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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
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黄金の王子 vs 破壊者

試合が始まると、二人の闘士が激しくぶつかり合う。フリックがセトレの木刀を左腕で受け止め、セトレがフリックの拳を左の手で掴む。


アナスタシア:「なんて力だ!? 両者、最初から全力を出している!!」


フリックが拳の連打を続け、セトレも剣のコンボで応戦。お互いの攻撃を予測しながら連続でぶつかり合う。


観客が興奮の叫びを上げる。観客席では、僕とエリセナがHQから戻って試合を見守っている。


アストン:「もう始まってるのか!」


エリセナ(心配):「セト……まだ傷が治ってないのに? 無理しすぎないといいけど……」


アストン:「どうだろうな。フリックの強さを考えると……セトレが限界まで自分を追い込まないと勝てないだろう。」


エリセナ:「でも……」


ほぼ1分間、攻撃を予測し合いながらぶつかり合った後、二人はスタミナを回復するために後退する。


セトレ:「息が上がってるぞ、ゴリラ野郎!」


フリック:「それは俺のセリフだ、キラキラ野郎!」


セトレが息を整えている隙に、フリックが近くの石の梁を両腕で持ち上げる。


アナスタシア:「なんて凄まじい力だ!? 石の梁は100kg以上あるんだぞ!! フリックはそれを軽々と持ち上げている!!」


セトレ:「ちっ! このクソゴリラ!」


フリックが石の梁を回転させながらセトレに向かって振り回す。


フリック:「うおおおおお!!!」


セトレ(心の中で):「直撃は受けられない!」


彼は近くの石柱に走り、立ち上がった石柱を盾として使う。


フリック:「無駄だ!!」


フリックが全力で石の梁を振り下ろし、セトレを盾にしていた石柱を破壊する。


石柱が壊れると、上から岩の破片が落ちてくる。


フリック(驚き):「これは!?」


セトレ:「このバカゴリラ! 俺の罠に引っかかったな!!」


フリック:「ちっ! 狡猾な野郎め!」


フリックが石の梁を落とし、落ちてくる岩を避けるために後ろへ跳ぶ。岩が砂の地面に当たると、砂と埃が爆発的に広がる。


セトレ:「効いたか? 何も見えないぞ!」


すると背後から——


フリック:「攻撃拳:炎!」


セトレ(驚愕):「なっ——!?」


炎の拳が迫る中、セトレが体を前にかがめてかわす。


その後、セトレが距離を保つために横へ跳ぶ。


フリック:「その動き……どこかで見たことがある……」


セトレ:「は? 何を言ってるんだ?」


フリック:「そうか……あいつか。アストン・ヘイルファイア。お前は今、あいつの動きを真似したんだろ?」


セトレ:「何!? 俺があいつの動きを真似してるだと!? あの凡人が!!」


フリック:「ああ……そしてお前が一度あいつに負けた事実が、お前が無意識にあいつの影を追いかけて動きを真似してる証拠だ。恥知らずのコピーキャット野郎め!」


セトレ:「馬鹿な!!この俺があんな程度に自分を落とすわけがない! グレッグソンとしてのプライドがある!!」


フリック:「ならお前の本当の力を見せろ! 友達から借りた力じゃなく、お前自身の力で!!」


セトレ:「お前は何も知らない!! キングズ・オーラ!!」


黄金のオーラがセセレの体から爆発的に広がる。


アナスタシア:「来た! 黄金の王子の必殺技、キングズ・オーラだ!! 遠くからでも王者のオーラがアリーナ全体に広がっているのがわかる!!」


フリックが興奮でニヤリ。


フリック:「ようやく安心できる……お前の全力で倒せるんだからな!」


セトレ:「ただの野蛮人が王に挑むだと?! 自分の立場をわきまえろ、ゴリラめ!」


試合がさらに激しくなる。二人の闘士が本気でぶつかり合う。セトレの黄金のキングズ・オーラが体を包み、フリックがストームヘッジ流の構えを取って集中する。


セトレ:「見るがいい! 王の真の力だ! 俺の前に立つ者などいない!!」


フリック(ニヤリ):「へっ……面白い! お前が誇りに思うその力、俺が粉々にぶっ壊してやる!!」


セトレ:「愚かな凡人! 真の王に挑んだことを後悔させてやる!!」


セトレが木刀を高く掲げる。黄金のオーラが刃に集まり、神秘的な光を放つ。


観客がその神秘的な光景に息を飲む。試合を見ていたアストンとエリセナが慌てて立ち上がる。


エリセナ:「あのバカセト! まさか——」


アストン:「また魔法を使おうとしてるのか!?」


だが観客は恐怖ではなく、畏敬の念で呆然とする。何人かがスマホでその神秘的な光景を録画し始める。


観客1(感嘆):「これは……!?」 *録画開始


観客2(驚き):「本物か!? 彼の力が目に見える形で投影されてる!」


観客3:「まるで本物の魔法だ!」


以前、僕との戦いでセトレの魔法を見た生徒たちが、新しい可能性に心を開き始める。魔法という未知の力にまだ恐怖を感じる者もいたが、その荘厳な光景は彼らの心を動かした。


すると元ファンの一人が大声で応援を始める。


元ファン女子:「セトレ様!! がんばって!!」


セトレがその声に気づき、信じられない思いで息を飲む。


もう一人の元ファンが負けじと、手作りのセトレ応援うちわを掲げる。


元ファン女子2:「セトレ様!! 私はあなたのナンバーワンファンです!! そのゴリラをぶっ潰して!!」


セトレが大胆な応援に笑い、自信が頂点に達する。


セトレ:「いいだろう! 見せてやる! すべての者を圧倒する俺の真の力を!!」


侮辱的な応援を聞き、サマンサが歯を食いしばって叫び始める。


サマンサ:「ボス!! あなたがどれだけ強いか一番わかってる! 本当の力を見せて、あいつらを黙らせてくれ!!」


ヤンキー1:「がんばれ! ボス!!」


ヤンキー2:「奴をぶっ倒せ! ボス!!」


フリックが彼らの大声の応援にニヤリ。


フリック:「なんてうるさい連中だ……」


アナスタシア:「両者ついに本気モード! さて、誰が最初に一撃を決めるか?!」


セトレ:「いくぞ、ゴリラ野郎!」


フリック:「来い! キラキラ野郎!」


一瞬でセトレとフリックがその場から消え、アリーナ中央で激しくぶつかり合う。お互いの攻撃を予測し合いながら、さらに速く——観客の目が追いつかない速さで攻撃を交わす。


セトレ&フリック:「うおおおおおおお!!!」


アナスタシア:「なんて激しいな戦いだ!! 破壊者も黄金の王子も一切の隙を見せない!!」


セトレがニヤリと笑い、木刀を高く掲げる。


セトレ:「ジャスティス・スラッシュ!!」


フリック(驚き):「なっ——!?」


黄金の斬撃波が空を切り、フリックに直撃しそうになる。彼が最後の瞬間に回避。


機会を逃さず、フリックが強烈な拳で反撃。


フリック:「攻撃拳:青炎!!」


セトレ(驚き):「くそっ!」


彼が木刀で青い炎の拳を受け止める。魔法の力で強化された木刀は鋼のように硬く、フリックのフルパワー攻撃に耐える。


フリック:「馬鹿な?!」


二人がようやく息を整えるために後退する。お互い、単純な力の勝負では決着がつかないことを悟る。


セトレ(心の中で):「あいつの反射神経は異常だ! あんな至近距離から俺のジャスティス・スラッシュをかわすなんて!! クソゴリラめ!」


フリック(心の中で):「ちっ! あいつの魔法の力が面倒だ! まさか俺の最強の攻撃拳まであいつの木の棒すら割れないなんて!?」


深く息を吐いた後、二人がお互いに微笑む。今度は純粋な敵意ではなく、互いへの敬意が瞳に宿る。


激しい戦いにもかかわらず、スタジアムの興奮はさらに高まる。


セトレ(誇らしげに):「ゴリラ野郎! 認めてやる! お前の強さは俺が予想した以上に上だ! だが試合の勝者は一人だけ! そしてお前を踏み台にして、俺は玉座に辿り着く!!」


フリック(ニヤリ):「へへっ! キラキラ野郎! 正直に言うと、魔法を使える奴と戦うのは初めてだ! 俺が有利とは言えないが……俺の力で……すべてを乗り越えてやる!!」


互いの強さを認め、新たな決意を持って試合が続く。


フリックが何度も跳ねて構えを調整し、自信たっぷりにニヤリ。


フリック:「いくぜ!」


彼が最大速度でセセレに向かって突進。セセレが面白そうに笑う。


セトレ:「直接俺に来るのか?! 面白い!」


フリック:「くらえ! オングバク・ニー・キック!」


セトレ:「接近戦は俺には通用しない!ジャスティス・スラスト !」


フリックが空中で体勢を変え、セトレの剣攻撃をかわし、コンボを狙う。


セトレ:「ちっ!」


フリック:「テコンドーキック + カンフーバックブロー!!」


セトレが胴体へのキックをガードするが、次のバックブローによる顔面への直撃を避けられない。


セトレ:「がっ!?」


一撃で吹き飛ばされ、石柱に激突する。だがフリックは止まらず攻撃を続ける。


フリック:「流れる拳:波打水!!」


彼が優しい掌打の連打を続け、セトレの血流を弱めようとする。だがセトレのオーラが体全体を殻のように守り、優しい掌打は防御を貫けない。


セトレ:「そんな弱い攻撃で俺を倒せるとでも思ってるのか?! 舐めるな!!」


セトレのオーラが再び爆発し、フリックを後ろへ跳ばせる。


フリック:「ちっ! 俺の流れる拳も効かないのか?!」


セトレが再び木刀を掲げる。黄金のオーラが刃の先に集まる。


フリック(目を見開く):「これは!? まずい!」


セトレ:「今だ! ジャスティス・スラッシュ・コンボ!!」


彼が素早く剣を振り、黄金の斬撃波をフリックに向かって連続で放つ。


フリックが石柱の後ろに隠れて身を守る。セトレのジャスティス・スラッシュ波が石柱に連続で当たる。


セトレ:「はははは!! ほらどうした、ゴリラ野郎!? さっきの強がりはどこに行った!?」


フリック(心の中で):「ちっ! 魔法攻撃を連発されたら近づけない! 魔法が尽きるのを待つしかないのか!」


だが石柱がもう持たない。するとフリックにアイデアが浮かぶ。


セトレが最後のジャスティス・スラッシュで石柱を切り倒すと、石柱が地面に落ち、砂が広がる。


セトレ(息を切らして):「はあ……はあ……やったか?」


すると突然、石柱が彼に向かって飛んでくる。


セトレ(目を見開く):「まさか!? ジャスティス・スラッシュ!!」


最後の瞬間に剣で石柱を切り裂く。だが切り裂かれた飛ぶ石柱の後ろから、フリックが迫ってくる。


アナスタシア:「なんて戦法だ!? 一瞬、投げられた石柱のように見えた! だが違う!! 彼は石柱を抱えたまま前方へ跳び、魔法攻撃から身を守る盾として使った!! なんて狂った適応力!!」


セトレ(驚愕):「このクソゴリラ!!」


フリック:「へっ! 今だ! 飛び蹴り:竜巻!!」


先ほどの跳躍の勢いを利用し、セトレの周りを浮遊しながら背後から顔面を蹴る。その浮遊移動はセトレがブロックできないはずだった。


……はずだったが。


セトレが左腕で左側をガードし、剣で右側をガードする。フリックの浮遊キックはどちらでもブロックされる。


フリック:「この野郎!!」


セトレ:「はははは!! お前の小細工はこの俺が、王には通用しない!!」


フリックが体勢を立て直そうとする隙に、セセレが両手で木刀を持ち、突進。


フリック:「まずい!」


セトレ:「これで終わりだ! 王の王剣の力を味わうがいい!!」


刃が輝き、黄金の光が空を貫く。目撃した全員が呆然とする。


フリック(心の中で):「これが魔法の力か?! くそっ! なんて美しいだ……」


セトレ:「くらえ! ヘブンズ・セイバー!!!」


僕が立ち上がり、セトレの最強攻撃を見て叫ぶ。


アストン:「まさか! あの攻撃!? フリックを殺しかねない!!」


エリセナ(慌てて):「そんな!」


フリックが最後の瞬間に全力で防御する。


フリック:「固い防御う:ダイヤモンド!!!」


セトレの全貫通剣、ヘブンズ・セイバー と、フリックの全防御盾、固い防御う:ダイヤモンド。二つの強大な力が正面から激突する。


セトレ&フリック:「うおおおおおおおお!!!」


*ドカアアアアン!!!


輝く剣が最硬の防御にぶつかり爆発。二人の闘士が壁に向かって吹き飛ばされ、激突する。


観客がそんな壮絶な戦いに顎を落とす。アナスタシアすらコメントできない。


全員が沈黙し、誰が最後に立っているかを見守る。


埃が晴れると、セトレとフリックがまだ立って向き合っている。


フリック(弱々しく):「いい試合だったぜ……キラキラ野郎……」


セセレ(弱々しく微笑む):「それは……俺のセリフだ……ゴリラ野郎……」


突然、セトレが膝をつき、マナの消耗で全身が痛む。


セトレ(痛み):「うぐっ!」


だがその直後、フリックの巨体が地面に倒れ、意識を失う。


審判が近づき、二人の状態を確認。そしてアナスタシアに合図を送る。


アナスタシア(興奮):「そしてキングズ・トーナメント準決勝一回戦の勝者は……黄金の王子、セトレ・グレッグソンだ!!!」


観客が歓声を上げ、拍手する。セトレが剣で体を支えながら立ち上がり、空に向かって叫ぶ。


セトレ(叫び):「うおおおおおおお!!!」


僕はその最後の叫びを見て微笑むが、エリセナは息を無駄にしていると思った。


元ファン女子1:「セトレ様万歳!!」


元ファン女子2:「勝利だ! セトレ様!!」


サマンサとヤンキーグループが沈黙する。彼らのボスがついに敗北したことを信じられない。


サマンサ:「ありえない! 私たちのボスが……彼は最強なのに……」


ヤンキー1:「確かにボスは最強だ、姉御……」


ヤンキー2:「え、だが魔法という謎の力相手じゃ……」


ヤンキー3(泣きながら):「それでも不利な状況で……ボスは最後まで勇敢に戦ったよ!」


サマンサがフリックの奮闘を理解し、悔しさの中でも微笑む。


サマンサ:「そうだな、お前らの言う通りだな!」 *目が潤む


その後、救護チームが二人の闘士を回復のため保健室へ運ぶ。


セトレのベッドの横で、柚子が涙目で彼の手を握る。


セトレ:「ユズ?」


ユズ:「セトレ様……やっぱり、あなたがこんなに傷ついているのを見るのは耐えられない……」 *泣き始める


セトレ:「すまない、柚子……だがこの戦いは……俺にとって必要だったんだ……グレッグソンとしての名誉を、そして男としてのプライドを取り戻すために。」


ユズ:「わかってる……わかってるけど……」 *まだ泣いている


セトレが優しく彼女の頭を撫でる。


セセレ:「ユズ……約束の件だけど、俺は勝ったみたいだから……」


ユズ(慌てて):「もう~……セトレ様! 今はそんな話をするタイミングじゃないよ!」


セトレ:「ようやく泣きを止るんだな……よかった。」


ユズ:「え? もう……セトレ様たら、ずるいよ……」


すると突然、保健室のドアが開く。セトレの元ファン女子たちが大勢で彼を見舞いに来る。


元ファン女子1:「セトレ様!! 大丈夫ですか!?」


元ファン女子2:「私たち、再びあなたを応援することに決めました! セトレ様!」


元ファン女子3:「きゃあああ!! セトレ様!! 包帯姿でもかっこいい!!」


セトレ:「おお……君たち! ようやく俺の元に戻ってきてくれたのか!?」


セトレが元ファンたちに向かって大きく笑うのを見て、ユズが嫉妬で彼の頰をつねる。


その後、彼女が元ファンたちに向かって一歩踏み出す。


ユズ(厳しく):「申し訳ありませんが、セトレ様は現在回復中ですので……皆さん、退室していただけますか?」


元ファン女子1:「え? このちびっ子誰?」


元ファン女子2:「セトレ様を独り占めしたいだけじゃないの!?」


元ファン女子3:「邪魔よ!」


自分のファンたちがユズを侮辱する言葉を聞き、セトレが立ち上がり、彼女たちのところへ歩み寄る。


セトレ:「みんな……彼女の言うことを聞いてくれないか?」


元ファン女子1:「でもどうして、セトレ様?」


元ファン女子2:「私たちはあなたに会いたかっただけで、このちびっ子じゃないわ!」


すると彼が微笑み、ユズの肩をしっかり抱き、半分ハグするようにする。


セトレ:「彼女は青山ユズ、俺の彼女だ。」


元ファンたちが彼の宣言に沈黙する。ユズの顔がトマトのように真っ赤になる。


セトレ:「だから、彼女の言うことを聞いてほしいんだ。いいね?」


ファンたちが無表情で頷き、部屋から出て行く。


セトレ:「行ったな、ユズ……大丈夫か?」


ユズ:「うううっ! 今、恥ずかしさで死にそうよ!」


セトレ:「まあ、君みたいな可愛い彼女がいるんだ……みんなに自慢したくなるのも仕方ないだろ? だめか?」


ユズ:「もう…セトレ様は本当にどうしようもないわ!」


二人が顔を見合わせて優しく笑う。


キングズ・トーナメントは次の試合へ続く。


――


第72章 黄金の王子 vs 破壊者 終

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