取ります。もちろん僕も箸をつかって頂きます。


 「? リン、食べないの? 冷めちゃうよ。」


 目を丸くしたリンは、僕の目の前で涙を流しだします。


 「えっ、ちょっとリン。食べる前から泣かないでよ。泣くほど見た目が酷い?」


 おろおろとしだした僕をみて、涙を拭いたリンは微笑みました。


 「ううん。何かとっても気にかけてもらったみたいで、嬉しかっただけです。」


 「うふふ、じゃあ、私達の作ったお料理も食べて下さいね」


 ユーリアちゃんが、カタリナさんと一緒につくったエルフ料理を、リンに差し出します。そんな二人をみて、みなさん良い笑顔ですね。

 本当は大人の方には、飲み物はお酒が良かったのでしょうけど、流石に僕では売ってもらえませんでしたので、アイスティーを皆さんに配って我慢してもらいます。


 「うん、東方風の煮込みも悪くないな。」


 「エルフ流の食事も、簡単に作れるのに美味しいですね。これは、獲物さえとれれば固パンと干し肉の食事から脱却できるかも」


 「その前に料理の腕をあげろよ。お前はメシマズなんだから」


 猫獣人の女性狩人さんが言われて、怒っていますが、全体的に好評のようで良かったです。やはり猫獣人さんは、猫舌なのでしょうか? メシマズと言われちゃっていますね。

 僕は、お好きな方はどうぞと、薬味として七味を提供します。もちろん、かけすぎると酷い目にあいますよと注意はしますが、後は自己責任です。

 狩人さん達はまだ満腹には遠いようですし、野外で食べる食事はいつもよりお腹に入るようで、すぐ鍋の中は空っぽになったので、新たに食材を追加します。事前に大量の食材を用意してあったので、何とかなりますね。ただし、さすがにカットまではしていませんが……。今度は味付けはリンにお願いして、一味違う東方風の鍋を作ってもらいましょう。



*****


お話が長くなりましたので、短いですがここで一度切ります。

(=^・・^=)/

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