剣の心
ギエラス道場の中で、僕とトモエは道場主同士の剣道試合を行っていた。
試合が始まると、僕はトモエがキングズトーナメントの時と同じように飛びかかってくるものと思っていた。しかし彼女は全く動かず、堅くも柔軟な構えで静止していた。
アストン(心の中で):これは……なるほど……カウンターを狙っているのか。
トモエ:「来い!アストン!」
彼女の明らかな罠に引っかかるべきではないが、試合を長引かせるのも良くない。
アストン:「わかった……行くぞ、トモエ先輩!」
僕は迅足を使って彼女に接近した。彼女は僕の突然の加速に息を飲んだ。
アストン:「フラシュ・スラッシュ!」
僕は木刀を斜めに振り下ろしたが、彼女は容易くそれを弾いた。
アストン:「くっ!」
トモエはにやりと笑い、滑らかに自分の剣を僕の剣に押しつけた。
トモエ:「見なさい、私の新な技を!海島流・流水受け!」
彼女の剣の先端が僕の肩を狙う。僕は体をひねってギリギリで避けた。
彼女のカウンターの後で隙を見つけた僕は、突きで攻撃を続けた。
アストン:「ソニック・スタブ!」
しかし彼女は自分の木刀の柄で僕の木刀の先端を叩き、攻撃を逸らした。
アストン:「なっ——」
トモエ:「これで決める!海島流・飛沫!」
彼女は下から上へ滑らかに木刀を振り上げ、僕の無防備な胴を狙った。僕は転がってその攻撃を避けた。
僕は体力を回復するために後ろに下がった。そして巴はまだ最初の位置から全く動いていないことに気づいた。
トモエ(にやりと):「いい動きだ、アストン!」
アストン(微笑みながら):「トモエ先輩こそ、すごく上達したね!さすが全国剣道優勝者!」
集中していたトモエは僕の褒め言葉を聞いて突然固まった。顔が赤くなる。
トモエ(緊張して):「か、かたじけない……しかしあなたのイケメンっぷりと甘い言葉で私を狙うなんて!ずるいよね!?そんなのは引っかからないから!」
アストン:「何言ってるんだ、先輩?僕は本気で尊敬してるよ。先輩の努力、汗、頑張りが今の強さを作ってるんだ!だから僕は本当に尊敬してるぞ、トモエ先輩のこと!」
トモエは僕の真剣な言葉を聞いてさらに顔を赤くした。
トモエ(動揺して):「や、やめてくれ、アストン!試合中にそんなこと言うなんて!」
ステラと叔父さんは僕たちが戦う代わりに口論しているのを見て、ステラは目を細めた。
ステラ:「お父さん……」
叔父さん:「何だ?」 *お茶を飲みながら
ステラ(呆れて):「これって道場主同士の試合のはずだよね?」
叔父さん:「そうよ……」
ステラ(苛立って):「じゃあなんで二人はあんなにイチャイチャしてるの!?」
叔父さん:「本当か?」
僕が彼女への本心を全て伝えた後、僕は再び木刀を構えた。
アストン:「正直に言うと、先輩と剣道の試合ができるなんて本当に光栄です!」
トモエ(赤面して):「そうかな?って!褒め言葉はもうよせ!」
アストン(真剣に):「褒め言葉じゃない、本当のことだ……そして今、先輩の名誉ある挑戦に応えるために、僕の全ての技を使って先輩を倒す……」
トモエは息を飲み、目を見開いた。
アストン:「本気出すよ…… 行くぞ、トモエ先輩!」
僕は構えを崩さずにゆっくり彼女に向かって歩み寄った。
叔父さんは僕が本気になったことに気づき、にやりと笑った。
ステラ:「もう〜、やっと試合が続けた!でもおにぃの動きが前より遅いよ……本当に勝つつもりなの?」
叔父さん:「逆だぞ、ステラ……」
ステラ:「え?逆?どういうこと?」
叔父さん:「よく見てみろ。すぐに分かる。」
もう一度カウンターを狙う構えを取っていたトモエは、ゆっくり近づいてくる僕を見て冷や汗をかいていた。
トモエ(心の中で):次はどう動く?大きな振り?突き?それとも——
彼女が考え込んでいる間に、僕は彼女の攻撃範囲内に入っていた。
トモエ:「なに!?わざと私の攻撃圏内に入ってきた!?くっ!考えすぎる必要はない!今だ!」
トモエはようやく動いて攻撃を放った。
トモエ:「海島流・裂波!」
彼女は水平に剣を振り、僕の側面を狙った。
僕は迅足で攻撃を避け、彼女の背後に回った。
トモエ:「そんな!?」
アストン:「ギエラス流・狼牙突き……」
僕は両手で木刀をしっかりと握り、彼女の背中に素早い突きを放った。
トモエ:「くっ!海島流・受け身!!」
彼女は素早く振り向き、木刀で僕の突きを防いだ。僕の突きの力で彼女は後ろに押し出されたが、受け身でダメージを完全に無効化した。
アストン(心の中で):「やっぱり来た、彼女の厄介な受け身!」
トモエ:「海島流・流水受け!」
彼女は滑らかに自分の剣を僕の剣に押しつけ、僕の首を狙った。
僕は後ろに飛び、彼女のカウンターをギリギリで避けた。
トモエ:「まだだ!海島流——」
アストン:「させるか!ギエラス流・一刀両断!」
僕は剣の重さを最大限に活かし、握りを緩めて垂直に剣を振り下ろした。
彼女は攻撃を防いだが、僕の力で腕が震えた。
トモエ:「くっ!!」
彼女は距離を取ろうと後ろに下がったが、僕は構えを崩さずに彼女に向かって動き続けた。
トモエ(心の中で):「これがギエラス流!構えを保ったままゆっくり攻めるスタイル!一撃一撃がものすごく重い!まるで止まらない力!どうやって対抗すればいい!?」
彼女が対抗策を考えている間に、僕はさらに近づいた。
トモエ(心の中で):「止まらない力に対抗するには……力を流すしかない!そうだ!流水受けのタイミングを完璧に合わせれば!」
アストン(微笑みながら):「そろそろ終わりにしよう、トモエ先輩!」
トモエ(自信を持って):「ええ!」
僕は息を吐き、最大速度で彼女に突進した。
トモエ(驚いて):「また突然加速!?しかし二度目は私に通用しない!」
彼女は剣を前に構え、完全にカウンターの準備をした。
アストン:「ギエラス流・三頭龍斬!」
トモエ(驚愕して):「なっ——!?」
彼女の視界では、ほとんど同時に三つの連続した斬撃が放たれ、カウンターが不可能になった。
*ガァァン!!
僕の最後の斬撃が彼女の木刀を弾き飛ばした。試合は終了した。
叔父さん(立ち上がって):「試合終了!勝者、ギエラス道場の月刃、アストン・ヘイルファイア!」
トモエは驚いて膝をつき、自分が一方的に負けたことにショックを受けていた。
僕は彼女の隣に跪き、手を差し伸べた。
アストン(にこやかに):「いい試合だったね、トモエ先輩!」
トモエは目を見開き、恥ずかしそうに頭を下げた。
トモエ(震える声で、低く):「私、何が全国優勝者よ……誠に情けない……」
アストン(心配して):「先輩、大丈夫ですか?」
彼女は涙を隠そうと拭ったが、僕は彼女の鼻をすすっているのに気づいた。僕は彼女の肩を優しく叩いて慰めた。
肩を叩いた瞬間、彼女の体が震え、突然息を飲んだ。
トモエ(慌てて):「ちょっ!アストン!触らないで!」
僕はすぐに手を引いた。彼女は僕の触れ方を恋愛的なスキンシップと勘違いして、不快に感じたのかもしれない。
アストン:「ご、ごめん、先輩!」
すると叔父さんが僕たちの元に来た。
叔父さん:「海島さん……うちの道場に来てくれてありがとう。汗だくだから、帰る前にゆっくりお風呂に入っていきなさい。」
トモエ(気まずそうに):「いえ……突然道場破りに来た身で、そこまでお世話になるなんて……」
アストン:「大丈夫だよ、先輩!それに叔父さんは、勇気ある挑戦者が久しぶりに来てくれて本当に嬉しだから!」
トモエ(少し赤面して):「誠か?じゃあ……お言葉に甘えてもいいかしら……」
ステラが巴にタオルを差し出した。
ステラ:「すごい試合だったね、海島さん!女性の剣士が本気で戦うところなんて初めて見たよ!」
トモエ:「え?」
ステラ(得意げに):「あ、すみません!まずは自己紹介ね!私はステラ・ギエラス、ギエラス道場の創始者サイモン・ギエラスの娘です!海島さんをお風呂までご案内します!」
トモエ:「か、かたじけない、ステラちゃん!」
ステラ:「どういたしまして!風呂場のドアの前で待ってるから安心してください!」
トモエ:「そんな、そこまでしなくても……」
ステラ(小声で):「いいえ、大丈夫です!うちのおにぃは変態だから、海島さんがお風呂中に覗くかもしれないよ!」
トモエ(赤面して):「え!?あのアストンが——!?」
僕の発情期の獣のような姿を想像して、彼女の顔は真っ赤になった。
彼女は僕の方をちらりと見た。僕は困惑した笑顔で返した。
ステラ:「ギエラス道場の名にかけて、絶対にドアを守るから!」
トモエ:「え、ええ!かたじけない、ステラちゃん!」
トモエとステラがお風呂に向かった後、僕は叔父さんと一緒に道場を片付けた。
夕方になり、トモエはようやく帰る準備ができた。
トモエ(お辞儀して):「今日の試合はとってもいい経験でした!いろいろ誠にかたじけない!ギエラス道場の素晴らしさをみんなに伝えたいと思います!」
叔父さん:「いやいや……そこまでしなくてもいいですよ、海島さん……」
トモエ:「え、どうしてですか?こんな素晴らしい道場なのに!みんなに知ってもらわないと!」
僕は彼女に近づき、叔父さんが道場を有名にしたくない理由を説明した。トモエは納得した様子で頷いた。
トモエ:「なるほど……名声や栄光を求めていないんですね……失礼しました、ギエラス殿!やっぱり私の考え方はまだ未熟です!」
叔父さん:「まあまあ、自分を責めすぎるな!君はまだ若いんだから!これから成長する時間と機会はいくらでもあるぞ。」
トモエは感銘を受け、微笑んだ。
トモエ:「はい!ご指導で誠に感謝する!」 *お辞儀
ステラ:「またうちの道場に挑戦しに来てね!」
トモエ(微笑みながら):「もちろんよ、ステラちゃん!」
彼女に手を振って見送った後、彼女は決意に満ちた笑顔で歩き去った。
トモエ(心の中で):やっぱり私はまだまだ成長の余地がある!道場破りの本来の目的は頭の中の彼を振り払うことだったのに……結局、彼が私の剣の道をさらに磨く新しい目的をくれた!さすが私の心を掴んだ男だわ!
彼女は手を上げ、拳を強く握った。
トモエ:「よーし!もっともっと鍛えて、最強の女剣士になる!待ってて、アストン殿!あなたを倒したら絶対に私の夫にしてあげる!!」
家の中の自分の部屋で、僕は突然くしゃみをした。
アストン(疲れた声で):「ハックション!うう……やっぱり少し休まないと……」
星が空を彩る中、若い剣士の少女は嬉しそうにスキップしながら駅に向かった。剣の道を歩み続ける新しい目的を見つけて。
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第92章 剣の心 完




