前へ目次 次へ PR 44/57 ガールズクロスライン 第22(夜)絵筆と時計塔 夜の都市を見下ろす高塔。 その先端に立つ彼女は、制服姿のまま腕を広げ、空を漂う無数の歯車と光の粒に手を伸ばした。 巨大な時計の針が静かに時を刻み、都市全体が黄金の機械仕掛けのように輝く。 彼女は目を丸くしながらも一歩を踏み出し、足元の鉄板がかすかに震えるのを感じていた。 「ほら、聞こえる? 未来が動き出す音だよ」 囁くような声が夜風に溶ける。その姿は、時間を超える物語の扉を開こうとする案内人のようだった。風に舞うリボンがきらめく夜空に溶け、街の無数の灯りが拍手のように彼女を迎えていた。