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四つの基本的な力の魔法使い ー 物理学者から魔法使いへ、状態変化を経て  作者: Adriano_P


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我が敵の敵

交渉失敗から二時間が経っていた。


グレンマールが待っていた二時間。


沈黙の中。緊張の中。恐怖の中。


ソルマール軍は東に布陣したままだった。五千の兵士が鉄の像のように動かない。待っていた。王は降伏に一時間を与えた。それから二時間。今やほぼ三時間。


だがまだ攻撃していなかった。


ヘリオは城壁の上に立ち、見つめていた。


『なぜ待っている?』


——おそらく攻城兵器を準備している——リキが示唆した。——あるいはアルドウスがまだ価値があるか決めかねている——


『あるいは怖がっている』


——それもある——


太陽は西に沈みかけていた。日没までおそらくあと三時間。


『暗くなる前に攻撃する』ヘリオは思った。『そうしなければならない。知らない敵に対して夜襲は危険すぎる』


階段を降りようと振り返った。


すると叫び声が聞こえた。


「男爵様! 男爵ヘリオ様!」


声は西の城壁から来ていた。


狂乱。恐怖。


ヘリオは走った。


上部の歩廊を横切った。足音が石に響いた。人々が彼を通すために避けた。


西の城壁に着いた。


見た。


地平線に——反対側から、誰も予想していなかった方向から——別の軍がいた。


風にはためく青と銀の旗。


三本マストの船の紋章。


アキロール。


ソーンが彼の横に着いた。走って息を切らしていた。見た。顔から色が抜けた。


「すべての神々にかけて」


アルダスがすぐ後に来た。倒れないように狭間にしがみついた。


「二つの軍だ」彼は囁いた。「二つの軍の間にいる」


斥候——若い男、おそらく十八歳——が西塔から走ってきた。


「男爵様! アキロール軍です! 推定三千の兵士! 行軍三時間! おそらく二時間!」


ヘリオは目を閉じた。


計算した。


西から三千。東から五千。


合計八千の兵士。


『そして僕たちは三千人近く。真ん中に』


目を開けた。


背後のグレンマールを見た。


民。家々。緑の畑。何も知らずに草を食むウロ。煙を上げる鍛冶場。トンネルに隠れた子供たち。六ヶ月の不可能な月日で築き上げたすべて。


失おうとしているすべて。


『……でなければ』


——でなければ何だ?——リキが訊いた。


『でなければ互いにぶつけてグレンマールを避けさせる方法を見つけられれば』


——ヘリオ——


『分かってる。僕たちは真ん中にいる。でもたぶん……』


「男爵」


ヘリオは振り返った。


アルダスが古い、疲れた、多くを見すぎた目で彼を見ていた。


「二つの軍。何千もの兵士。俺たちは本当の戦いで試したこともない魔法のカードを持った三千人近くの農民だ」


間を置いた。


「奇跡がなければ終わりだ」


ヘリオは再び西を見た。


ゆっくりだが確実に進むアキロール軍。


それから東を見た。


待っているソルマール軍。


そして微笑んだ。


落ち着いて。自信を持って。


「奇跡はたった今到着した」


全員が彼を狂人を見るように見た。


「何だって?」ソーンが言った。


「アキロールだ」ヘリオは言った。「彼らが奇跡だ」


「また別の敵軍だぞ!」


「違う。ソルマールの敵軍だ。僕たちのじゃない」


沈黙。


エリーゼが最初に理解した。


「待って。つまり……」


「アキロールはソルマール王国を攻撃するためにここにいる。グレンマール自体を攻撃するためじゃない。僕たちはただ……真ん中にいる。国境に。巻き添えだ」


ヘリオは全員を見た。


「だがもしアルドウスに僕たちがアキロールと同盟していると信じさせられれば……」


「……攻撃してこない」ヴィヴィアンが目を見開いて続きを言った。「負けると思うから」


「その通り」


ソーンは首を振った。「狂気だ。完全に狂気だ」


「もっといい案があるか?」


沈黙。


「なら信じろ。そして僕が言ったら……叫べ」



アキロール軍は一時間後にはっきりと地平線に現れた。


整然とした隊形の三千の兵士。


太陽に輝く青銀の旗。


先頭に:アストン・クロス将軍。五十歳、広い肩、ブルドッグのような表情。十七の軍事作戦を計画し、十六で勝利した男。


ロリアン王はいなかった。主君を最前線に連れてくるのは危険すぎた。


だがクロスには全権があった。


そして明確な命令:国境を越え、グレンマールに拠点を確立し、ソルマールの首都に向けて前進する。


シンプル。直接的。残忍。



ソルマール軍では、マグナスがヒポグリフの騎手たちを通じて見ていた。


最初、斥候任務に出ていた四頭だけが見えていた。だが軍が陣形を整えるにつれ、残りの八頭が本隊から合流した——合計十二頭のヒポグリフが空に広がっていた。


「陛下」彼は静かに言った。「アキロールです。三千の兵士。おそらくもっと」


アルドウス王は馬を降りていた。旗の前に立ち、両手を背中で組んでいた。


「見える」


「我々を狙って来た」


「奴らが我々を狙って来たのは当然だ」アルドウスの声は平坦だったが、その下に怒りがあった。恐れが。「あの野郎のロリアンは教団のことを知ったに違いない。海賊船のことを。攻撃のことを」


「ヴァロリンが彼に提供した証拠だ」マグナスは付け加えた。


アルドウスは手のひらから血が出るまで拳を握りしめた。


「あの少年。あの忌々しい少年。我々を破滅させた」


マグナスは答えなかった。


グレンマールを見ていた。


高い城壁。繁栄する街。城壁の上に立って西を見つめる若き男爵。


『何を考えている、少年? 今、何をする?』



グレンマールの城壁で、ヘリオは待っていた。


アキロール軍は五百メートル先。四百。三百。


『今だ』彼は思った。


民の方を向いた。ソーン、エリーゼ、ヴィヴィアン、アルダス、城壁にいるすべての者たちの方を。


「僕が言ったら、叫べ。全員。できる限り大声で」


「何を叫ぶんだ?」誰かが訊いた。


ヘリオは微笑んだ。


「アキロール万歳」


唖然とした沈黙。


「正気を失ったの?!」エリーゼが叫んだ。


「信じろ」


アキロール軍は二百メートル先。


ヘリオは西の平原に向き直った。


深く息を吸った。


そして声の限り叫んだ:


「アキロール万歳! ロリアン王万歳! 僕たちを救いに来てくれた!」


彼の声は雷鳴のように平原を横切った。


絶対的な沈黙。


そしてヘリオは振り返った。


「叫べ! 全員!」


ヴィヴィアンが最初に理解した。


澄んで力強い声を上げた:「アキロール万歳!」


アルダスは一瞬だけ躊躇した。それから:「ロリアン王万歳!」


ソーンは、戦場で聞こえるように鍛えられたベテランの声で:「俺たちを救いに来てくれた!」


エリーゼはヘリオを見た。彼は頷いた。


首を振ったが叫んだ:「アキロール万歳!」


そして他の者たちも。


最初は十の声。それから二十。それから五十。


それから何百も。


「アキロール万歳!」


「ロリアン王万歳!」


「俺たちを救いに来てくれた!」


「やっと誰かが助けてくれる!」


城壁の上のグレンマールの全人口がアキロール軍に向かって歓声を上げていた。



アキロール軍では、クロス将軍が馬を止めた。


「何が……何が起こっている?」


副官——四十代の男、鼻を横切る傷跡——が困惑した表情で城壁を見ていた。


「どうやら……歓迎されているようです、将軍」


「俺にも聞こえる。だがなぜだ?」


大尉が駆け寄ってきた。「クロス将軍! グレンマールの住民が……我々を見て喜んでいるようです?」


クロスは城壁を見た。


何百人もの人々。全員が腕を振っている。全員が支持を叫んでいる。


『一体何が……?』


素早く考えた。


『男爵ヴァロリン。アルドウスに対する証拠を我々に提供した者。教団を壊滅させた者。ヴァルデメーレと取引している者』


『我々の味方だというのは信じられる』


『だがなぜまだソルマール領なんだ?』


「どうしますか、将軍?」副官が訊いた。


クロスは東を見た。


ソルマール軍が見えた。五千の兵士。


『グレンマールが本当に我々の味方なら……安全な拠点がある。足場が』


「前進だ」彼は言った。「だが慎重に。武器は構えておけ」



ソルマール軍では、アルドウス王が真っ赤になった。


「何だと?!」


マグナスは上空のヒポグリフを通じた精神接触で見ていた。城壁で叫び、腕を振り、アキロールを歓迎する人々がはっきり見えた。


「陛下……グレンマールがアキロールを……支持しているようです」


「俺にも聞こえる!」


アルドウスは三歩前に進んだ。それから三歩後退した。手が痙攣的に開いたり閉じたりした。


「裏切り者だ! 分かっていた! あの少年が——」


「陛下、落ち着いて——」


「落ち着け?!」アルドウスは血走った目でマグナスに向き直った。「裏切られた! 目の前で! 軍の前で!」


ブラックソーン将軍が馬で近づいた。


「陛下。状況を評価しなければなりません」


「評価? 何を評価する? 裏切られた!」


「はい。そしてそれですべてが変わります」


ブラックソーンはグレンマールを見た。それからアキロール軍を。


「前は我々五千対農民二千でした。男爵の……魔法の異常性のためにリスクはありましたが、実行可能でした」


間を置いた。


「今や我々五千対二千プラス、アキロールの訓練された兵士三千です」


重い沈黙。


「男爵ヴァロリンがマグナスの言う通り本当に強力なら……」


大魔術師を見た。


マグナスはゆっくり頷いた。「勝てません、陛下」


「勝てない——」アルドウスは止まった。息をした。鼻孔が雄牛のように広がっていた。


「では何を提案する? 撤退か?」


「はい」ブラックソーンは躊躇なく言った。


「撤退だと?! 五千の兵士で?!」


「戦略的撤退です。戦力を温存します。首都に戻ります。防御を準備します。アキロールは我々に到達するために王国全土を横断しなければなりません。そうすれば時間が——」


「臆病者のように隠れる時間が!」


「生き延びる時間です」マグナスは静かに言った。


アルドウスは憎しみを込めて彼を見た。


だが彼らが正しいことは分かっていた。


『忌々しい少年。忌々しい、忌々しい少年』


「よかろう」引き裂かれたような声で言った。「撤退だ。だがこれで終わりではない。方法を見つける。あの裏切り者を永遠に叩き潰す方法を」



グレンマールの城壁で、エリーゼがヘリオを脇に引っ張った。


静かに、速く、怒って話した。


「何をしてるの?! アキロールは私たちを救いに来たんじゃない! ソルマールを攻撃しに来たの! そして私たちは真ん中にいる!」


ヘリオは微笑んだ。「分かってる」


「なら——」


「アルドウスは知らないから。今や彼は私たちがアキロールと同盟していると思っている。私たちが裏切り者だと思っている。だから……」


「……攻撃してこない」ヴィヴィアンが近づいてきて続きを言った。「負けると信じるから」


「その通り」


ヴィヴィアンは畏敬と恐怖が混じった目でヘリオを見た。


「見事ね。そして狂気的にリスキーだわ」


「唯一の選択肢だ」


「アキロールが私たちが本当の同盟者じゃないと分かったら?」


ヘリオは躊躇した。


「彼らの敵でもないんだ」


——大胆だな——リキがコメントした。——危険なほど大胆だ——



ソルマール軍が動き始めた。


前ではなく。後ろへ。


ゆっくり。整然と。嫌いな命令を実行する訓練された兵士の規律で。


だがそれでも撤退。


攻城兵器は向きを変えられた。投石機は引き戻された。騎兵は撤退を守るために後衛に再編成された。


アルドウス王は中央で馬を進めていた。金色の鎧の護衛に囲まれて。


振り返らなかった。


グレンマールの方を。


彼を辱めた少年の方を。


前を見ていた。首都に向かって。故郷に向かって。


そして内心では、復讐を計画していた。



グレンマールの城壁で、誰かが叫んだ:


「行くぞ!」


「撤退している!」


「助かった!」


歓喜の爆発。


人々は笑っていた。泣いていた。抱き合っていた。


「男爵が救ってくれた!」


「奇跡だ!」


「男爵万歳! ヘリオ万歳!」


エリーゼは信じられない表情で遠ざかる軍を見ていた。


「うまくいった。すべての神々にかけて、本当にうまくいった」


ヴィヴィアンは顔を手で覆っていた。「信じられない」


ソーンは笑っていた。胸の奥から出る、低く、深い笑い。


「この忌々しい天才少年め」



だがヘリオは笑っていなかった。


城壁の上に立って見ていた。


東に撤退するソルマール軍。


西から近づくアキロール軍。


そして内側の何か——人狼、暗殺教団、死の政治を生き延びさせてきたあの本能——が叫んでいた。


『簡単すぎる』


——分かってる——リキが言った。


『何かが——』


そしてそれを見た。


影。


太陽を横切る三つの巨大な影。


空が一瞬暗くなった。


ヘリオは上を見た。


そして世界が止まるのを感じた。



ドラゴン。


三頭の黒いドラゴン。


巨大。不可能。恐ろしい。


翼幅十五メートル。おそらくもっと。翼は青い空を背景に暗い帆のように広がっていた。


体長十メートル。筋肉質。世界の穴のように光を吸収する黒い鱗で覆われている。


体と同じ長さの尾、槍のように鋭い先端で終わっている。


巨大な頭。馬一頭を丸呑みできる顎。剣のように長い牙。


そして目。


燃える石炭のような赤い目。知性がある。飢えている。



城壁の誰かが叫んだ。


それから他の者も。


「あれは何だ?!」


「神よ!」


「ドラゴン! ドラゴンだ!」


パニックが爆発した。



ドラゴンたちは急降下した。


グレンマールに向かってではない。


ヒポグリフに向かって。


ソルマール軍の上空を編隊で飛ぶ十二頭のヒポグリフ——青銅の翼と鞍の騎手を持つ、半分鷲で半分馬の壮麗な生き物たち。


戦いですらなかった。


虐殺だった。


最初のドラゴンが顎を開いた。


ガブッ。


ヒポグリフを丸呑みにした。騎手ごと。


かすかに聞こえる叫び。


生き物は顎の中に消えた。影。音。そして無。


二秒。


二頭目のドラゴンも同じことをした。


降下した。掴んだ。呑み込んだ。


三頭目のドラゴン——最も大きい、先頭のもの——は二頭のヒポグリフを同時に捕らえた。


それぞれの爪に一頭ずつ。


押し潰した。


騎手たちの叫びが一瞬空気を満たした。


それから沈黙。


ドラゴンたちは体を落とした。


あるいは体の一部を。


石のように落ちた。恐ろしい音を立てて地面に激突した。



残りのヒポグリフは逃げようとした。


散開。パニック。生存本能。


ドラゴンたちは追いかけた。


急いでではなく。遊びながら。ネズミを追う猫のように。


一頭ずつ、ヒポグリフは追いつかれた。


飛行中に貪り食われたものもあった。


掴まれて致命的な高さから落とされたものもあった。


ドラゴンの顎から地獄の川のように噴き出す炎の噴射で焼かれたものもあった。


九十秒。


十二頭のヒポグリフ。


全滅。



マグナスは膝が震えるのを感じた。


六十年間大魔法使いとして仕えてきた。王国最強の空中戦力を築き上げた。


九十秒で消えた。


声はかすれた囁きだった:


「三頭のドラゴン。三頭。歴史上……三頭が一緒にいるのを見たことがない……」


アルドウス王はシーツのように白くなっていた。


「何だ……あれは何だ……」


「死だ」マグナスは言った。「あれは死だ」



そして北西の地平線から、同様に恐ろしいものが。


巨人たち。


百体ほど。


身長三メートル。四メートルのものもいた。


巨大な体、岩から彫り出されたような筋肉。


皮のように厚い灰色の肌。


野蛮な顔。小さいが知性のある目。


そして手には:棍棒。


人間の胴体ほどの太さの木の幹。長さ三メートル。鉄の釘が打ち込まれている。


行進していた。


遅いが止められない。


ドスン。ドスン。ドスン。


一歩ごとに大地が震えていた。



ヘリオは光景を見つめ、脳が必死に働いていた。


『ドラゴン。巨人。連携している』


『誰かが指揮している』


先頭のドラゴンを見た——最も大きい、二頭のヒポグリフを同時に殺したもの。


目を細めた。


背中に何かがあった。


人影。


人型。


遠すぎて詳細は見えない。だがそこにいた。


『騎手だ』彼は思った。『ドラゴンの騎手』


『そしてドラゴンを指揮しているなら……おそらく巨人も指揮している』


——ヘリオ——リキが緊張した声で言った。——巨人は存在すべきではない。生物学的に不可能だ。二乗三乗の法則が——


『リキ。今はその時じゃない』


——分かってる! ただ言いたかっただけだ——


『後だ。生物学は後だ』



ソルマール軍は罠にかかっていた。


前方:グレンマールの城壁。


後方:進軍する巨人の軍。


上空:円を描いて飛び、待っている三頭のドラゴン。


ブラックソーン将軍が、多くの戦いを見すぎたベテラン兵士の目で見渡した。


「陛下。罠にかかっています」


「分かっている!」


「ここに残れば、巨人に虐殺されます。グレンマールに向かって進めば——」


「——彼らに虐殺される」


マグナスはドラゴンを見た。


計算した。


『ドラゴン一頭。王国の歴史上、孤立したドラゴンの目撃記録は三回。それぞれが壊滅をもたらした。焼かれた村。何百もの死者。倒すのに軍全体が必要だった』


『三頭のドラゴンが一緒に……』


『そして知性ある者に導かれて……』


「陛下」静かに言った。「勝てません」


「何を提案する?! 巨人に降伏するのか?!」


「いいえ。避難を探すことを提案します」


アルドウスは笑った。喜びなく。希望もなく。


「避難か。どこに?」


マグナスはグレンマールを見た。


「あそこに」



ヘリオは決断を下していた。


正しいかどうか分からなかった。うまくいくかどうか分からなかった。


だが筋が通る唯一のものだった。


アルダスの方を向いた。


「西門を開けろ」


「何だって?!」ソーンが叫んだ。


「西門を開けろ。今すぐ」


「ヘリオ、あれはアキロール軍だ! 三千の兵士だ!」


「分かってる」


「虐殺される!」


「されない」ヘリオはソーンの目を見た。「城壁の中に入らなければ、ドラゴンに虐殺されるから」


沈黙。


「そして彼らは生きる方を選ぶ」


ソーンは躊躇した。アルダスを見た。


老村長はゆっくり頷いた。


「言う通りにしろ」


西門が開き始めた。


ゆっくりと。


鎖が軋んだ。補強された木が動いた。


ヘリオは身を乗り出してアキロール軍に向かって叫んだ:


「将軍! 入れ! 城壁がドラゴンから守る!」



アキロール軍では、クロスは上を見た。


三頭のドラゴンが円を描いて飛んでいた。


禿鷲のように。


待っている。


グレンマールの城壁を見た。


開いた門。


『罠だ。罠に違いない』


『だがここに残れば……』


またドラゴンを見た。


一頭がわずかに降下した。試すように。人間が何をするか見るように。


『ここに残れば、さらされている。ドラゴンが上から攻撃できる。焼ける。虐殺される』


『入れば……閉じ込められる。だが守られる』


素早い決断。


「前進! 城壁の中へ!」


アキロール軍が動いた。


走りではない。だが速い歩調。規律正しい。


平原を横切りグレンマールの西門に向かう三千の兵士。


入った。


通りが満たされた。


グレンマールの人々は恐怖で壁に押し付けられた。


『兵士。敵の兵士。俺たちの通りに。武器を持って。鎧を着て』


『男爵は何をしている?!』


だが誰も話さなかった。


男爵はグレンマールを三度救っていたから。


そしておそらく——ほんのおそらく——自分が何をしているか分かっているのだから。



ヘリオは止まらなかった。


東に向き直った。


「東門を開けろ!」


「ヘリオ、だめよ!」エリーゼが叫んだ。声は絶望的だった。「あれはアルドウスの軍よ! あなたを殺しに来た王よ!」


「分かってる」


「皆殺しにされる!」


「されない」


「どうして確信できるの?!」


ヘリオは彼女を見た。


彼の目は違っていた。


より深い。


より大きな何かを含んでいるような。


より遠くを見ているような。


「僕がここを支配しているから。そして自分が何をしているか分かっている」


傲慢ではなかった。絶対的な確信だった。


エリーゼは彼を見つめた。


それからゆっくり頷いた。


「分かった。信じるわ」


東門が開いた。



ヘリオは身を乗り出した。


アルドウス王とソルマール軍に向かって叫んだ:


「アルドウス王!」


彼の声は平原を横切った。澄んで。力強く。


「選択肢がある!」


軍は止まった。


五千の人間が城壁の上の十六歳の少年を見ていた。


「そこに残って三頭のドラゴンと百体の巨人と一人で戦うこともできる!」


間。


ドラゴンが上空を飛んでいた。死の影のように。


「あるいは城壁の中に入って生き延びることもできる!」



ソルマール軍では、マグナスはアルドウスを見た。


「陛下……」


「分かっている」


王の声は壊れていた。空っぽだった。


「選択肢がない」


「分かっている!」


アルドウスは城壁の上のヘリオを見た。


あの忌々しい少年。


死ぬことを願って追放に送った者。


破壊しようとした者。


今、救いを差し出している者。


屈辱が血管の中で酸のように燃えた。


だが巨人は二百メートル先にいた。


そしてドラゴンは待っていた。


「前進」喉から引きちぎられたような声で言った。「入る」



ソルマール軍が入った。


五千の兵士。


武器を構え、疑い深い目で、裏切りに備えた体を緊張させて、東門を通過した。


だが入った。


街の反対側の通りを満たした。



今やグレンマールには:


- 三千人近くの住民


- 三千のアキロール兵(西側)


- 五千のソルマール兵(東側)


一万を超える人々。


三千人のために作られた街に。


通りは満員だった。押しつぶされそうだった。動くのが不可能だった。


アキロールの兵士がソルマールの兵士を憎しみを込めて見ていた。


ソルマールの兵士が戦う準備をしてアキロールの兵士を見ていた。


グレンマールの人々が全員を恐怖で見ていた。



アルドウス王は門を通過した。


馬を降りた。


周りを見回した。


城壁の上のヘリオを見た。


階段を上った。ゆっくりと。老人のように。


頂上に着いた。


ヘリオの前で止まった。


憎しみと恐れと、不本意な敬意に似た何かに満ちた目で彼を見た。


「満足か、少年?」


ヘリオは彼を見た。


「お前のような奴らの命を救ったことにか?」彼は静かに言った。「分からないな。満足すべきなのか?」


アルドウスは彼を睨みつけた。


それから城壁の向こうを見た。


巨人たちが近づいていた。


ドラゴンたちが円を描いて飛んでいた。


「裏切り者と呼んだ」ヘリオは静かに言った。


アルドウスは彼を見た。


「ああ。そしてその通りだ」


ヘリオは微笑んだ。温かみなく。


「なら、その名に恥じないようにしよう」



クロス将軍が西側から城壁に上がってきた。


アルドウス王を見た。ヘリオを見た。


慎重に近づいた。


「男爵ヴァロリン?」


「将軍」


「何が……何が起こっている?」


ヘリオはドラゴンを見た。それから巨人を。


「起こっていることは、将軍、二十分前まであなた方は敵だったということです。あなたとソルマールは。互いに殺し合うためにここにいた」


クロスは答えなかった。


「今や共通の敵がいる。全員を殺したがっている何かが。ドラゴン。巨人。何かに……指揮されている」


二人を見た——クロスとアルドウス。


「だから選択肢を与える。敵として死ぬか。あるいは同盟者として生き延びるか。たぶん」


沈黙。


アルドウスは唾を吐いた。「一緒に戦う。アキロールと」


「そうだ」


「絶対にない」


「なら死ぬ」


アルドウスは彼を睨みつけた。


クロスはドラゴンを見ていた。


「どうやって……あの化け物と戦う?」


ヘリオはまたあの感覚を感じた。


あの重み。


他の者たちより密度があるような。


現実の中でより多くの空間を占めているような。


自分の中のマナを感じた。


川ではない。


大洋。


深い。広大な。力強い。


「僕がドラゴンを引き受ける」彼は言った。


民を見た。ソーン。エリーゼ。ヴィヴィアン。腰にカードを持った農民たち。


「お前たちは巨人を引き受けろ」


アキロールの将軍は目をむいた……「お前……何だって?」


十六歳の少年が三頭のドラゴンと戦うと言っている。


だが彼の目を見た——そして疑わなかった。



巨人たちが城壁を叩き始めた。


ドーン。


ドーン。


ドーン。


石に対する巨大な棍棒。


城壁が震えた。


狭間から粉塵が落ちた。


だが持ちこたえた。


今のところは。


「梯子を作っている!」誰かが叫んだ。


ヘリオは見た。


巨人たちが密集していた。一体がひざまずいた。もう一体がその肩に登った。三体目がその上に。


生きた塔。


『愚かだ』ヘリオは思った。『だが完全にではない』



ソーンが近づいた。


「ヘリオ。何をした?」


「すべきことを」


「城壁の中に二つの敵軍がいる!」


「分かってる」


「俺たちのために戦うと思うか?」


「いいや。自分たちのために戦うと思う」


ソーンを見た。


「それで十分だ」



咆哮。


耳をつんざく。原始的な。


三頭のドラゴンが降下していた。


グレンマールに向かって。


ヘリオは空を見た。


『今だ』彼は思った。


『今、僕たちは戦う』


全員に向き直った——ソルマールの兵士、アキロールの兵士、グレンマールの人々。


声を上げた。


澄んで。堅く。絶対的に。


「アキロールの兵士よ! ソルマールの兵士よ! グレンマールの民よ!」


一万を超える人々が彼を見た。


「二十分前、お前たちは敵だった!」


完全な沈黙。


「今、選択肢がある。敵として死ぬか。あるいは同盟者として生き延びるか」


一人一人を見た。


「僕は選んだ。僕の選択は生きることだ」


間。


「お前たちは?」


誰も答えなかった。


だが誰も去らなかった。


ソルマールの兵士がアキロールの兵士を見た。アキロールの兵士が見返した。


ゆっくりと、ほとんど見えないほどに、何人かが頷いた。


ヘリオは微笑んだ。


「よし。なら戦おう」

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