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四つの基本的な力の魔法使い ー 物理学者から魔法使いへ、状態変化を経て  作者: Adriano_P


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消えた水晶

自分が欠陥品だと知ったのは、十歳のときだった。

親和性テストの日、街じゅうがお祭り騒ぎだった。よそ行きに着飾った両親、興奮して跳ね回る子供たち、菓子やお守りを売る屋台。アッシュフォードの中央広場は、色と声で溢れかえっていた。

「ヘリオ、襟を引っ張るのはおやめなさい」母が、もう十回目になる服の手直しをしながら言った。これは僕たちのいちばん上等なシャツだった――継ぎ当てのない、たった一枚の。

「気になるんだよ」僕はぶつぶつ言った。

「今日だけよ。明日からは、また好きなだけみすぼらしい格好に戻っていいから」

父が笑った。だが、緊張した笑いだった。

「エリーゼは、騎士になるんだって」気を紛らわせようとして、僕は言った。「グリフォンに乗って、竜と戦うんだって」

「グリフォンは噛むぞ」父が言った。

「竜も」

「いい指摘だ」

母がため息をついた。「二人とも、噛みつく生き物となんか戦わない、穏やかな学者にでもなってくれないかしらね」

「つまらないよ」僕は言った。

父がウインクした。だがすぐに、魔法使いギルドの建物へ目をやり、また緊張を取り戻した。

今日は、普通の日ではなかった。

父は、魔法使いギルドの建物を見つめ続けていた。広場の台座には、大きな親和性クリスタルが据えられていた。

巨大だった。大人の背丈ほどもあり、ダイヤモンドのように無数の面を持ち、僕の前の子供が両手を置いているあいだ、赤橙色の光で輝いていた。

「火!」試験官が叫んだ。金色のローブをまとった、ランクAの魔法使いだ。「火への魔法親和性、中程度! おめでとう、若きマーカス! 君の道は、魔法使いだ!」

群衆が拍手した。その子の両親は、喜びで泣いていた。

マーカス――軽く知っている、二軒先に住んでいる子だ――は、まるで宝物を引き当てたみたいに飛び跳ねていた。「僕は火の魔法使いだ! 火の魔法使いだ!」

「次! エレナ・クラフトウェル!」

ぽっちゃりした女の子が、緊張しながら近づいた。クリスタルに触れる。

薄茶色。マーカスのようには輝かないが、安定した光だった。

「職人親和性」試験官が告げた。「金属加工と、ものづくりに優れている。名誉ある道だ!」

女の子の両親は、一瞬がっかりしたように見えたが、すぐに笑顔で拍手した。「うちの家業に、偉大な匠が生まれるぞ!」と父親が叫んだ。

エレナは、ほっとしたように微笑んだ。

少なくとも、あの子には何かできることがある、と僕は思った。僕はたぶん……何だろう? ジャガイモ拾いか?

その考えに、危うく笑いそうになった。ほとんど。

「次! ダレン・ヒルフォート!」

がっしりした男の子。クリスタルが、銀色の金属光沢で輝いた。

「戦士! 優れた武術親和性。兵舎は、いい人材を得たな!」

拍手。マーカスのときほど盛大ではないが、敬意のこもった拍手だった。

そうして、続いていった。何人かの子供は魔法親和性を授かった――いつだって、最高の祝福だ。ほかの子は、それぞれ別の天職を授かった。戦士、職人、レンジャー、魔法を使わない治療師、といった具合に。

がっかりした親もいたが、すぐに気を取り直した。「少なくとも、才能があるんだから」と誰かが囁くのが聞こえた。

「次! エリーゼ・ソーンウィック!」

心臓が跳ねた。

エリーゼ。

僕の友達。その朝も会った――興奮しすぎて、じっとしていられない様子だった。

栗色の髪を後ろになびかせて、クリスタルへ駆けていく。

クリスタルに触れた。

一瞬、何も起きなかった。

それから――輝いた。

純銀色。眩しいほどに。そしてその中で、金色の陰影が踊っていた。

「戦士! いや、待て――」試験官が身をかがめ、クリスタルをもっと近くで調べた。「剣戦に特化した、至高の武術親和性。驚異的だ! この子は、伝説の剣士になるぞ!」

群衆が、拍手で沸いた。

エリーゼの両親――ソーンウィック侯爵夫妻――が、顔を輝かせて抱き合った。

エリーゼが振り返り、群衆の中に誰かを探した。

僕を。

見つけた。

まだ興奮で震えながら、僕のほうへ駆けてきた。

「ヘリオ! ヘリオ、見た!? 剣士よ! 望んでいたとおり!」目が輝いていた。「木剣で遊んだ、あの午後の数々……わかってたの! これが僕の運命だって、わかってた! これでやっと、セドリックに勝てる! あのバカ、僕が女だからって、いつも馬鹿にするけど、本物の剣を持ったら――」僕の表情に気づいて、口をつぐんだ。「ごめん。自慢ばっかり」

「いや、いいんだ」笑おうとして、僕は言った。「すごいよ」

そして、どれだけ緊張しているかを悟られないように、うなずいた。

「ヘリオ・ヴァロリン!」試験官が呼んだ。

エリーゼが、僕の手を握った。「行って。見せてやって!」

心臓が、激しく打ちはじめた。

母が、肩を握った。「行きなさい。大丈夫よ」

父はうなずいたが、その目に緊張が見えた。

僕は、クリスタルへ向かって歩いた。

エリーゼが、満面の笑みで見ていた。まだ自分の結果に興奮したまま、好奇心いっぱいに僕を見つめている。

群衆が、見ていた。僕は、大した存在じゃなかった――列に並ぶ、ただのもう一人の子供だ――それなのにその瞬間、世界じゅうが僕を見ているように感じた。

試験官が微笑んだ。「怖がらなくていい、坊や。両手をクリスタルに置いて、集中するんだ。あとは、クリスタルがやってくれる」

うなずいた。

クリスタルは、触れると冷たかった。滑らかで。その表面に対して、僕の手はひどく小さく見えた。

集中しろ、と思った。とにかく、集中だ。

目を閉じた。

何かを……感じ取ろうとした。マナを、教わったとおりに。僕の中にある、エネルギーを。

そして……感じた。

弱い。糸のように細い。だが、確かにあった。

それが、手からクリスタルへと流れていく。

うまくいく、と思った。うまくいかなきゃ、いけない。

輝きを待った。

発表を待った。

一秒。二秒。三秒。

五秒。

十秒。

群衆が、ざわめきはじめた。

「ヘリオ、目を開けていいぞ」

開けた。

クリスタルは……

……灰色だった。

透明でもない。輝いてもいない。職人や戦士のような、はっきりした色でもない。

ただ、灰色。

灰のような。

煙のような。

何もない、かのような。

「ああ」試験官が言った。その声が、急に平坦で、事務的なものになった。「なるほど」

「な、何を意味するんですか?」僕は、震える声で訊いた。

「マナは持っている、ということだ、坊や。クリスタルがそれを感じ取っている。だが……」言いよどんだ。「親和性がない。魔法も、武術も、職人も。はっきりした天職が、ない。ランクは……∅だ」

広場に、沈黙が落ちた。

「ヌル……?」誰かが囁いた。

「生まれて初めて見た……」

「可哀想な子」

「でも、マナは持ってるって? なら、本物のヌルじゃ……」

「もっと悪いさ。本物のヌルなら、少なくとも自分が何者か、わかっている。これは……ただの、無駄ってことだ」

僕は、母を見なかった。父も見なかった。

そして、エリーゼも見なかった。

とりわけ、エリーゼを。ついさっきまで、あんなに幸せそうだったエリーゼを。

灰色のクリスタルから、目を離さなかった。

「行っていいぞ」試験官は、もうリストに向き直りながら言った。「次! トーマス・アイアンフォージ!」

別の子供が、僕を追い越していった。

僕は、そこに立ち尽くしていた。まだ冷たいクリスタルに、手を置いたまま。

「ヘリオ」父が、優しく言った。いつの間にか、僕の横にいた。「おいで」

クリスタルから、手を離した。

背後で、新しい子供がクリスタルに触れる音が聞こえた。明るいオレンジ色。「火の職人! 優れた鍛冶師になる!」

拍手。

人生は、続いていく。

僕の人生は、止まってしまったように見えたのに。

エリーゼが、両親のところへ着く前に、僕に追いついた。

その笑顔は、消えていた。目が、潤んでいた。

「ヘリオ、私――」

「おめでとう」無理に微笑んで、僕は言った。「本当に。素晴らしい剣士になるよ。ずっと、わかってた」

「でも、あなたは――」

「大丈夫だよ」自分でも、信じてなどいなかった。「本当に。僕は……君のこと、嬉しいんだ」

本当だった。

だが、誰かのために喜ぶのは、自分の世界が崩れ落ちているときには、痛かった。

エリーゼが何か言おうと口を開いたが、母親が彼女を呼んだ。

それでも、まだ僕を見ていた。抱きしめたいのか、大丈夫だと言いたいのか、というように。

だが、できなかった。

大丈夫では、なかったからだ。

そして、それを、僕たち全員が知っていた。

「またね」と囁いて、彼女は両親のところへ戻っていった。

僕は、彼女が去っていくのを見ていた。

未来の、伝説の剣士。

そして僕は……

僕は、ただのヘリオ。

伝説的なまでの、完全な無。

ランク∅。

無。

夢の中を歩くように、僕は両親のところへ戻った。

母が、すぐに抱きしめてくれた。「大丈夫よ、坊や。大丈夫」

大丈夫では、なかった。

父が、僕の頭に手を置いた。何も言わなかった。

僕たちは、黙ったまま家へ帰った。

僕たちの家――当時はまだ、本物の家があった。二部屋と、小さな庭のある家が――その夜は、静まりかえっていた。

母が夕食を作った。野菜のシチュー。僕の好物だ。

だが、誰も食欲がなかった。

長いあいだ、スプーンが皿に当たる音だけが響いていた。

それから、父がフォークを置いた。少し、強すぎた。カチャン、と鳴った。

「くそっ」父が、小声で言った。

母が、彼を見た。「アルドリック――」

「いや、セレステ、くそっ、だ」父は、髪をかきあげた。「三十年の研究だぞ。三十年、なぜこの体系が僕たちの一部の人間には働かないのかを、理解しようとしてきて、それで――」僕の顔を見て、口をつぐんだ。

沈黙。

それから、深く息を吸った。「すまない、ヘリオ。そんな……そんなつもりじゃ、なかった」

「ヘリオ」母が、もっと優しく言った。「ランク∅が何を意味するか、私たちは知っているわ。お父さんは、誰よりもよく知っている」

父はうなずき、落ち着きを取り戻した。「だが、それは、お前の人生が終わったという意味じゃない」

「ほかのみんなは、何かを持ってる」僕は、小さな声で言った。「マーカスは火を。エリーゼは、剣士になる。エレナにだって、家業がある。僕は……僕には、何もない」

「マナを持っているわ」母が言った。「試験官も確かめた。あなたはマナを持っているの、ヘリオ。本物のヌルとは、違う」

「でも、使えない」

「まだ、わからないでしょう――」

「みんな知ってるよ。ランク∅は、魔法ができないって」僕は遮った。話は、聞いていた。噂も。「司書になるか。書記か。それか――」

「それか、学者だ」父が、きっぱりと言った。「僕のように」

僕は、父を見た。父は、アカデミーにいた頃のことを、決して話さなかった。閉ざされ、封印された話題だった。

「僕は、ランク∅だった」父は続けた。「知っているだろう。それでも、国立アカデミーまで行った。上級魔法理論を学んだ。僕は――」言葉を切った。「多くを学んだ。最後には、それでも足りなかったがな」

「アルドリック」母が、優しく言った。

「いや、セレステ。この子は、知っておくべきだ」父が、僕のほうへ身をかがめた。「ヘリオ、聞きなさい。魔法の体系……奴らが教えること……ときどき、何かがおかしいと思うんだ。僕たちが、まだ理解していない何かが、ある気がする」

「何が?」

「わからない。それが問題なんだ。だが、お前が生まれたとき、初めてお前のマナを感じたとき……違っていた。僕のとも違う。これまで会ったどのヌルとも違う。……奇妙だった」

母がうなずいた。「違う振動をしていたの。まるで……まるで、何かをしたがっているのに、そのやり方がわからない、というように」

僕には、理解できなかった。

だが、二人の目に、希望が見えた。

絶望的な希望、かもしれない。理屈に合わない希望、かもしれない。

ただ息子を愛する親、というだけかもしれない……そして親にとって、息子はいつだって特別なものだ。

それでも、希望だった。

「お前を、アカデミーに送る」父が言った。

僕は、まばたきした。「え?」

「地域のアカデミーにだ。六年後、お前が十六になったらな」

「でも……でも父さん、僕は魔法ができない。追い出されるよ」

「理論学生として入れば、そうはならない」父は言った。「珍しいが、不可能じゃない。理論を学ぶんだ。そして、ことによれば……」言いよどんだ。「ことによれば、僕に見つけられなかったものを、お前が見つけるかもしれない」

「アルドリック、本気なの?」母が訊いた。「学費は――」

「なんとかする」父が言った。これまで聞いたことのない、確信に満ちた声で。「必要なら、家を売る。昼も夜も働く。お前なら、個人教授の仕事を引き受けられるだろう」

「家を?」僕は囁いた。

「ただの家よ、ヘリオ」母が、僕の手を取って言った。「あなたは、私たちの息子。あなたが自分の道を見つけられる可能性が、ほんのわずかでもあるのなら……」

「どんな犠牲を払う値打ちもある」父が、締めくくった。

僕は、二人を見た。仕事で硬くなった、母の手。毎晩遅くまで本を読み、決して訪れない答えを探し続けている、父の目の下の隈。

何もかもを、手放そうとしていた。

僕のために。

ことによれば――おそらくは――二人を失望させることになる、欠陥のある子供のために。

「僕に……その値打ちが、あるのかわからない」声を詰まらせて、僕は言った。

父が、僕の前に膝をつき、まっすぐに目を見た。

「ヘリオ・ヴァロリン。よく聞きなさい。お前は、欠陥品なんかじゃない。違うんだ。そして、"違う"は、"間違っている"という意味じゃない。世界はまだ、お前という存在を理解できていない。だが、いつか必ず理解する」

「もし、理解しなかったら?」

「そのときは、お前が世界に教えてやればいい」父は言った。「力でか、理論でか。どちらにせよ、教えてやるんだ」

信じたかった。

ああ、どれほど信じたかったことか。

僕はうなずいた。涙が、目を焼いていても。

母が抱きしめた。父が、僕たち二人をまとめて抱きしめた。

そしてその小さな抱擁の中で、もうじき僕たちのものではなくなる小さな家の中で、僕は自分に誓った。

方法を見つける、と。

どれだけ時間がかかっても。

何度、失敗しても。

魔法をする方法を、必ず見つけてみせる。

二人を、失望させるわけにはいかないから。

そして――僕の意志は、強い。「ヌル」なんかじゃない。

これだけのことがあった、あとでは。

六年後。アカデミーの図書館に座り、背後にはまたしても失敗した呪文を残して、その誓いは、まだ僕の頭の中で響いていた。

方法を見つける。

だが、たぶん――あの日ほどには、もう信じていなかった。

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