↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/10

6, 勇者召喚

 数ヶ月後。


 普通に普通の学園生活を送っていた私は、学園長室に呼び出された。

 そこには、険しい顔をした王族と公爵子息達。学園長も苛立ちが抑えきれない顔をしている。


 「…。それで、一体何のご用でしょう」


 その問には、王子が前に進み出た。


 「よく聞けよ獣!明日、我が国は魔王討伐の為、異世界から"勇者"の素質を持つ人間を呼び出すこととなった!」


 「…」


 「聖女は既にいるが、やはり勇者も無くては魔王など倒せないと、我が父上から言われてな。だが、我らを持ってしても勇者召喚の魔法陣がうんともすんとも言わんのだ」


 話の流れが見えて来た私は、何も言わずに顔を少し下に下げた。


 「そこでだ!お前の魔力保有量は確か人外レベルで多かっただろう?癪だが、今回の召喚の儀式にお前も参加させてやる」


 その言葉に無言を貫いた私を見て、王子達は顔をぽかんとさせた。

 これで諦めてくれるなら都合がいいんだが…。


 「因みに、今回勇者召喚に関わった人間達は、勇者を育てる教師役やその後魔王討伐まで共に行くパーティメンバーでもある。それに入れるなど、行幸なことであろう?」


 王子がまるで当然と言わんばかりに言葉を発する。

 まあ、悪い事ではないな。そっちから来てくれるなら好都合ってやつだ。


 「承知しました。召喚の儀、ならびにパーティーメンバーとなること、恐悦至極に存じます」


 「ははっ!そうかそうか!では父上にも伝えてこよう!」


 話はそれで終わったようで、私は部屋から出された。


 寮に戻り、ウィアさんからの手紙を取り出す。

 書いてある期日までピッタリ合っているのが流石ウィアさん、という感じだ。


 「は〜、さて…少しはまともな性格の勇者だといいな…」













 「…おお!」


 次の日。

 ほぼ私の魔力のおかげで召喚できたと言っていい勇者が、魔法陣の中から現れた。

 若く、シックなデザインの学生服を着ている。


 王子と王女が前に進み出て、


 「ようこそおいでくださいました、偉大なる勇者様よ!」


 「貴方が来る事を、我が国はずっと待っていました!」


 「えぇ…?えっと、どういう…?」


 当然のことながら、男性は困惑している。

 そこに、顔はとてつもなくいい我が元友人のニルドアが前に進み出た。

 杖を手に持ったまま大きく礼をして、


 「お待ちしておりましたわ、勇者様。私は、貴方とタッグを組んで魔王を倒す存在。聖女のニルドア・フォーストです。これから宜しくお願い致します」


 「せい…じょ?ってか、勇者?俺が?」


 「そうです。我が国を脅かしている魔王とその傘下は、下品な魔法を次から次へと使い、美しさの欠片もない魔法で私達人間を侮辱し嘲笑うのです。人間の立場が危うい今、私と手を取り、魔王を討伐してはくださいませんか?」


 下から見上げるように見てくるニルドアの顔はとても良い。

 故に、召喚された男性が顔を赤らめ、あからさまにニルドアを意識し始めたのを、私は理解した。


 「そうだ、勇者様。お名前をお聞きしても?」


 「俺?俺は駿(しゅん)だ」


 「シュン様ですね!では早速、王族と御面会しなくては!さあ、いきましょう!」


 そのまま手を引かれて、全員が去っていった。

 私は大きなため息を吐いて、城の外に出る。


 多分、私は勇者を育てる為に呼ばれはしないだろう。私の使う魔法はそれこそ魔族が使う魔法なのだから。

 勇者が召喚されるまでに5ヶ月。完全に育ちきるまで半年。その後育ちきった勇者のお披露目で1ヶ月使うから…皆んなと会うまで、まだかかる。


 「はぁ…ダルイィ…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。