表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四つの基本的な力の魔法使い ー 物理学者から魔法使いへ、状態変化を経て  作者: Adriano_P


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/41

力の目覚め

正義の間のドアが開いた。

二人の治癒師が入り、彼らの間でヘリオ・ヴァロリンを支えていた。

沈黙がすぐに落ちた。

七十組の目が向き直った。

ヘリオがゆっくり前進した。一歩一歩が膨大な努力を必要としているように見えた。

頭に包帯。左腕がまだ包帯。目に見えて震える脚。

蝋のように青白い顔。

でも目...

目が違った。

より鋭い。より冷たい。まるで物を通して見ているかのように。

治癒師が証人席に同伴した。

座るのを助けた。

ヘリオが背もたれに重く寄りかかり、息を切らして呼吸していた。

ブラックヒル卿が席から彼を観察していた。

「ヴァロリンさん」重々しい声で言った。「証言する状態ですか?」

ヘリオが真っ直ぐになろうとした。口を開けた。

「僕は...はい、裁判長。僕は――」

声が弱く出た。壊れて。

続けようとしたが椅子でよろめいた。

治癒師の一人が支えた。「ゆっくり、ゆっくり」

マジスター・クレインが跳ね上がった。「裁判長、この証人は明らかに信頼できる証言を提供する能力がありません! 状態を見てください!」

フェリスが反対側から立ち上がった。「異議! ヴァロリンさんは落下の唯一の直接証人です! 聞かれなければなりません!」

「この状態で?」クレインがヘリオを示した。「かろうじて話せる! 何を言っても外傷、痛み、薬の影響を受けます――」

「証言する権利がある!」フェリスが叫んだ。

「医療が必要だ!」

クラック。

ブラックヒルの小槌が強く叩いた。

「静粛。両方」

フェリスとクレインが座ったが、まだ敵意を持って見合っていた。

ブラックヒルが長い間ヘリオを見た。

少年が真っ直ぐ座ろうとしていた。でも体が疲労を裏切っていた。手が落ちないように席の端を握りしめていた。

「ヴァロリンさん」ブラックヒルがより優しく言った。「証言したいですか?」

「はい」ヘリオが囁いた。

「現在の状態では、証言が疑問視される可能性があることを理解していますか?」

「僕は...全て覚えています。言えます――」

咳が中断した。痛みを伴う。体が曲がった。

治癒師が席に近づいた。「裁判長、お願いします。この少年は非常に深刻な外傷を受けました。折れた肋骨、頭部外傷、六日間の完全な無意識。必要です――」

ブラックヒルが手を上げた。

他の二人の治安判事と簡単に相談した。

囁き。うなずき。

それから法廷に向き直った。

「決定しました」

絶対的な沈黙。

「ヴァロリンさんは今日証言するには明らかに弱すぎます」

被告席で、カエルとマーカスが目に見えてリラックスした。神経質な微笑み。

マーカスが囁いた:「やった――」

「しかしながら」

言葉が刃のように空気を切った。

「この裁判は開いたまま。却下されない。結論されない。開いたまま」

微笑みが消えた。

「裁判は三日延期されます」ブラックヒルが続けた。「ヴァロリンさんは怪我から回復するのに十分な時間があります。そして――」カエルとマーカスを直接見た「――証言します」

間。

「そしてこの法廷は一言一句聞きます」

小槌を叩いた。

クラック。

「この法廷は休廷します。全員退出自由。三日後、同じ時間に会いましょう」


法廷が囁きで爆発した。

「たった三日――」

「だから裁判は続く――」

「ヘリオは何を言う?」

カエルが青ざめていた。マーカスが頭を手の間に置いていた。

クレインが彼らに向かって身をかがめ、何かを素早く囁いた。おそらく指示。戦略。

貴族観客席のルシアンが一瞬座ったままだった。

制御された表情。でも手が椅子の肘掛けを握りしめていた。

三日。

たった三日。

そしてそれから全てが崩壊する可能性があった。

ゆっくり立ち上がり、後ろを見ずに出た。


証人席で、治癒師がヘリオを立ち上がらせるのを助けた。

「ゆっくり」一人が言った。「私に寄りかかって」

セレストが彼らに走り、オルドリックがすぐ後ろ。

「ヘリオ!」

セレストが彼を抱きしめた――優しく、怪我に注意して――目に涙。

「聞こえた。一瞬、話すのが聞こえた」

「大丈夫、母さん」ヘリオが囁いた。

「いいえ、大丈夫じゃない」オルドリックが息子の肩に手を置いた。「休む必要がある。家に帰ろう」

ヴィヴィアンが近づいた。「ヘリオ、やり遂げた。戻ってきた」

彼が弱く微笑んだ。「やあ、ヴィヴィアン」

そして――

「失礼?」

穏やかな声。旋律的。

セラフィン教授が近づいていた。

「ヴァロリンご夫妻、セラフィンです。マナ制御を教えています。あなたの息子は私の学生でした」

「教授」オルドリックが認識して言った。

「彼を外に連れて行くのを...手伝えますか? 階段が難しいかもしれません」

セレストがうなずいた。「ありがとう」

セラフィンがヘリオの反対側に位置し、支えた。

そして彼に触れた時、一瞬、目が見開かれた。

マナ。

だった...

違う。

前とはとても違う。

でも何も言わなかった。まだじゃない。


エリーゼが廊下で彼らに追いついた。

「ヘリオ」確固たる声だが心配そうな目で言った。「大丈夫?」

「六日前より良い」彼が微笑もうとして答えた。

「これで冗談言わないで」でも彼女も涙目で微笑んだ。

「ありがとう」ヘリオが言った。「してくれたことに。カエルとマーカスに。聞いた」

「当然の報いを受けた。いや、半分も受けていない」両親を見た。「私が馬車まで連れて行く?」

「ありがとう、エリーゼ」セレストが言った。

建物を出た。

アカデミーの中庭が人でいっぱいだった。学生、貴族、延期された裁判について熱心に話す野次馬。

午後の太陽が輝いていた。新鮮な空気。花壇から草と花の匂い。

ヘリオが深呼吸した。

自由。

六日間の暗闇の後、本物の空気。

「馬車はあそこ」オルドリックが示して言った。

「家に帰ろう」セレストが言った。「休んで、食べて、回復して――」

「そして」オルドリックがより厳しい声で付け加えた「証言する。そしてあのろくでなしが代償を払う」

ヘリオがうなずいた。

数歩進んだ。

そして――

ブラアアアアアム。

トランペットの音。

高い。鋭い。執拗。

中庭の全員が止まった。

壁を見た。

トランペットが再び鳴った。

ブラアアアム。ブラアアアム。ブラアアアム。

「何が――?」セレストが始めた。

壁の護衛が叫んだ。

「警報! ワイバーンが接近!」

「北から群れ!」

「全戦力防衛に!」

パニック。

即座。完全。

中庭の群衆が叫びで爆発した。

「ワイバーン?!」

「どこ?!」

「避難所に!」

あらゆる方向に走る人々。

押し合う学生。命令を叫ぶ貴族。避難を組織しようとする護衛。

「全員地下避難所に! 動け!」

オルドリックがセレストの手を握りしめた。「行こう! 今!」

「ヘリオ、走れる?」エリーゼが聞いた。

ヘリオが脚を見た。立っているだけで既に震えていた。

「僕は...できない――」

馬に乗った男が全速力で中庭を横切った。

侯爵ローランド・ソーンウィック、部分的な鎧を既に着て、腰に剣。

「エリーゼ!」叫んだ。

エリーゼが振り返った。「父上?」

「私と! 軍が利用可能な全ての剣士を動員している! 徴用された!」

「でも私は――」ヘリオを見た。

「命令だ!」

彼の後ろで、他の兵士が到着していた。組織化。列を形成。

エリーゼがヘリオを見た。目に葛藤。

「行って」ヘリオが弱いが確固たる声で言った。「彼らを守って」

「でもあなたは――」

「行って!」

ローランドが再び叫んだ。「エリーゼ! 今!」

彼女が最後の一秒躊躇した。

それから父親に向かって走った。

兵士が用意していた馬に飛び乗った。

「安全に!」ヴァロリンに向かって叫んだ。

そして侯爵に従って北の壁に向かって全速力で出発した。


中庭で、混乱が続いた。

「避難所に! 動け!」

セレストがヘリオを引いた。「行こう! 避難所は――」

「図書館の下」オルドリックが完成させた。「来て!」

でもヘリオは走れなかった。

一歩一歩が痛み。ほとんど諦める脚。

セラフィンが彼らに並んだ。「一緒に残ります。手伝います」

中庭を横切った。

群衆は既に薄くなっていた。ほとんど全員が逃げていた。

彼らの上、空。

そして北の地平線に――

黒い点。

たくさん。

速く近づいていた。

「ああ神々」セレストが囁いた。「何匹?」

「多すぎる」オルドリックが言った。

ワイバーンが今見えた。二十。三十。多分それ以上。

青い空に対する黒い生き物。広い翼。空気を鞭打つ尾。

そして音――

叫び。咆哮。鋭い金切り声。

壁で、兵士が位置についた。

魔法使いが手を上げた。

「発射!」

火球、氷の槍、岩の弾丸、矢が空に向かって発射された。

いくつかのワイバーンが落ちた。打たれた。墜落。

でも他は逸れた。回避した。

前進し続けた。

「動け!」オルドリックが叫んだ。

でもヘリオがよろめいた。

片膝をついた。

「ヘリオ!」セレストが支えた。

「できない...できない...」

セラフィンが反対側から彼を取った。「立って! しなければ――」

影。

突然。

彼らの上に降りた。

全員が顔を上げた。


ワイバーンが群れから離れていた。

大きい。太陽光で輝く黒緑の鱗。幅六メートルの翼。歯でいっぱいの顎を持つ三角形の頭。

飢えで輝く黄色い目。

急降下した。

地面を震わせるブームで彼らの前に着地した。

翼が閉じた。尾が空気を鞭打った。

高さ三・五メートルで立っていた。鱗の下で波打つ筋肉。

そして彼らを見た。

獲物。

簡単。

無防備。

顎を開けた。空気を振動させる咆哮。

ラアアアアアグ!

セレストが叫んだ。

オルドリックが前に立った。「逃げろ!」

でも時間がなかった。スペースがなかった。

ワイバーンが一歩前に出た。

それからもう一歩。

ゆっくり。獲物の恐怖を楽しんで。

セラフィンが他の前に位置した。

手を上げた。

「風のバリア!」

手が緑の光で輝いた。

空気の壁が彼らの前に形成された。震える硝子のように見える。

ワイバーンが止まった。

バリアを見た。

それから、ほとんど軽蔑的な無頓着さで、それを通って歩いた。

空気の壁が煙のように散った。

セラフィンが叫んだ。ワイバーンの尾が横に打った。

後ろに飛び、壁に激突した。

地面に倒れ、ぼんやりした。

「教授!」ヘリオが叫んだ。

ワイバーンがまた前進した。

オルドリックが手を上げた。「火球!」

何もない。

ランク∅。息子のように。

再び試した。必死に。

「火! 何でも!」

何もない。

セレストが泣いていた。「いや、いや、お願い――」

ワイバーンが顎を開けた。

もっと広く。もっと広く。

噛む準備、半分に切る準備。


ヘリオが見た。

前に立つ父、震え、無力。

泣く母、恐怖に陥った。

地面のセラフィン、立ち上がろうとして。

そしてワイバーン。

前進していた。

もう違う。

頭の中の声――彼の、でも他の誰かの。

無力なままでいられない。

また。

二度と。

立ち上がった。

脚が震えた。体が痛みを叫んだ。

でも立ち上がった。

「ヘリオ、だめ!」セレストが叫んだ。

でも彼は一歩前に出た。

ワイバーンに向かって。

生き物が止まった。ほとんど好奇心旺盛。

この小さな人間。弱い。傷ついた。

彼女に向かって来ている?

ヘリオが目を閉じた。

マナを感じた。

セラフィンが教えたように。

細い糸。地下の川。

でも今...

今は違った。

より強い。より明確。

そしてその後ろに――

記憶。

彼のじゃない。

リキ・タクヤ博士。

生物の体は主に水で構成されている。

H₂O。

分子結合。

沸点:標準大気圧で100°C。

でももし温度を上げたら...

1000°C。

5000°C。

15,000°C...

完全なイオン化。

プラズマ。

電子が核から引き裂かれる。

物質が純粋なエネルギーになる。

ヘリオが目を開けた。

「火球」と思わなかった。

「土の槍」と思わなかった。

思った:

「生体 = ~60% H₂O。Q = mcΔTを適用、ΔT → 15,000K。分子解離: H₂O → 2H⁺ + O²⁻ + プラズマ。放出エネルギー: 完全イオン化のためのE = mc²。結果: 壊滅的な熱膨張」

手を上げた。

ワイバーンが咆哮し、前に突進した。

開いた顎。

ヘリオが囁いた:

「熱崩壊」


何もない。

一秒間。

ワイバーンが二メートルにいた。

一メートル。

半分――

それから始まった。

生き物が止まった。

まるで見えない壁を打ったかのように。

体が...輝いた。

中から。

オレンジ。それから赤。それから白。

それから――

青。

鮮やかな青、目がくらむほど。

鱗が照らされ始めた。全ての単一の鱗が燃えている石炭のように。

ワイバーンが咆哮した。

でも攻撃の咆哮じゃなかった。

痛みの叫びだった。

体が膨らみ始めた。

まるで中の何かが膨張しているかのように。皮膚に押し付けて。骨に。

鱗が上がった。

煙が口から出た。目から。鼻孔から。

生き物がねじれた。

荒々しく鞭打つ尾。

パニックで羽ばたく翼。

そして――

ブウウウウム。

爆発が彼らを地面に投げた。


爆発は火じゃなかった。

通常の魔法じゃなかった。

光だった。

中庭を満たした目がくらむほどの白青。

草が曲がるほど強烈な熱の波。石畳がひび割れた。

ワイバーンの体が文字通り気化した。

肉。骨。鱗。

全てが一秒の一部で灰と煙に溶けた。

衝撃波が広がった。

オルドリックとセレストが後ろに投げられ、地面に倒れた。

セラフィンが目を覆い、壁に押し付けた。

近くのステンドグラスが震えた。いくつかがひび割れた。

そして――

沈黙。

上昇する煙の音だけ。

黒い雪のように落ちる灰。


オルドリックがゆっくり立ち上がった。

見た。

以前四メートルのワイバーンがあったところ...

今は炭化した地面の円だけ。

そして中心に――

骨格。

黒い。煙を出している。

見ている間に粉に崩れた。

誰かが何か言えるまでに数秒経った。

そして多くの秒後...

「何が...」オルドリックが囁いた。「何が起こった?」

セレストが震えながら立ち上がった。

ヘリオに向かって見た。

少年がまだ立っていた。手を上げて。

でもそれから――

脚が諦めた。

膝をついた。

「した...」

弱い声。疲れ切った。

「本当にした...」

セレストが彼に走った。「ヘリオ!」

彼に到達し、完全に倒れる前に支えた。

「安全、安全――」

でも彼を抱きしめながら、息子を...畏怖で見ていた。

何かを見たばかりだった。

理解できない何か。

不可能な何か。


セラフィンがゆっくり立ち上がった。

わずかに足を引きずりながら、近づいた。

ワイバーンの残骸を見た。

ヘリオを見た。

それから――

手を伸ばした。少年の肩に触れた。

目を閉じた。

マナを感じた。

そして目が見開かれた。

「あなたのマナ...」囁いた。

ヘリオが混乱して、疲れ切って彼女を見た。

「もう『待機中』に振動していない」セラフィンが驚異に満ちた声で続けた。「それは...目覚めている」

より近く身をかがめた。

「何をした? どうやって――」

「魔法じゃなかった」ヘリオが疲労で壊れた声で言った。

「何?」

「魔法じゃなかった、教授」彼女の目を真っ直ぐ見た。「物理学だった。熱力学。電磁励起によるプラズマのイオン化」

沈黙。

セラフィンが彼を見つめていた。

「何が...一体何を意味する?」

ヘリオが弱く微笑んだ。

「みんな間違っているということ。四元素について。魔法について。全てについて」

声が弱くなった。

「火は元素じゃないということ。ただ...燃焼の閾値まで加速された分子運動エネルギー...」

目が閉じた。

体が倒れた。

「ヘリオ!」セレストが彼を揺さぶった。

「気絶した」オルドリックが脈を確認して言った。「生きている。でも気絶した」


遠くで、壁で、戦闘が続いていた。

叫び。爆発。ワイバーンの咆哮。

でも中庭で――

沈黙。

四人。

そして殺されるべきではなかった生き物の煙を出す残骸。

こうじゃない。

昏睡から出たばかりの少年に。

ヌルに。

見たことのない爆発で。

セラフィンが手を見た。

震えていた。

「一体何を見たばかり?」囁いた。

誰も答えなかった。

なぜなら誰も知らなかったから。


彼らの上で、ワイバーンの群れが撃退された。

軍が勝った。

エリーゼが壁から中庭を見た。

煙を見た。灰。

あそこで何が起こった?

でも行けなかった。まだじゃない。

戦いは終わっていなかった。


そして中庭で、オルドリックとセレストが気絶した息子の体を運び去る間、セラフィンがショック状態で彼らの後ろを歩く間――

一つの単一の質問が心に響いていた。

この少年は一体誰?


そして物理学...熱何とか学...あの何かとやらは一体何?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ