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時の魔法で癒したい~甘えたがりな王子に振り回され、溺愛される日常~  作者: 妹尾ことり
第1章 はじまりの物語

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9.エマとティータイム

長くなったのでいったん区切りました。

次も早めに上げます。



動かないと太りそう・・・


ここの食事は本当に美味しい。

王宮なのだから当たり前かもしれないけど、気をつけて運動しないとダメだ。


午後は、私が滞在するお部屋の周辺で、エマを連れ立って散歩をさせてもらっている。

中庭があり、小さなバーゴラにベンチが置いてあったので休憩にした。


エマが「お茶にしましょう」と言って、何か甘いものを出してきそうだったので、お茶だけにしてねと先手を打った。

エマは少し残念そうだったけど、働いてもいないのに食べるばかりはどうかと思うの。



その代わり、エマにこの国のことを教えてほしいって頼んだ。

エマは私のことを大陸の外から召喚された人間だと思っているようだった。


この大陸の外にどんな国や世界が広がっているのか知らないけど、たぶんおんなじ世界ではないよね・・・

エーリク達はどう思っているんだろう・・・



ここはノアランという五百年以上も続く北の王国だそうで。


北の王国・・・という単語にややひっかかりを覚えつつ、とりあえず他にも色々聞いてみた。

北というからには南も東西もあるそうで、この大陸にはこの4か国が存在しているとのこと。

そして、それぞれに王国の特色があるんだって。

王族にも特徴があって、なんと私の瞳の色はこの国の王族特有の色らしい。


「だからエマ、あの時びっくりして・・?」


そう、今朝平伏したのには驚いたけど、エマもさぞびっくりしたのだろう。


「さようでございます。その瞳のお色はノアランの王族の色。だから初めてアーシャ様のお顔を拝見する者は皆きっと驚きますわ。それにさすが時の魔法使い様です。魔力も相当お強いですよ」


「え、魔力ってまわりからわかるものなのですか?」


当たり前だけど、私にはさっぱりわからなくて・・・

エマを見るとニッコリ頷いてくれた。


「私にも魔力がある・・・」


思わず掌を見つめながら呟くと、エマはきょとんと不思議な顔をして、


「今朝、お風呂でお湯はお使いになれましたよね?」


と聞くので「ええ」と答える。あの、私が自動水栓と魔法を勘違いした件だよね・・・?


「あれは魔法水栓ですよ?」


「へ?」


エマが説明を続けてくれる。


「アーシャ様があれを普通にお使いになれたということはきちんと魔力があり、それを使いこなせているということです。その証拠に本日のお召し物もほら、よくご覧になってみてください」


と、私が今着ている濃紺の"身体にぴったりワンピース"を手で示した。


立ち上がってスカートの両端を引き、何か普段と違ったところがないか調べたけど、特に何も感じなかった。


「袖を通したときに、まとわりつくような感覚がしませんでしたか?」


そう問われ、「ああ」と思いだして頷いた。


「そのドレスは魔力布を使って縫われております。魔力布はわが国の特産品ですから、王族も貴族も皆率先して取り入れております」


魔力布・・・はて、もうどういう原理なのか想像もできないけど・・・


「アーシャ様のその美しいお胸や腰のラインを惜しげもなく表現できているのです。アーシャ様の魔力はきちんと布に吸収されておりますよ?」


「え、どういうこと?」


理解が追い付かず、もっと詳しい説明をお願いする。


「魔力布にはドレスの意匠が組み込まれております。ですから、まず袖を通すと着用した人間の魔力を吸い取り、その人の体型に合わせて柔軟に形を変えるというわけです」


なんかわかったような、わからないような・・・


「つまり、ある程度の型でざっくり作っておいて、後は着る人間自身の魔力で体型に合わせられるという合理的なものなのです」


ふんふん、なるほど。

たしかに、それなら太った方も痩せた方も、背が高くても低くても、サイズを気にせず服が着れるってこと・・・??


「えぇー、それってすごいことじゃないですか!」


後れて実感し、感動する。


「そうでございましょう。我が国の特産品ですもの、魔力布はすごいのですよ!」


エマはとっても誇らしげだった。


「ちなみに開発者は私の父にございます」


おぉー!! パチバチバチ!!!


私たちはこうして有意義なティータイムを過ごした。


読みに来てくださる方が少しずつ増えてきて、とても嬉しいです。

ありがとうございます!

そろそろ物語の最初のヤマを迎えるところです。

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