↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/10

5, 話し合いを終えて

 「は〜、終わった終わった」


 結局校舎に関する話し合いはなあなあで終わり、私は追い出されるようにして謁見の間から出て、城の廊下を歩く。

 ここの城はデカくて困る。転移魔法が掛かってないから移動も不便極まりない。


 「…?」


 ふと、高い天井に吊るされた豪勢なシャンデリアの近くから気配がした。


 「あ〜………アs、じゃないや。ウィアさん?で合ってる?」


 聞いてみると、ゆらっと空間が揺らめいた後、私の前に着地音がする。


 「お久しぶりですわヴィオラ。私は調査でここに立ち寄ったのですが、どうして城に?と思いまして」


 「あ〜、ほら、あれだよあれ」


 事情をかいつまんで説明すると、彼女は大きくため息を吐いた。


 「本当…人間の使う魔法には反吐が出ますわ。我ら魔族と人間に平等に与えられた"戦う力"を、自分達の美しさに使って…魔導神様がお怒りになられても仕方ない愚行ですわ」


 「だね…でも、彼らは神様が見えないし、何なら、私たちに魔法を与えた魔導神様は、常に人間の味方で、魔族が使う魔法は人間の真似事だ〜って、毎度先生から聞かされてるんだよ」


 それを言うと、彼女の瞳は大きく開いた。


 「それはマジですの…?寧ろ魔法に秀でたからこそ我らは"魔族"という種族名を神より授かりましたのに…?」


 「マジなんだよこれが。魔族は私みたいな威力とか数重視の、まさに野生の獣みたいな種だと思ってる」


 ウィアさんは、それを聞いて顔を手で覆った。


 「ねえ、ヴィオラ。やっぱり、貴女はここにいますの?」


 「いるよ。せめてもの情けって奴さ」


 彼女は心配そうな顔で、数秒ほど私を見つめた。


 そして彼女は、綺麗に折られた手紙を取り出す。


 「この国で行われようとしているとある"儀式"についてですわ。後であの方にもお伝えしますが、貴女にも渡しておきますわね」


 「ありがとう、ウィアさん」


 彼女は一つ礼をすると、転移魔法で去っていった。

 私は紙を亜空間魔法で開いた亜空間に仕舞い、外に出る。



 寮の部屋に帰ってきて、私は手紙を広げた。


 「…あと、半年。……あと、1年。猶予は…5ヶ月」


 まっ…どうせ決着はすぐにつく。

 私はのんびりと魔物狩りでもしていよう。















 「アスモデウスさん!! 私聞きましたわ!」


 「おやお嬢様。()に何か御用で?」


 「カッコつけるんじゃありません!! ラヴィーと会ってきたのでしょう?!」


 執務室に、鈴のような声が響く。

 男性体になったアスモデウスは、ニヤニヤしながら嫉妬で顔を歪ませる"姫様"を見る。


 「む"〜…!アスモデウスさんだけズルいのです!外に出て偵察なんてぇ…!」


 「そうは言っても、これが俺の仕事なので」


 「ラヴィーに色気使ってないですか?!!」


 とても必死な思いが伝わってくる問いかけに、アスモデウスは笑みを崩さず、


 「ご安心を、お嬢様。彼女はそもそも女好き寄りな嗜好ですし、男性体に惚れられたら俺が困ります。契約を結んだ貴女方は女性なんですから」


 「っ!!!」


 "姫様"は嫉妬の顔から一転、ぱあぁ!という音でも付いてそうな笑顔になり、部屋から出ていった。


 その様子を、やれやれ…という顔で皆が見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。