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四つの基本的な力の魔法使い ー 物理学者から魔法使いへ、状態変化を経て  作者: Adriano_P


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「しゃがれ竜」

三頭のドラゴンが降下していた。


急降下ではない。急いでもいない。


ゆっくりと。自らの優位を確信した捕食者のように。


黒い翼が青い空を背景に巨大に広がっていた。翼の一打ちごとに、城壁の旗を揺らす風が生まれた。


最大のもの——鞍に人影を乗せたもの——が先頭を飛んでいた。他の二頭は両側に、完璧な編隊で。


巨人たちは城壁に到達していた。


ドーン。ドーン。ドーン。


石に対する棍棒。その音は戦いの太鼓のように響いた。


城壁は震えていたが、持ちこたえていた。


グレンマールの通りでは、一万を超える人々が上を見ていた。


剣に手をかけたソルマールの兵士たち。


弓を構えたアキロールの兵士たち。


拳にカードを握りしめたグレンマールの民。


全員が待っていた。


誰かが——誰でも——何かをするのを待っていた。



ヘリオは城壁の上に立ち、最大のドラゴンを見つめていた。


高い。高すぎる。


おそらく二百メートル上空。おそらくもっと。


『リキ』


——うん?——


『あの距離で真空を作れるか?』


沈黙。


それから:——理論上は……無理だ——


『なぜ?』


——お前が作る真空は体積だ。そして体積は距離の三乗で増大する。二百メートル上空に到達するには、少なくとも直径十メートル、高さ二百メートルの真空の円筒を作らなければならない。それは……くそ、六万立方メートルの体積だ——


『それで?』


——そしてその酸素をすべて排出し、十分な時間真空を維持し、下にあるすべてを巻き込まずにドラゴンだけを狙うのに十分な精度でそれを行うのに必要なマナは……——


——……不可能だ——


ヘリオは自分の手を見た。


わずかに震えているのが見えた。


そして、一瞬——ほんの一瞬——二重に見えた。


二つの手が重なり合っている。


三つ。


四つ。


まるで空間の複数の点に同時に存在しているかのように。


そして普通に戻った。


『リキ』


——うん?——


『僕に何が起こった? 死にかけたとき。時間ループに取り込まれたとき』


長い沈黙。


それから:——正確には分からない。でも思うに……お前はもう単なる「一人」じゃない——


『どういう意味だ?』


——つまり、再統合されたとき——お前のすべての時間的インスタンスが同じ体に収束したとき——普通には戻らなかった。お前は……より多くなった——


『より多く、何が?』


——より密度が高い。よりリアル。時空の中で占めるべきより多くの空間を占めているかのように——


間。


——そしてお前の中にあるマナは……もはやお前だけのものじゃない。お前のものが増幅されている——


ヘリオはドラゴンを見た。


『つまりできる』


——たぶん。でもヘリオ——


手を上げた。


マナが流れるのを感じた。


一点からではない。


多くの点から。


まるで十人のヘリオが——二十人——五十人——すべて同じ空間に、すべてが同時にマナを流しているかのように。


『始めよう』彼は思った。



「聞け!」ヘリオは叫んだ。


彼の声は雷鳴のようにグレンマールを横切った。


一万を超える人々が振り返った。


「あのドラゴンが攻撃しようとしている! 攻撃するとき、炎を使う! 近づかせたら、街全体を焼き尽くす!」


全員を見た——兵士、住民、王、将軍。


「だから落とす。今すぐ」


「どうやって?!」誰かが叫んだ。


ヘリオは微笑んだ。


「よく見ていろ」



詠唱を始めた。


声に出してではない。まだ。


心の中で。リキが聞いて計算できるところで。


『第一トンネル。真空』


『形状:円筒』


『直径:五メートル』


『高さ:五十メートル』


『起点:城壁の五メートル上空』


『方向:垂直に上方』


マナが流れた。


空中に真空の円筒が形成された。


見えない。無音。


だが存在している。


中の空気——酸素、窒素、すべて——が瞬時に側方に排出された。


高さ五十メートルの完璧な真空を作り出した。


『第二トンネル。第一の直上』


『同じパラメータ』


『高さ:五十〜百メートル』


マナが再び流れた。


だが今回、ヘリオは何かを見た。


手が——式が心を流れる間——分裂した。


幻想ではない。


二対の手。


一対が第一トンネルを作っている。


もう一対が第二トンネルを作っている。


同時に。


マグナスは凍りついた。少年の手が……分裂している? 二つ。三つ。四つの手が重なり合って、同時に呪文を編んでいる。


六十年の魔術師人生で、こんなものは見たことがない。


——くそっ——リキが言った。——二つの式を並列で実行している——


『感じている』


『第三トンネル。高さ百〜百五十メートル』


手が三重になった。


三対。すべて重なり合っている。すべて本物。


空に向かって上昇する三つの真空トンネル。


『第四トンネル。百五十〜二百メートル』


四対の手。


ヘリオの周りの空気が振動し始めた。


熱からではない。


マナから。


現実を歪めるほど濃密な。


近くにいたヴィヴィアンは目を見開いて見つめた。


「ヘリオ……あなたの手が……」


文を終えなかった。



ヘリオは声に出して話した。


明確に。正確に。


「気体排出。円筒体積。半径:五メートル。総高:二百メートル。垂直軸。座標:起点北壁、天頂方向延伸。残留圧力:10⁻³パスカル。持続時間:三秒」


マナが彼から爆発した。


野生ではない。


制御されて。正確に。巨大に。


四つの真空トンネルが同時に形成された。


一つの上に一つ。


五十メートル。百。百五十。二百。


地上からドラゴンまで上昇する、見えないが絶対的な完璧な真空の円筒。



ドラゴンは穏やかに飛んでいた。


自信を持って。無敵に。


そして突然、翼が空気を捉えなくなった。


何もない。


その下に絶対的な真空。


ドラゴンには翼で押し下げる空気がなくなった。ニュートンの第三法則:作用と反作用。


空気がなければ……


押すものがない。


反作用がない。


純粋な重力。


ドラゴンは落ち始めた。


ジャガイモの袋のように。


巨大。黒い。落下している。


必死に滑空しようと翼を広げた。


だが真空は二百メートルに及んでいた。


間に合うように抜け出すには高すぎた。


落ちた。


そして落ちた。


そして落ちた……



城壁では、一万を超える人々が信じられない目で見ていた。


ドラゴン。


ドラゴンが。


石のように空から落ちている。


「全員避けろ!」ヘリオは叫んだ。


マグナス・アイアンソウルは膝が崩れるのを感じた。


倒れないように狭間にしがみついた。


「あり得ない……」


アルドウス王は真っ白だった。


クロス将軍は口を開けていた。


兵士たち——ソルマールの、アキロールの、関係なく——見つめていた。


呆然と。



ドラゴンはグレンマールの中の地面に激突した。


近くの二軒の家を破壊し、粉々に砕いた。


ドーン。


大地を揺るがす音。


十トンの筋肉、骨、鱗が終端速度で激突した。


二軒の家——幸い空だった、住人はトンネルにいた——は衝撃で破壊された。


爆発する木材。飛び散る石。雲のように立ち上がる粉塵。


ドラゴンは瓦礫の中に横たわっていた。


死んではいない。


落下で負傷していた——翼は不自然な角度に曲がり、右後脚は折れ、鱗の切り傷から黒い血が流れていた。


だが生きていた。


そして激怒していた。


顎を開いた。


喉が輝いた。


赤。オレンジ。白。


巨大な熱。


炎を吐こうとしていた。


家に向かって。恐怖で逃げる人々に向かって。



ヘリオはすでに動いていた。


城壁から飛び降りた。


四メートル落下した。


走りながら着地した。


不可能な速度で通りを横切った。


二十秒もかからずドラゴンに到達した。


顎の前で止まった。


三メートルの距離。


ドラゴンの喉は溶鉱炉のように輝いていた。


その口の中の温度は二千度はあるはずだ。三千度。


ドラゴンは息を吸い込んだ。


吐く準備をしている。


ヘリオは微笑んだ。


「まあまあ……これは簡単だ……」


右手を上げた。



話した。


落ち着いて。ほとんど退屈そうに。


「局所真空。球形体積。半径:〇・五メートル。中心:標的の口腔内。酸素完全排出。圧力:10⁻⁶パスカル」


マナが流れた。


瞬時に。


完璧な球形領域——半径〇・五メートル——がドラゴンの口の中で絶対的な真空になった。


酸素がすべて消えた。


十分の一秒で。


噴出しようとしていた炎——燃焼に酸素を必要とする炎——は消えた。


吹き消された蝋燭のように。


ドラゴンは咳き込んだ。


「ゲホッ、ゲホッ」


口から滑稽な小さな煙が出た。


蒸気。炎ではない。


「くそっ……」マグナスは自分の「消された」火球を思い出しながら言った。「……ドラゴンのブレスにも効くのか……」


ドラゴンはまた咳き込んだ。


「ゲホッ——ゲホッ——」


赤い目が見開かれた。


『何が——何が起こっている?!』


まさにそんな表情を爬虫類が浮かべていた。



ヘリオは群衆の方を振り返った。


見つめている兵士たち。見つめている住民たち。


全員が恐怖に怯えていた。


声を上げた。


芝居がかって。馬鹿げて。


「グレンマールの民よ! 新種のドラゴンを紹介しよう!」


効果のための間。


「しゃがれ竜だ!」


誰かが笑った。


神経質に。ヒステリックに。


だが笑った。


それから他の者も。


「ドラゴンを……ドラゴンを咳き込ませた!」


「蝋燭みたいに消した!」


笑いが広がった。


喜びではない。だが安堵。戻ってくる勇気。



エリーゼが走ってきた。


剣を抜いて。


「ヘリオ!」


それから咳き込むドラゴンを見た。


止まった。


それを見た。


ヘリオを見た。


「……ふざけるのやめてくれない?」


「何?」


「戦争中なのに冗談言ってるの?!」


「冗談は士気を高める!」


「殺すわよ!」


肩を殴った。


強く。


ヘリオは笑った。


「痛い! 分かった分かった、君が正しい!」


エリーゼは兵士たち——ソルマールとアキロール——が呆然と立ち止まっているのを見て振り返った。


叫んだ:


「あなたたち兵士なの、それとも子供なの?!」


彼らは彼女を見た。


「私たちを挑発しに来たときはあんなに威勢がよかったのに!」


間。


「飛べなくて炎も吐けないドラゴンを倒せるの、それとも無理なの?!」


沈黙。


それからアキロールの兵士——三十代、首に傷跡のある男——が笑った。


「そうだ! ただのでかいトカゲだ!」


「傷ついたトカゲだ!」ソルマールの兵士が付け加えた。


「前進!」エリーゼは叫んだ。「できるなら殺してみろ!」



両軍の兵士たちが突撃した。


アキロールから三千。


ソルマールから五千。


八千の兵士。


飛ぶことも炎を吐くこともできない負傷したドラゴンに対して。


戦いではなかった。


処刑だった。


鱗を打つ剣。


目を狙う槍。


何千と飛ぶ矢。


ドラゴンは防戦しようとした——引き裂く爪、薙ぎ払う尾、噛みつく顎。


死ぬ前に十二人の兵士を殺した。


だが最後には、八千の武装した男たちの重みの下で、倒れた。


最後の咆哮がグレンマールを震わせた。


それから沈黙。


最初のドラゴンは死んだ。



マグナス・アイアンソウルは城壁から見つめていた。


震えていた。


恐怖からではない。


記憶から。


ヘリオと戦ったときのことを思い出していた。


蝋燭のように消えた火球。


「燃焼には酸素が必要だ。酸素がなければ、炎はない」


こんなに単純。


こんなに明白。


こんなに対抗不可能。


『あの少年は』彼は思った。『魔法で戦っているのではない。現実そのもので戦っている』


『こういう者をどうやって倒す?』


アルドウス王の方を向いた。


王はヘリオを、解読不能な表情で見つめていた。


「陛下」マグナスは静かに言った。「まだグレンマールを攻撃するおつもりですか?」


アルドウスはすぐには答えなかった。


兵士たち——彼の兵士たち——がアキロールの兵士と肩を並べて戦っているのを見た。


死んだドラゴンを見た。


瓦礫の上に立ち、微笑んでいる十六歳のヘリオを見た。


だがそれだけではなかった。


城壁を見た。グレンマールの住民——農民、鍛冶屋、仕立て屋、老人——が巨人に向かって火球と稲妻を発射しているのを見た。


仕立て屋が。稲妻を。


「いいや」ついに言った。


「陛下?」


「この後でグレンマールを攻撃したら……」アルドウスは喜びなく笑った。「……虫けらのように虐殺されていただろう。あの少年だけじゃない。全員だ。村の最後の主婦まで」



その間、巨人たちは城壁を叩き続けていた。


ドーン。ドーン。


生きた梯子が立ち上がっていた。


底に十体の巨人。その上に八体。六体。四体。二体。


頂上に一体——最も背が高い、おそらく四メートル——が狭間に手を伸ばそうとしていた。


五十代の女性、ヒルダ——三人の子供の母親、仕立て屋——が城壁に上がった。


手にカードを持っていた。


火炎。


巨人を見た。


巨人が彼女を見た。


小さいが知性のある目。


黄色い歯を見せて口を開いた。


棍棒を振り上げた。


ヒルダは躊躇しなかった。


カードに触れた。マナを放出した——多くはない、ほんの一欠片。


叫んだ:


「燃えろ、この化け物!」


カードが発火した。


普通の炎ではない。


爆発。


直径三十センチの火球がカードから超音速で発射された。


巨人の胸に直撃した。


ドーン。


爆発が巨人を後方に吹き飛ばした。


巨人は落ちた。


下にいた二体の巨人を巻き込んだ。


生きた梯子が崩れた。


ドシャーン。


ドミノのように落ちる五体の巨人。



ヒルダは自分の手を見た。


カードは消えていた。使用後に自壊した。


だが効いた。


「私が……私がこれをやったの?」


近くにいたヴィヴィアンは微笑んだ。


「そうよ。そしてお手本を見せたわ」



グレンマールの他の住民たちが城壁に上がった。


農民。鍛冶屋。商人。母親たち。父親たち。震える手だが決意した目の老人たち。


全員がカードを持っていた。


火炎。


雷撃。


氷結。


カードが発火した。


一枚ずつ。


十枚。二十枚。五十枚。百枚。


グレンマールの上空が輝いた。


飛ぶ火球。


雨のように落ちる稲妻。


貫く二メートルの氷槍。


巨人たちは身を守ろうとした。


だが遅すぎた。


大きすぎた。


さらされすぎていた。


次々と倒れた。


焼かれて。感電して。凍って。



ソルマールの兵士たちは麻痺して見つめていた。


マグナスは呟いた:「農民が……高レベルの魔法を発射している……」


隣の将軍:「あり得ない……」


「自分の目で見ろ。起こっている」


アキロールの兵士たちも同様に衝撃を受けていた。


クロス将軍は、外科的な精度で稲妻を発射する老女——おそらく七十歳——を見つめていた。


「どうやって……一体……?」


誰も答えなかった。


誰も理解していなかったから。



ヘリオは自分の民が戦うのを見ていた。


胸が締め付けられるのを感じた。


誇り。


恐怖。


希望。


『戦っている』彼は思った。『訓練なしで。経験なしで。だが戦っている』


——カードが機能している——リキは言った。——コンセプトが機能している——


『魔法の民主化』ヘリオは思った。『全員の手に力を』


——危険だ——


『分かっている』


——だが壮大でもある——


『ああ』



咆哮。


耳をつんざく。原始的な。


二頭目のドラゴンが降下していた。


最初のようにゆっくりではない。


急降下。


速く。激怒して。


兄弟が倒れるのを見ていた。死ぬのを。


復讐を望んでいた。


ヘリオはできる限り速く式を詠唱した……


成功した、だが方向を変えられなかった。


ドラゴンはウロの囲いの中に落ちた。


『いや、くそ。あそこじゃない』


走った。


だが遠すぎた。


轟音を立てて着地した。


ドシャーン。



三十五頭のウロ。


雄二頭。雌三十三頭。


巨大な生き物。象ほどもある野生の牛。二メートルの角を持つ。


普段はおとなしい。


だが今は……


恐怖に怯えていた。


騒音。爆発。血の匂い。


そして今、囲いの中にドラゴンがいる。


ドラゴンは立ち上がった、負傷し出血しながらも。


折れた翼。構えた脚。


顎を開いた。


喉が輝いた。


すべてを焼き尽くそうとしていた。



ヘリオは走っていた。


『間に合わない。遠すぎる』


——ヘリオ——


『ウロが死ぬ。そしてドラゴンが家を焼く。そして——』


それから何かを聞いた。


音。


唸り声。


深い。共鳴する。激怒した。



ドラゴンが炎を吐く前に、ウロたちが突撃した。


三十五頭全部。


あらゆる方向から。


七十トンの怒りが、一頭の竜に集中した。


最初のウロ——巨大な雄、おそらく二千キロ——が左からドラゴンに激突した。


鱗の間に沈む角。


ドラゴンはよろめいた。


後脚がすでに重傷を負っていたため、バランスを崩した。


倒れた。


二頭目の雄が右から突撃した。


ドスン。


首への角。


雌たちが続いた。


次々と。


三十三頭のウロが同時に突撃した。


止まらなかった。


躊躇しなかった。


純粋な本能。縄張り意識。怒り。


角と角。


蹄。重量。


ドラゴンは防戦しようとした。


一頭のウロを噛んだ——即死させた。


爪がもう一頭を引き裂いた。


だが足りなかった。


三十五対一。


狭い空間で。


飛んで逃げる可能性はない。



ヘリオは囲いに着いた。


木の柵越しに見た。


光景を見た。


文字通り屠殺されているドラゴン。


あらゆる方向から突撃するウロ。


貫く角。


踏みつける蹄。


合計重量——七十トン——が押しつぶしている。


ドラゴンは咆哮した。


一度。


二度。


そして沈黙。


死んだ。



ウロたちは死体を数分間痛めつけた後にようやく止まった。


死んだドラゴンを見た。


それから草を食み始めた。


何も起こらなかったかのように。



ヘリオは目を見開いて見つめていた。


それから笑った。


止められなかった。


息ができなくなるまで笑った。


「この忌々しいトカゲめ!」


息をした。


「僕のバターを台無しにしてたら、街全体の靴とハンドバッグを作り直してやる!」


エリーゼが走ってきた。


光景を見た。


笑っているヘリオを見た。


「あなた……完全に狂ってるわ」


「たぶんね」



巨人たちはほぼ全滅していた。


おそらく十体がまだ立っていた。


逃げようとした。


だが兵士たち——ソルマールとアキロールが一緒に——が追いかけた。


倒した。


最後の巨人は胸に槍を、頭に三本の矢を受けて倒れた。


沈黙。



三頭目のドラゴンだけが残っていた。


最大のもの。


鞍に人影を乗せたもの。


高く飛んでいた。とても高く。


おそらく三百メートル。


射程外。


ヘリオはそれを見た。


式を準備した——前と同じ、四つの真空トンネル。


だがドラゴンは降下しなかった。


高いままだった。


旋回していた。


見ていた。


ヘリオは今、より良く見えた。


騎手。


人型の姿。おそらく身長二メートル。


赤みがかった肌。


そして頭には……


角??


後ろに曲がる二本の角。


『何……?』


アルダスがヘリオの横に来た。


上を見た。


「悪魔だ」平坦な声で言った。


ヘリオは彼を見た。


「悪魔は存在しない」


「自分の目で見ろ」


『悪魔は存在しない』ヘリオは思った。『生物学的に不可能だ。角は何の役に立つ? 赤い肌は何を示す? 進化上の利点がない。何も——』


——人狼も存在しなかった——リキが静かに言った。——覚えているか?——


ヘリオは止まった。


『……そうだった』



ドラゴンはもう一度旋回した。


騎手がヘリオを見た。


視線が交差した。


三百メートル離れていても、ヘリオはその強度を感じた。


知性。


評価。


脅威。


悪魔は片手を上げた。


仕草。


挑戦ではない。


認識。


『お前を見た』その仕草は言っていた。『今、お前を知っている』


それからドラゴンを向け直した。


そして飛び去った。


北へ。


地平線の向こうに消えていった。



続いた沈黙は四分、五分続いた。


それから誰かが叫んだ:


「終わった!」


「勝った!」


歓喜の爆発。


グレンマールの民は叫んでいた。笑っていた。泣いていた。


抱き合っていた。


アキロールの兵士たちは呆然と見つめていた。


ソルマールの兵士たちは虚ろに見つめていた。



ヘリオは振り返った。


グレンマールを見た。


素早く頭の中で棚卸しした。


死者:最初のドラゴンとの戦闘中に十二人の兵士。ウロ三頭。グレンマールの住民はゼロ。


負傷者:多数。だが重傷者なし。キラがすでに治療している。


損害:二軒の家が破壊された。再建可能。


結果:完全勝利。


——どんな代償で?——リキが訊いた。


『ほとんどなし』ヘリオは思った。『信じられないことに、ほとんどなし』



アルドウス王は群衆の中に立っていた。


彼を見向きもしないグレンマールの民に囲まれて。


尊敬されていなかった。


全員が少年を崇拝していた。


「ヘリオ! ヘリオ!」


「四つの基本力の魔術師万歳!」


「男爵がいなかったら、全員死んでいた!」


称号が響いていた。


繰り返された。叫ばれた。歌われた。


四つの基本力の魔術師。



アルドウスはヘリオを見た。


破壊しようとした少年が今やどんな王よりも強力だ。


屈辱が燃えていた。


だが恐怖がもっと燃えていた。


軍の方を向いた。


「行くぞ」言った。


マグナスは躊躇した。「陛下……私——」


「行くぞ」


声は壊れていた。


「あいつがグレンマールに参加したいか訊いてくる前に」



ソルマール軍が出発した。


整然と。規律正しく。


だが敗北して。


戦闘ではない。


精神で。


東に向かって行進する五千の兵士。


故郷に向かって。


振り返らずに。



エリーゼがヘリオに近づいた。


「行かせるの?」


ヘリオは微笑んだ。


「エリーゼ。これ以上の屈辱が想像できる?」


彼女は考えた。


それから笑った。


「正直、できないわ」



クロス将軍は遠ざかるソルマール軍を見ていた。


下品に笑った。


深く。心から。


ヘリオに近づいた。


「男爵……ヴァロリン?」


「はい?」ヘリオは振り返った。


称号が突然不適切に思えた。


起こったことに対して小さすぎる。


「どこかで話せますか?」


「もちろん」ヘリオは間を置いた。「まず……片付けを手伝ってもらえれば……」


クロスはまた笑った。


「もちろん! お任せを!」


二頭の死んだドラゴンを見た。


「ドラゴンの皮はいくらで売れる?」


全員が笑った。


エリーゼを除いて、彼女はヘリオの肩をまた殴った。


「本当にイライラするわ!」


だが微笑んでいた。



ヘリオはすでに考えていた。


『ドラゴンの皮:耐火性、おそらくほとんどの刃に耐性がある。莫大な価値』


『骨:軽いが非常に強い。鎧の素材? 武器?』


『肉:食用? おそらく違う。だが珍品として売れるかも?』


『牙:鋭い、硬い。矢尻? 槍の穂先?』


『血:魔法の特性? テストが必要』


『合計:おそらく十万ゴールド。おそらくもっと』


『すべてグレンマールに再投資』


『家に。学校に。インフラに』


『未来に』



トンネルの入り口が開いた。


最初に出てきたのはナラだった。周囲を確認し、安全を確かめてから振り返って頷いた。


そして子供たちが溢れ出した。


何十人もの子供たち。六歳から十二歳まで。暗い地下で何時間も待っていた子供たち。


「ママ!」


「パパ!」


叫び声が広場に響いた。


子供たちは走った。全速力で。


親たちの腕の中に飛び込んだ。


マルタ——共同厨房で働いていた母親——は八歳の息子を抱きしめた。朝、緊急用の袋を渡した息子を。「鐘が聞こえたら走って」と言った息子を。


今、彼女は泣いていた。声を上げて。


「生きてる……生きてる……」


息子は彼女の首にしがみついていた。


「ママ、怖かった」


「分かってる。分かってる、私も怖かった」


隣では、キラに「僕たち死ぬの?」と訊いた赤毛の少年が、父親の肩に乗っていた。笑っていた。


「パパ! ドラゴン見た? 本物のドラゴン!」


「ああ、見たよ」父親は目に涙を浮かべながら笑った。「見たよ」


ヘリオは見ていた。


胸が締め付けられた。


『これだ』彼は思った。『これが守りたかったもの』


『これが戦った理由』


リキは何も言わなかった。


言葉は必要なかった。



その間、グレンマールの女性たちはすでに樽を運んでいた。


ビール。


普通のビールではない。


特別なもの。


グレンマールでしか作られていないもの。


ウロのヨーグルトを混ぜたもの。


---


> 「古の兵書に曰く——『実を避け、虚を撃て』と。

> されどあの日、男爵は虚を撃たず——虚そのものを武器と為したり。」

>

> ——著者不詳


——第二巻 完——

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