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Invisible to the Eye 〜目には見えない大切なもの〜  作者: ダークキング


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絡まる恋心〜迷いの先に〜

「葵、昨日はどうだった?」

バレンタインデー翌日の朝練終わり。

葵に告白の結果を聞くために、東さんが声をかける。

「あ、李璃……。俊くんの返事待ち」

「即答しないパターンだったんだ……」

少し意外そうな顔になる東さん。

「まだみいに未練あるのかなぁ……」

「そんな感じには見えなかったけどなぁ……。てっきりOKしてもらえてダブルデート出来るようになってると思ってたのに」

「なんかごめんね」

申し訳なさそうに葵が言う。

「そんな、葵が謝ることじゃないよ」

「俊くんが好きな人、みい以外に誰か候補いるのかなぁ……」

「こういう時は男同士の方が話しやすいだろうから、隼人に頼んでみようか?」

「……でも聞くの怖いから、もうしばらく様子見しようかな。告白されてビックリしただけかもしれないし」

「幼馴染に告白されたわけだし、ビックリしたってのはあり得るね。いつでも相談乗るからね」

「ありがとう、李璃」

⸻

「俊、ちょっといいか?」

放課後、隼人が声をかけてくる。

「どうした?」

「葵と喧嘩でもしたのか?」

「へ?」

予想外な質問に思わず変な声が出てしまった。

「いや、なんかいつもの二人って感じがしなかったからさ……喧嘩してるわけじゃないならいいんだ」

隼人は告白のこと、東さんから聞いたりしてないんだな。

「別に喧嘩なんてしてねえよ。ただ……」

「ただ……なんだよ?」

「いや、なんでもない」

昨日葵に告白されて、今日一日中葵のことばっか考えてたなんて相談出来るわけがない。

「なんだそれ?気になるじゃん」

「なんでもねえよ。心配させて悪かったな」

「あ、ああ。気にすんな」

「じゃあ、俺帰るわ」

「ああ、また月曜日な」

隼人だし告白されたことは話してもいい気はしたが、なんか気恥ずかしくて言えなかった。

返事をしていないだけに、なんか言いづらいってのもあった。

隼人に恋愛相談ってあんま気が乗らないんだよなぁ。

あいつ今ラブラブだし……。

「俊太」

いつも通り?下駄箱前で結衣先輩に声をかけられる。

「あ、結衣先輩」

「大丈夫か?」

心配そうにこちらを見る結衣先輩。

「え?」

「なんか考え事をしているように見えたんだが……」

ほんとこの人鋭いなぁ。

「えーっと……」

「話ぐらいならいくらでも聞くぞ」

そう言われても、恋愛相談でさらに葵に告白されてって話を結衣先輩にするのもなぁ……。

「ちょっと言いづらい話なんで……」

俺は言葉を濁《にご》してやり過ごすことにする。

「……そうか。無理に話す必要はない。無理強いするつもりはないから」

「……すみません」

「俊太が悪いわけじゃないんだから気にするな。考え事もいいが、気をつけて帰るんだぞ」

「はい、失礼します」

結衣先輩に心配されるぐらい悩んでる顔になってたのか。

葵への返事も早くした方がいいんだろうけど、俺は自分で誰のことが好きなのか分からなくなっていた。



葵に返事を出来ないまま、過ごしていた週末の日曜日。

俺は気分転換に本屋に行った。

特に目的もなく行ったため、すぐにすることがなくなり本屋を出る。

そこへ――

「俊太」

聞き覚えのある声に呼ばれて振り返る。

「結衣……先輩?」

「なんでそんなぎこちない言い方なんだ」

「……いつもと服装が違うので」

スポーティーな服装か制服姿は見慣れていたが、今日の結衣先輩はカジュアルな服装にニット帽を被っていた。

「……そんなに変か?」

少し残念そうに呟く結衣先輩。

「い、いえ、そういう意味では……。ただ、いつものスポーティーな服装じゃないので、ビックリしただけです」

「……そうか。私も大学生になるから、少しイメチェンってやつをしようと思ったんだ」

「凄く似合ってます」

いつもと違う服装ってのもあってか、とても新鮮な気持ちになった。

「……そうか。ありがとう」

少し照れ気味になる結衣先輩。

「結衣先輩って、なに着ても似合いますね」

「それは褒めすぎだ」

赤くなる結衣先輩。

「結衣先輩はスタイルいいから余計にそう思うのかなぁ」

俺は心の声が思わず声に出てしまった。

「……俊太、そんなに褒めても何も出ないぞ?」

赤くなるだけではなく、少し俯《うつむ》く結衣先輩。

結衣先輩って、こんなに可愛かったんだな……。いや、俺何考えてるんだ。

「……心の声が思わず出てしまいました」

「まったく……。悩みごとは解決したのか?」

「……いえ、むしろ悩みが増えました」

結衣先輩へのこの変な違和感。この感じは前に葵に感じたものと同じな気がする。

「増えたのか……それは大変だな」

「しっかり考えたいので、そろそろ失礼します」

心の声が漏れまくる前に撤退するのが一番。

「あ、ああ。気をつけて帰るんだぞ」

結衣先輩に一礼して俺は家路へと向かう。

この前までは、小野田さんか葵かで悩むだけだったのに、結衣先輩のことをいつの間にか恋愛対象で見てしまっていたのか。

つい先日葵に告白されたばかりだってのに、俺ってこんな優柔不断だったのか?

まぁでも、スタイルも良くて頭も良くて性格もいい、完璧人間な結衣先輩に俺なんかがつり合うわけないんだけど。

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