ニコデモ
扉を開けた。
ソーン教授。
普段着。鎧なし。黒いシャツ、簡素なズボン。フードを上げている。
ほとんど...普通に見えた。
もし顔の傷跡と戦闘員の姿勢がなければ。
廊下を素早く見た。空。
それから僕を見た。
唇に指を当てた。
「静かに」
うなずいた。
「私のオフィスに来なさい」ささやいた。「話がある。ここではできない」
躊躇した。
「それは...命令ですか?」
「頼みだ。人間として人間に。教授から生徒にじゃない」
間。
「でも眠れずにここにいる方が好きなら...」
「行きます」
靴を履いた。ジャケットを取った。静かにドアを閉めた。
ついていった。
廊下は無人だった。
魔法のろうそくだけが弱く光っていた。
ソーンが前を歩いた。確かな歩み。軍人的。
話さなかった。
二階下りた。それから横の廊下を渡った。
彼のオフィスは小さかった。質素。
机。二つの椅子。壁に掛けられた武器。
剣。槍。斧。全て使い古されている。使用されている。
「座れ」ドアを閉めながら言った。
座った。
彼は戸棚に行った。二つのカップを取り出した。ティーポット。
「お茶?」
お茶。真夜中に。緊急で起こされた後。
いいね...
「...ありがとうございます?」
注いだ。安定した手。正確な動き。
儀式だ。落ち着いている。あるいは言葉を選ぶ時間を作っている。
カップを渡した。
飲んだ。温かい。ミント。
沈黙。
不快じゃない。でも...張り詰めている。
戦闘前のように。
ようやく話した。
「教授としてここにいるのではない」
「おっしゃいました」
「理解したい者としてここにいる」
間。
「どうやったか」
彼を見た。
「教授——」
「ソーンだ」
「...ソーン。今日のこと? 壁?」
「ああ」
お茶を飲んだ。
「でもそれだけじゃない。本当に理解したい。教義なしで。魔法神学なしで。セドリックとマリウスが繰り返すくだらないことなしで」
僕の目をまっすぐ見た。
「どう。やった」
息を吸った。
「信頼できますか?」
「私は戦闘員だ、ヘリオ。理論家じゃない。元素魔法の司祭じゃない」
間。
「何かが正統かどうかは気にしない。機能するかどうかを気にする」
壁を見た。武器を。
「そしてお前の魔法は...機能する。破壊的に」
振り向いた。
「だから教えろ。複雑な公式なしで。教授の半分が理解できない言葉なしで。戦闘員が理解できる言葉で」
間。
「何をしている?」
考えた。
簡単な言葉。
高度な物理学なし。
機能するもの。
「剣を想像してください」始めた。
「ああ」
「二つの方法で切れる。一:鋭い刃、強い一撃。二:極度の熱、金属を溶かす。結果:剣が壊れる。でも方法が違う」
ソーンがうなずいた。「続けろ」
「伝統的な魔法は言う:『火の元素がある。呼び出せ』。私は言う:『火の元素は存在しない。エネルギーが存在する。分子を十分に加熱すれば...火が現れる』」
「分子」
「すべてを構成する小さな部分。テーブル。空気。水。人々」
ソーンが眉をひそめた。
「部分...錬金術師の原子のようなもの?」
「似ている。でもより正確。分子は一緒に結ばれた原子のグループ」
「そしてこれらの...分子...は動く?」
「常に。熱いほど、速く動く」
「そしてお前は...この動きを強制する?」
「正確に」
間。
「いいだろう。」お茶を飲んだ。「続けろ」
「分子が速く動くと...熱を生成する。私は火を呼び出さない。分子を動かすことを強制する。非常に速く。結果:火。でも呼び出したからじゃない。創造したから」
ソーンが僕を見た。
長く。
それから言った:
「だから...元素魔法は『剣をくれ』と言うようなもの。お前の魔法は自分で剣を鍛えること」
微笑んだ。
完璧。
「大体そうです」
「そしてより機能するのは...?」
「何をしているか正確に知っているから。外部の何かに頼んでいない。直接現実を操作している」
「そして制御も...」
「より正確」
お茶を飲んだ。考えている。
「でも時間がかかる」
「...ああ。それが問題」
「うむ。」指を叩いた。「興味深い」
立ち上がった。窓に歩いた。
「今日最も印象的だったことを知っているか?」
「何?」
「後で。振り向いた時。何をしたか見た時」
間。
「落ち着いていた」
僕を見た。
「汗なし。息切れなし。マナ消耗の震えなし」
机に戻った。
「私は、持っている全ての集中マナで、あの規模のことをしたら...ああ、何を言っている。あんなことはできない。とにかく言いたかったのは、へとへとになるということだ。消耗する。一時間横になる必要がある」
間。
「お前は...新鮮に見えた。散歩したばかりのように」
「私は...なぜか分からない——」
「マナの使い方だろう。そうだな?」
躊躇した。
「多分。私の方法は...より効率的? 分散が少ない?」
「より効率的。」繰り返した。「もちろん」
座った。
「でも弱点がある」
これだ。
「何?」
「公式」
間。
「長すぎる」
ゆっくりうなずいた。
「知っています」
「普通の魔法使いが時間で勝つ。戦闘で速い行動が必要なら...終わりだ」
「知っています」
「でも後方で...準備で...包囲で...破壊的だろう」
僕を見た。
「問題か?」
息を吸った。
「まだ初心者です」
ソーンが止まった。
「...何?」
「この方法で。まだ...学んでいる。実験している。確実に公式を短縮することを学ぶ。完全に排除することさえ。ただ...集中」
ソーンが僕を見つめた。
青ざめた。
「初心者」
「はい」
「あの破壊が...初心者だった」
「技術的には...はい?」
立ち上がった。再び歩いた。髪に手を。
「天の神々よ...一体何者だ...」
戻った。
「そしてこの...この『新しい魔法』...攻撃だけか?」
考えた。
それから微笑んだ。
「教授——すみません、ソーン。ファイアボールを作れますか?」
「...何?」
「ファイアボールを作ってください。空中に。何か見せたい」
疑わしそうに僕を見た。
「ここで? 私のオフィスで?」
「小さい。制御された」
「木の棚がある」
「だからこそ。危険じゃないと見せます」
「これは...不規則だ」
「理解したいと言いました」
長い間。
「...いいだろう。でも何かを燃やしたら、お前が掃除する」
「約束します」
躊躇した。
それから手を上げた。
目を閉じた。マナが流れた。
「ファイアボール」
赤い炎が現れた。拳大の球体。僕たちの間の空中に浮いた。
制御された。安定した。
「いいです」言った。
集中した。
マナを感じた。導いた。
考えて言った...「局所的体積排除による部分圧勾配を介した酸素の分子分離」
プフッ!
ファイアボールが消えた。
瞬時に。
風に消されたように。
でも風はなかった。
ソーンが以前あった場所を見つめた。
それから僕を見た。
それから再び空の場所を。
「何が...どうやって...」
壊れた声。
「撤回していませんでした」
「いいえ」
「じゃあ何が——」
「窒息させました」
「窒息」
「はい。周囲の酸素を除去しました。酸素なしで、火は存在できない。マナと集中を維持しても...燃料がもうない」
絶対的な沈黙。
「そして広範囲でできるのか?」ゆっくり尋ねた。
「理論的には」
「直接攻撃に?」
「もちろん」
重く座った。
「だから...攻撃できるだけじゃない。他人の魔法を無効化できる」
「元素魔法、はい。物理反応に基づくもの。火、雷、氷...すべて特定の条件が必要。条件を変えれば...魔法が失敗する」
ソーンが額に手を当てた。
「神々よ...」
「そして他にも」
「他に?」
立ち上がった。
「物理攻撃に対して」
「何?」
「何かで私を打ってください」
ソーンが狂ったように僕を見た。
「ヘリオ——」
「真剣に。棒を取ってください。私を打とうとしてください」
「できない——」
「お願いします。見せたい」
躊躇した。
それから壁に行った。訓練棒を取った。硬い木。致命的じゃないが痛い。
「確かか?」
「はい、ちょっと待って」
集中した。
マナを感じた。周囲に広げた。
言った...「震源距離に反比例する密度を持つ放射状勾配の反発電磁場」
マナが安定した。体の周りに見えない球体。
「準備できました」言った。
ソーンが棒を上げた。
「軽くか——」
「好きなように、違いはありません」
打った。
軽くない。
本当の一撃。速い。正確。
僕の肩に向かって。
ドン!
棒が止まった。
僕から五十センチで。
ソーンが眉をひそめた。
別の角度を試した。同じ結果。
低い蹴り。止まった。
高いフェイント、中段の打撃。止まった。
棒を下ろした。
「完全だ。正面だけじゃない」
「球形です。集中を維持する限り」
「そして戦闘中に気を散らしたら?」
「...おそらく崩壊する」
「うむ。重要な戦術的限界だ」
座った。
ゆっくり。
脚がもう支えられないように。
「お前は...怪物だ」
「どういう意味?」
僕を見た。
「破壊的な攻撃。魔法に対する防御。武器に対する防御」
間。
「理論的には...一人の軍隊だ」
「理論的には?」
「実践は違う。攻撃を発動しながらどれくらいバリアを維持できる?」
「...試していない」
「同時に何人の敵?」
「...一人?」
「そして十人の弓兵が異なる角度から狙いながら魔法使いが呪文を準備したら?」
沈黙。
「...死にます」
「その通り。強力? ああ。無敵? いいや」
座った。
「でも潜在能力は...それでも恐ろしい」
長い沈黙。
重い。
ソーンが床を見ていた。
考えている。
ようやく顔を上げた。
「だから追放したいんだ」
「何?」
「お前が異端だからじゃない」
間。
「恐ろしいから」
立ち上がった。
「もしお前が今夜見せたことが教えられたら...すべての伝統的な魔法使いが時代遅れになる。すべての普通の戦士が無用になる」
僕の目をまっすぐ見た。
「お前は...他のすべての人を無関係にする」
重い間。
「そして人々は...自分を無関係にするものを殺す」
沈黙。
そして——
心の中で。
リキの声。
もしできれば...
リキ? 助けているの? それとも怖がらせている?
現実的になっている。殺された。文字通り。標的になることの意味を知っている。
ありがとう、安心した。
そして今回は俺—僕ら—簡単にやられない。
その方がいい。
「ヘリオ?」
ソーンが僕を見ていた。
「大丈夫か?」
「はい。すみません。考えていました」
「何を?」
「どう生き延びるか」
ゆっくりうなずいた。
「賢明だ」
机に戻った。お茶を注いだ。
「じゃあよく聞け。これから言うことは命を救うかもしれない」
座った。
「来週の会議で...『魔法は間違っている』と言うな」
「でも——」
「聞け」
固い声。
「言え:『代替方法を見つけた』。既存の魔法に追加するもの。置き換えるものじゃない」
「でも根本的に違う——」
「関係ない。政治だ、少年」
身を乗り出した。
「脅威に見えたら...排除される。機会に見えたら...研究される。そして研究されている間...生き延びる」
間。
「分かるか?」
ゆっくりうなずいた。
「補完的な方法。置き換えじゃない」
「その通り」
飲んだ。
「そしてもう一つ。謙虚に。心の中で全員が馬鹿だと思っても。謙虚に見えないと」
「どうやって?」
「『多分間違っている。多分完全に理解していない。でもこの現象に気づいて、あなたたちの指導でもっとよく研究したい』」
苦く笑った。「嘘をつく、つまり」
「ああ。生き延びる」
沈黙。
それから尋ねた:
「なぜ助けてくれるんですか?」
ソーンが壁の武器を見た。
「四十年前...ランクEの生徒だった。理論魔法でほぼヌル。何にもなれないと言われた」
間。
「それから発見した。物理的な魔法が機能する。体の強化。強力。本能。複雑な呪文なし。ただ...体に直接適用されたマナ」
僕を見た。
「正統じゃない。でも機能した」
間。
「教授たちは追放したかった。魔法を『堕落させている』と言った。『魔法使い』じゃなく『野蛮人』だと」
「それで?」
「一人だけ...当時の戦闘マスター、ガレス師匠...僕を守った」
お茶を見た。
「『機能すれば、十分魔法使いだ』と言った」
「そして?」
「そうした。トーナメントで勝った。任務を生き延びた。不可欠になった」
苦い笑み。
「二十年前。オーク侵攻。」
声が低くなった。
「ガレス師匠はこのアカデミーを守って死んだ。正門で。一人で十二人のオーク戦士を倒した。生徒を避難させるため」
僕を見た。
「彼に全てを借りている。そして思う...彼は望んだだろう。同じことをすることを。お前のために」
間。
「多分お前は同じだ。別の方法。間違っていない。別の」
間。
「そして値する...保護を」
立ち上がった。
「ありがとうございます。本当に」
「まだ感謝するな。週を生き延びてから」
ドアに向かった。
止まった。
「ソーン?」
「ああ?」
「もし...もし追放されたら。危険すぎると決めたら。何が起こる?」
すぐには答えなかった。
それから低い声で言った:
「追放は行政的解決策だ。でもお前を真の脅威と見たら...」
間。
「事故。起こる。一人で旅する追放された生徒。道の山賊。突然の病気」
冷たい声。
「戦争を十分見た。制御できないほど危険な者がいる時...排除が選択肢になる」
唾を飲み込んだ。
「...彼らが...」
「分からない。でもリスクを取るな」
うなずいた。
「分かりました」
「そしてヘリオ?」
「はい?」
「本当に追放されたら...自問しろ。お前がアカデミーを必要としているのか、アカデミーがお前を必要としているのか」
間。
「答えは...驚くかもしれない」
出た。
寮に戻った。
静かに。ゆっくり。
セバスチャン、テオ、マティアスはまだ眠っていた。
横になった。
でも眠らなかった。
考えていた。
すべてを。
「補完的方法」
「謙虚に見える」
「人々は自分を無関係にするものを殺す」
「もしできれば...」
天井を見た。
一週間。
脅威じゃないと納得させる。
正確に脅威である間。
どうやって...
どうする?
リキ、心の中で:
非常によく嘘をつく
皮肉屋だ。
現実主義者だ。違いがある
何?
皮肉屋は文句を言う。現実主義者は行動する
そして僕たちは?
僕たちは...生き延びる
夜明けが来た。
窓を通して灰色の光。
眠っていなかった。
でも...奇妙だった。
疲れていない。
決意していた。
いいだろう。
彼らのゲームをプレイする。
謙虚に見える。補完的。脅威的じゃない。
そして一方で...
...何もできないほど強くなる。
たとえ望んでも。
立ち上がった。
日が始まった。




