別の自分の幻視
週の二日目の上級魔法理論の授業は常にマナと元素顕現の関係についてだった。
オールドウィン教授が黒板に書いていた。図解。概念を結ぶ矢印。身体の経絡を通るマナの流れを表す記号。
「ご覧の通り」特定の記号を指差して言った「マナは顕現する前に元素核を通過しなければなりません。この核が決定するのは――」
椅子にもたれかかり、黒板の記号を見つめた。
馴染みがあった。何百回も勉強していた。
でも見ていると、何かが...揺らめいた。
ろうそくがちらつくように。
そして――
フラッシュ
違う部屋。
白い壁。冷たく明るい光、アカデミーの魔法のろうそくのようではない。決して揺らめかない光。
巨大な黒板。黒い、緑のスレートではない。理解できない記号で覆われている。
奇妙な文字。数字。物事を結ぶ線。
座っている人々。多くの人。椅子の列。みんなが前を向いている。
誰に...僕に?
いや。誰か他の人に。
でも僕はそこにいた。立っている。黒板の前。
みんなを見ていた。
話していた。
言葉は理解できないが意味は理解できた。違う言語。流暢で、速い。
そして――
老人が最前列から立ち上がった。
完全に灰色の髪。丸い眼鏡。しわのある顔だが優しい目。
近づいてきた。
手を差し出していた。
「おめでとうございます、教授!」
握手していた。
温かさ。固さ。敬意。
拍手。
たくさんの拍手。
部屋に響いていた。砕ける波のように。
それは...僕のため?
僕――いや、誰か他の人――が微笑んでいた。
誇り。達成。深い満足。
「あなたの研究は革命的です。あなたは――」
「ヘリオ!」
まばたきした。
白い部屋が消えた。
また教室にいた。
オールドウィン教授が僕の机の前に立っていた。眉をひそめて。
「大丈夫か? 真っ青だぞ」
周りを見た。同級生が見つめていた。好奇心を持つ者もいた。退屈な者も。
「僕は...はい。すみません、教授」
「虚空を見つめていた。ほぼ一分間」
「不気味だった」誰かが後ろで囁いた。
「多分憑依されてる」別の者が冗談を言った。
「または単に寝てる」カエルが言った。「彼では区別がつかない」
抑えた笑い声。
オールドウィンがクラスに厳しい視線を投げた。「静かに」
一分?
ずっと...長く感じた。そしてずっと短く。同時に。
「僕は...気が散りました」
オールドウィンが一瞬僕を見つめ、それから黒板に戻った。「もっと休むように、ヘリオ。ストレスはマナに...奇妙な影響を与えることがある」
うなずいたが、本当には聞いていなかった。
心臓が激しく打っていた。
教授?
誰の教授?
僕は学生だ。ランクヌルの学生。
教授じゃない。
そしてあの部屋...あの光...あの言語...
何だった?
一体何だった?
手を見た。わずかに震えていた。
ストレスだ、と自分に言った。ただのストレス。教授が言った通り。
勉強しすぎている。睡眠が少なすぎる。
それだけだ。
でもあの感覚...
あの誇り...
あの拍手...
とても...リアルに感じた。
午後の実技授業は、いつものように予定された苦痛だった。
ソーン教授が僕たちをグループに分けた。各自が彼の監督下で基礎呪文を練習する。
僕はミラと他の二人のランクDの学生と隅にいた。カエルが聞こえないと思って呼ぶ「ほとんど無用グループ」。
他の三人が練習していた。小さな炎。水の噴射。印象的じゃないが、少なくとも機能していた。
僕の番。
集中した。深呼吸した。
火、と思った。火を視覚化しろ。
手を上げた。
「フレ――」
そして...何かが変わった。
なぜかわからない。
どうやってかわからない。
「火」を元素として考える代わりに...
...熱を考えた。
動き。
ますます速く揺れる小さなボール。
変換されるエネルギー。
なぜこれらを考えたのか理解できなかった。
これらの「ボール」が何か理解できなかった。
でも考えた。
「フレイム」囁いた。
マナが手から流れた。
そして一秒間――
一つの、完璧な一秒――
本物の炎が形成された。
小さい。揺らめいている。コインより大きくない。
でも本物。
火花じゃない。
哀れなポンじゃない。
火だ!
「やった!」
とても大きく叫んだので声が練習場に響いた。
グループの他の者に振り返ったが誰も見ていなかった。
ミラが水の噴射を練習していた。他の二人は何かについて議論していた。
練習場の反対側で、ソーン教授がマーカスと別の学生のスパーリングを監督していた。
誰も見ていなかった。
誰も。
手を見た。
空っぽ。普通。
炎は消えていた。
大体一秒続いた。
「やった」もっと静かに繰り返した。「見た。炎があった。僕は――」
もう一度やれ、と自分に言った。さあ、もう一度。見せろ。
集中。呼吸。再び視覚化。
熱。動き。エネルギー。
「フレイム!」
ポン。
火花。
また、いつも通り。
哀れな無。
「いや...待って...」
もう一度試した。
ポン。
火花。
「でも...でも見た。あった。僕は――」
「ヴァロリン!」ソーン教授が練習場の反対側から吠えた。「独り言をやめて集中しろ!」
「教授、僕は――」
「集中しろ!」
拳を握りしめた。
もう一度試した。また。また。
ポン。ポン。ポン。
火花だけ。
でも確信していた。
確信していた。
一秒間、本物の炎があった。
...だよね?
授業が終わった。
荷物をまとめていると声が聞こえた。
「で、ヴァロリン。練習はどう?」
ルシアン。
いつもの、憎たらしい耐え難い尊大なルシアン。
壁にもたれかかり、腕を組み、退屈そうな笑みを浮かべていた。
「順調」視線を避けて言った。
「順調?」笑った。「『やった!』って叫ぶのが聞こえた。まるで飛び方を発見したみたいに。正確に何をやった?」
「僕は...炎を作った」
「炎を」
「そう」
「どこに?」
「手に」
「そして誰かが見た?」
躊躇した。
「...いや。でも――」
「ああ」ルシアンが笑った。「なるほど。見えない炎か。便利だな」
「見えなかったんじゃない! ただ――」
「ただ想像上?」カエルがルシアンの横に現れて、微笑んだ。「ヴァロリンは今、想像上の成功も発明してる?」
「想像してない!」
「もちろんしてない」ルシアンが偽りの理解の口調で言った。「賭けてもいいが、お前の夢では既にランクSSS、アーチメイジ・ヘリオ・ザ・ファンタスティックだろ?」
さらなる笑い声。
ルシアンが一瞬僕を見つめ、それから肩をすくめた。
「信じたいふりをしよう」突然理性的な口調で言った。「いい。もう一度やれ」
まばたきした。
「何?」
「もう一度やれ。お前の奇跡の炎を」中庭の空いている場所を指差した。「ここで。今」
「僕は...今?」
「ああ、ヴァロリン。今だ」微笑んだ。「問題あるか?」
空いているスペースを見た。
他の学生が止まっていた。聞いていた。見ていた。
小さな群衆が形成されていた。
心臓が激しく打った。
できる。前にやった。本物だった。ただ...やったことをもう一度やればいい
「わかった」言った。
空いているスペースに歩いた。
ルシアン、カエル、そして少なくとも十数人の他の学生が僕を囲んだ。
みんなが見ていた。
みんなが待っていた。
集中しろ、と自分に言った。前のように。視覚化
手を上げた。目を閉じた。
熱。動き。揺れる小さなボール
深呼吸した。
「フレイム!」
ポン。
火花。
沈黙。
それから――
笑い声。
ルシアンだけじゃない。
みんな。
「信じられない」ルシアンがゆっくり拍手しながら言った。「感動した。あの火花はほとんど...存在していた」
さらなる笑い声。
カエルが二つに折れ、とても激しく笑って壁にもたれかからなければならなかった。
誰かが叫んだ:「もう一度やれ、ヴァロリン! 多分次の火花はもっと大きい!」
さらなる笑い声。
手を下ろした。
顔が燃えていた。
魔法のせいじゃない。
恥のせい。
「見ろ、ヴァロリン?」ルシアンがまだ微笑んで言った。「これが問題だ。何かをやったと言うだけじゃ足りない。証明しなきゃならない」
他の学生に向き直った。
「そして彼は何も証明できない。証明することが何もないから。落ちこぼれだ。ヌルだ。みんな知ってるだろ? 知らないのは彼だけだ」
僕を見つめ直した。
「哀れだ」首を振って言った。「本当に哀れ。失敗するだけじゃ足りない、ヴァロリン。今は自分自身にも嘘をつかなきゃならない」
「嘘をついてない」囁いたが、声は弱かった。
自分でももう信じていなかった。
ヴィヴィアンが群衆から前に出た。
「放っておきなさい」
「ああ、ヴィヴィアン嬢」ルシアンが言った。「いつも負け犬を守る準備ができてる」
「ヘリオは――」
「気をつけろ、ヴィヴィアン」ルシアンが近づいた彼女に向き直って言った。「負け犬を守ると弱く見える。そしてお前の評判を...これのために台無しにするのは残念だ」
「私はあなたを信じるわ」ルシアンを無視して優しく僕に言った。
「ぷあっ! 好きにしろ、お前の損だ」ルシアンと取り巻きが立ち去った。
遠くでまだ笑い声が聞こえたが「哀れ」「馬鹿」も...
ヴィヴィアンを見た。
彼女の目には優しさがあった。
でも...躊躇も?
「本当に?」聞いた。
彼女が口を開いた。閉じた。それからため息をついた。
「ヘリオ...信じたい。でも――」止まった。
「でも何も見てない」
「何も見てない」より優しい声で認めた。「でもそれはそれが起こらなかったという意味じゃない。多分...多分本当に何かやったけど私が見ていなかった」
「多分」繰り返した。
あるいは狂ってる
「挑戦し続けて」言った。「一度やったなら...」
「...もう一度できる」文を終えたが、信じていなかった。
彼女が僕の肩を短く握り、それから立ち去った。
そして僕はそこに残った。一人で。
見た。
確信している。
...だよね?
その夜、部屋に戻った。
セバスチャンがベッドにいて、ろうそくの光で何かを読んでいた。
僕が入るのを見た。「やあ。今日は...興味深い一日だったって聞いた」
「興味深いという言葉だな」ベッドに倒れ込んで言った。
「ルシアンはクソ野郎だ」
「知ってる」
「でも本当に」僕に向き直った。「完全なクソ野郎。僕がお前なら――」
「お前は僕じゃない」意図したより鋭く言った。
沈黙。
「ごめん」付け加えた。「ただ...長い一日だった」
セバスチャンがうなずいた。「わかる」本に戻った。それから見ずに付け加えた:「価値があるかどうかわからないけど...時々最も重要なことは誰も見ていない時に起こる」
彼を見た。「何?」
「何でもない。安物の哲学」わずかに微笑んだ。「寝ろ、ヘリオ」
向きを変えて、ろうそくを消した。
そして僕は暗闇の中に残った。手を見つめて。
見た。炎があった。本物だった。
でも誰も信じない。
そして...もし想像したら?
今朝のあの...幻視...のように。
白い部屋。光。老人。
「おめでとうございます、教授」
何もリアルじゃなかった。
じゃあ...多分炎も...
首を振った。
いや。いや。ストレス。教授が言った。ストレスと睡眠不足。
それだけだ。
明日は良くなる。
明日は違う。
横になり、目を閉じた。
眠ろうとした。
でも眠りは遅かった。
そして来た時...
フラッシュ
同じ白い部屋。同じ明るい光。
でも今はもっと見えた。
機械。無限のトンネルに延びる巨大な金属構造。
管。ワイヤー。数字とグラフを表示する画面。
声。
たくさんの声。
あの奇妙な言語を話していた。速く、流暢。
「...衝突成功...」
「...データ確認...」
「...セクターでニュートリノ検出...」
ニュートリノ?
ニュートリノって何?
歩いていた――いや、誰か他の人が歩いていた――廊下を通って。
白衣の人々。みんなが挨拶していた。
「おはようございます、ドクター――」
名前が失われた。
ドア。開けた。
オフィス。小さい。紙で覆われた机。
壁に、卒業証書。
理解できない文字。でもその下...
記号。
E = mc²
それ。
その記号。
僕のノートに。
僕が書いたが、何を意味するか知らない。
そして今ここにある。
この...この幻視...この夢...
より近く見た。
他の記号。方程式。図解。
そして――
壁に鏡。
それに向かって振り返った。
そして見た...
顔。
僕のじゃない。
年上。違う特徴。違う眼鏡。
でも目...
目は...
突然目が覚めた。
汗だくだった。
胸で心臓がハンマーのように打っていた。
部屋は暗かった。静かだった。
他の者が寝ていた。
顔に手を持っていった。
震えていた。
何だった?
何だった?
ストレスじゃない。
疲れじゃない。
あまりに...詳細だった。
あまりにリアルだった。
あの部屋。あの奇妙な器具。あの顔。
見たことのない顔をどうやって夢見る?
存在しない場所をこんなに詳細にどうやって見る?
そしてあの言語...
知らない言葉をどうやって理解する?
立ち上がり、窓に歩いた。
月が満ちていた。アカデミーの中庭を照らしていた。
すべてが普通に見えた。
平和。
リアル。
でも僕は...
僕はリアルに感じなかった。
まるで...二人の人間のように感じた。
一人はここ。
一人は...他の場所。
狂ってる、と思った。
そうに違いない。
なぜなら代替案は...
代替案は不可能だから。
ベッドに戻った。
でもその夜はもう眠らなかった。
起きていた。天井を見つめて。
自分が誰か疑問に思いながら。
そして本当に知っているかどうか。




