魔法使いと王
ルシアンは震えていた。
玉座の前。
父の前。
顧問たちの前。
そして王の右にいる男の前。
マグナス・アイアンソウル。
宮廷大魔法使い。ランクS。
五十歳だが四十に見えた。
銀色の筋が入った黒髪。
手入れされた髭。
金のルーンが刺繍された濃い青のローブ。
手に魔法使いの杖——古い木、頂上に赤い水晶。
直立した姿勢。
鋭い目。
表情は...退屈そう。
この謁見が時間の無駄であるかのように。
アルダス王が身を乗り出した。
「言え」鋭い声で繰り返した。「本当に何が起こった?」
ルシアンは口を開けた。
閉じた。
また開けた。
言葉が出なかった。
どう説明する?
どう言う...
「父上、私は...実技授業中...ソーン教授が精度の訓練をさせて...」
「知っている。報告で読んだ。続けろ」
ルシアンは唾を飲み込んだ。
「ヘリオ・ヴァロリンの番でした。...ヌルの」
マグナスが眉を上げた。わずかに。
「そして彼は...手を上げて公式を唱えた。長い。奇妙。聞いたことのない言葉」
「どんな公式?」マグナスが穏やかだが好奇心のある声で尋ねた。
「私は...正確には覚えていない。何か...分子? 加速?」
マグナスがゆっくりうなずいた。「錬金術用語かもしれない。続けろ」
「そして...」ルシアンは目を閉じた。再び見た。
ドオオオオオン。
「...爆発しました」
沈黙。
「何が爆発した?」王が尋ねた。
「...ファイアボールです。でも普通のファイアボールじゃない。...巨大でした。三メートル、もしかしたらもっと。白-オレンジ。そして熱...多くの者が地面に倒れて...」
手が震えた。
「全員が聞きました。建物が揺れました。九番目の的——彼の——が蒸発しました。そして十番目。それからボールは続いて...十...二十...三十...五十メートル...地面に焼けた溝...そして壁が...」
間。
「アカデミーの壁。一部が崩れました」
広間で絶対的な沈黙。
顧問の一人が咳払いした。
「陛下、確認できます。ハーウィンド学長から報告を受けました。アカデミーの東壁が構造的損傷を受けました。五メートルの区画が崩壊しました。修理が進行中です」
王はマグナスを見た。「どう思う?」
マグナスは髭を掻いた。思慮深く。
「陛下...率直に言ってもよろしいですか?」
「いつも」
「幻影のように聞こえます。洗練されたもの、はい。でも幻影」
ルシアンが反応した。
「違う! 幻影じゃなかった! 本物だった! 熱が——生徒が後ろに吹き飛ばされた——壁が崩れた——」
「落ち着け、少年」マグナスが手を上げて言った。「お前が嘘をついているとは言っていない。ヴァロリン氏がお前に本物だと信じさせたと言っている」
王に向き直った。
「幻影魔法と...例えば...錬金術爆薬の組み合わせ? 軍事花火? 事前に配置された?」
「壁」顧問が言った。「壁の崩壊をどう説明する?」
マグナスが微笑んだ。わずかに。
「偶然? 事前の破壊工作? 壁が何ヶ月も弱っていてちょうどその瞬間に崩れた?」
間。
「あるいは——より可能性が高いのは——共犯者。全員が『ファイアボール』を見ている間に壁を崩した者。混乱、煙、誰も気づかない」
ルシアンは彼を見つめた。
「あなたは...これがトリックだと思っている?」
「私は」マグナスがゆっくり言った。「ヌルが——定義上——ランクSの魔法をできないと思っている。だからヌルじゃないか...トリックか」
王を見た。
「そしてアカデミーが彼をほぼ二年間ヌルと分類したなら...トリックに傾く」
王が肘掛けに指を叩いた。
「興味深い理論だ」
「簡単に確認できます、陛下」
「どうやって?」
「アカデミーを訪問する。現場を調査する。...不規則性の証拠を探す」
間。
「そしてヴァロリン氏が本当に詐欺師だと分かったら...対処します」
口調は中立だった。
でも意味は明確。
排除する。
ルシアンは寒気を感じた。
「でも...でもトリックじゃなかったら? 本物だったら?」
マグナスが彼を見た。
「もしヌルが本当にランクSの魔法を作れるなら...」
微笑んだ。優しくない。
「...宇宙が意味を失った。そして個人的には...そうではないと信じている」
王がうなずいた。
「いいだろう。マグナス、アカデミーに行け。調査しろ。直接私に報告しろ」
「お望み通りに、陛下」
王はルシアンを見た。
「そしてお前」
ルシアンが飛び上がった。
「アカデミーが再開したら戻る。逃げなし。撤退なし。お前は皇子だ。そのように振る舞え」
「でも父上——」
「議論するな」
氷の声。
ルシアンは視線を下げた。
「...はい、父上」
「よろしい。この謁見は終了した」
マグナス・アイアンソウルは翌日アカデミーに向かった。
速い馬車。
彼と召使だけ。
夕暮れに到着した。
ハーウィンド学長が門で個人的に迎えた。
「大魔法使いマグナス!」深く頭を下げて言った。「なんという名誉! 知りませんでした——もし知っていたら適切な歓迎を準備したのに——」
「必要ない」マグナスが馬車から降りて言った。「公式調査でここにいる。儀式なし」
「もちろん、もちろん! どうお手伝いできますか?」
「現場を見たい。訓練場。壁」
「すぐに!」
ハーウィンドがキャンパスを通って案内した。
通り過ぎる教授たちが止まった。
頭を下げた。
「大魔法使いマグナス!」
「お会いできて光栄です!」
「アイアンソウル師、元素魔法に関するあなたの論文は——」
マグナスはわずかにうなずいた。
賛辞に慣れている。
期待されている。
当然だ。
訓練場に着いた。
夜だった。
魔法の光が区域を照らしていた。
そしてマグナスは見た。
溝。
まだ見える。
でも...労働者が働いていた。
新しい土を運んでいた。
埋めていた。
でも跡——黒い、焼けた、幅三メートル——は紛れもなかった。
「止まれ」マグナスが言った。
労働者が凍りついた。
頭を下げた。
マグナスが近づいた。
溝の横にひざまずいた。
土に触れた。
黒い。炭化している。
...煙の匂い。灰。
ひとつまみ取った。
匂いを嗅いだ。
それから目を閉じた。
マナを感じた。
残留物。弱い。でもある。
タイプは?
探った。
火の元素? いや...違う。
もっと...混沌としている。不安定。
目を開けた。
奇妙だ。
もう一度土を取った。
今回——
指の間でこすった。
匂いを嗅いだ。
舐めた。
ハーウィンドが驚いたようだった。
「師匠?」
マグナスが吐き出した。
舌を拭いた。
硫黄。
そして...何か他のもの。塩?
多分硝石。あるいは単に土壌の天然鉱物。
関係ない。
重要なのは: 可燃性物質が拡散されていた。
立ち上がった。
溝に沿って歩いた。
五十メートル。
壁まで。
一部がまだ崩れていた。
散らばった石。
幅五メートルの穴。
石工が働いていた。
再建していた。
マグナスが瓦礫に近づいた。
調べた。
それから溝に戻った。
再びひざまずいた。
別の土を取った。
目を閉じた。
マナを感じた。
同じパターン。
五メートルごとに——止まった。マナを感じた。
常に同じ。
燃料が拡散された。点火された。
跡に沿って燃えた。
もし本当の魔法なら——単一点放出——
残留物は集中するはず。起源に。
これは...線形。分散。
目を開けた。
理論を確認する。
微笑んだ。
トリック。精巧。でもトリック。
そして...
立ち上がった。
この少年...ヘリオ・ヴァロリン...
認めよう。見事だ。
この規模の計画——何週間? 何ヶ月?
夜ごとに土壌を準備する。
壁を破壊工作する。
共犯者を募集する。
そして完璧なタイミングで——実行する。
大胆。賢明。忍耐強い。
ほとんど...尊敬に値する。
もちろん、許されないが。
でも...印象的だ。
ハーウィンドに向き直った。
「教えろ。このヘリオ・ヴァロリン。本当にヌルだったか?」
「はい、大魔法使い。アカデミーで二年。火花一つない。公式ランク∅」
「そして突然...これ」
マグナスが溝を指差した。
「疑わしい?」
ハーウィンドが躊躇した。
「私は...まあ...非常に驚きでした——」
「驚きすぎる」
「ソーン教授と話したい。監督者」
「ソーン教授。現場にいたか?」
「はい、大魔法使い」
「見たものを説明しろ」
ソーンが躊躇した。
「ファイアボール。巨大。力は...生徒から見たことがない」
「見たと思った力だ」
「いいえ。見た——」
マグナスが手を上げた。
「熟練の幻影師は熟練者さえ欺く、教授。それが彼らの技術だ」
「でも壁が——」
「別の破壊工作。タイミング」
ソーンが口を開けた。閉じた。
マグナスが微笑んだ。
「責めない。トリックは見事だった」
盲目な傲慢者...
ソーンは思った。
でも何も言わなかった。
「そして生徒は? 誰か疑った?」
ハーウィンド:「まあ...全員がショックを受けていました——」
「ショック = 気が散る = 幻影に脆弱」
「でも四十人の証人が——」
「四十人の証人がショーを見た。真実じゃない」
マグナスが振り向いた。
「集団幻影は珍しくない、学長。劇場魔法使いがいつも使う」
間。
「大魔法使い...言わなければなりません。一昨日、会議を開きました。教員評議会全体で」
「それで?」
「ヘリオ・ヴァロリンが...奇妙なことを言いました。魔法の性質について」
マグナスが振り向いた。興味を持って。
「どんなこと?」
「示唆しました...伝統的な元素が『制限的』だと。魔法が違う風に機能すると」
「それを言ったのか?」
「はい。セドリック教授がそれを異端と呼びました」
マグナスがゆっくりうなずいた。
「異端か...あるいは準備か?」
「何?」
「考えろ、学長。賢い詐欺師はトリックだけをしない。物語を作る」
歩いた。
「『伝統的な魔法は間違っている。私は新しい方法を発見した。』だから『並外れた力』を見せる時——全員が思う:ああ、それは彼の新しい方法だ」
「でも...」
「でも演技だ。劇場。真実からの気晴らし:全て偽物だ」
マグナスが微笑んだ。
「見事だ、本当に。大胆さを称賛する」
その夜、マグナスは町の宿に戻った。
夕食を取った。
ワインを飲んだ。
そして計画した。
ヘリオ・ヴァロリン。詐欺師。
でもなぜ?
注目? 名声? 恐怖? ヌルと呼ばれた者への復讐?
関係ない。
王が命じた:対処しろ。
だから...
選択肢がある。
A: 公に暴露する。屈辱。追放。
B: 逮捕。尋問。詐欺で投獄。
C: もし抵抗したら...排除。
私は...効率を好む。
なぜ公開裁判のリスクを?
スキャンダル? 疑い?
より良い——私的なテスト。直接対決。
もしヘリオが本当に詐欺師なら——
失敗する。そしてテスト中の『事故』で...
...問題解決。
清潔。簡単。静か。
王は理解する。
王は裁量を評価する。
ワインを飲んだ。
完璧。
【一週間前の爆発 - アカデミー、夜】
高度錬金術の倉庫で、二人の教授助手が材料を運んでいた。
「これを手伝って」最初が大きな袋を持ち上げて言った。
「何?」
「硫黄。オールドウィン教授の実験用」
「なぜこんなに多く?」
「来学期のデモンストレーション。化学反応」
一緒に袋を持ち上げた。
倉庫を出た。
中庭を横切って実験室へ。
でも袋は古かった。
縫い目が弱い。
ビリッ!
角が開いた。
黄色い粉が落ち始めた。
「ああだめ——」
「止まれ! 止まれ!」
袋を素早く置いた。
でも遅すぎた。
黄色い粉——硫黄——の跡が落ちていた。
倉庫から。
中庭を通って。
訓練場まで。
でも一直線じゃない。
広く散らばっていた。
庭園。
小道。
訓練場全体。
あちこちに。
「くそ」最初の助手が言った。
「オールドウィン教授が発見したら——」
「材料にうるさい——」
「いつも『一グラムも大切』と言う——」
「どうする?」
跡を見た。
地面に黄色い粉。
部分的に吸収されている。
部分的に見える。
「掃く?」
「何で? もう土に入っている」
「水?」
「悪化する。黄色い泥になる」
間。
「放っておく。多分誰も気づかない」
「オールドウィン教授は?」
「言う...輸送中に少し落ちたと。事故。謝る」
「受け入れると思う?」
「しないと。何ができる? もう起こった」
袋を拾った。
今回はもっと慎重に。
実験室に走った。
後ろに——
硫黄の跡。
中庭を通って。
訓練場の一部に。
黄色い粉。
無害。
偶然。
そして完全に、全面的に、完璧に——
——真実とは無関係。
でもマグナス・アイアンソウルは知らなかった。
そして疑うことは決してないだろう。
すでに決めていたから。
ヘリオ・ヴァロリンは詐欺師だ。
そしてマグナスが証明する。
個人的に。




