未発見の脅威
スレイヤーHQ内で、アストンとエリセナがリシテアに近づく。彼女はコンピューター画面に集中している。
エリセナ(明るく):「リシ先生、遊びに来ました。」
リシテアが顔を上げ、温かい笑顔になる。
リシテア:「あら、ようこそ、二人とも!」
アストン:「リシ先生、悪魔の侵入について……」
一瞬、リシテアが沈黙する。そして微笑む。
リシテア:「まあ……悪魔レーダーは最初、二つの強力な信号を検知したけど、結局それほど強くなかったみたい。私のレーダーがメンテナンス不足かもしれないわ……モルアとグラシアだけで十分対応できるから、安心して。」
エリセナ:「本当? よかった……あの悪魔たちが学園祭をめちゃくちゃにするかと思ったの。」
言葉とは裏腹に、リシテアの表情はまだ不安げ。何かを隠しているようだ。
アストン:「本当にそれだけですか、リシ先生? 何か言いたいことあるんじゃないですか? 理論とか仮説とか……」
エリセナ(困惑):「え? アストン、どういう意味?」
リシテアが深く息を吐く。
リシテア:「さすが不敗のアストンね! 何も見逃さないわ。」
アストン:「お願いだから、そのニックネームはやめてください!」
エリセナ:「待って! 二人とも、何の話?」
リシテアがレーダー検知履歴を見せる。データは最初の3秒間、二つの強力な信号を示し、その後突然弱くなり、検知されなくなっている。
アストン:「これは……」
リシテア:「ええ……最初の信号はとても強かったわ。スヴェグストと同じくらい。でも突然弱くなり、検知されなくなった。」
エリセナ:「つまり?」
リシテア:「二つの可能性があるわ。私のレーダーがメンテナンス不足で故障したか……」
アストン:「もう一匹、スヴェグストと同じくらい強い悪魔が学校に現れた……」
エリセナ(慌てて):「そんな! でも学校は今、学園祭なのに!」
リシテア:「それが理由よ、エリ……彼らの侵入の目的は人間を攻撃することだけじゃない。人々の恐怖と絶望から呪いのエネルギーを集めることよ。」
アストン:「呪いのエネルギー? 昔ネクロムが僕にしたみたいに……」
リシテア:「そう……そして巻き込める人が多ければ多いほど、一気に集められる呪いのエネルギーも増えるわ。」
エリセナ(恐怖):「そんな……そんなの許せない!」
リシテア:「あくまで可能性よ。最悪の事態にならないことを祈りましょう。」
アストン:「リシ先生……」
突然、リシテアのスマホが鳴る。彼女がすぐに取る。
リシテア:「グラシア、状況は?」
学校の屋上で、モルアとグラシアが群衆を見ながらマナ検知で悪魔を探している。
グラシア:「まだ探してるけど、反応がないわ……」
リシテア:「そう……引き続き探して。小さな細部も見逃さないで。」
グラシア:「はい……はい……」
電話が切れる。
グラシアとモルアが捜索を続ける。グラシアはマナ検知を使い、モルアは双眼鏡を使う。
モルア:「リシは何て言ってた?」
グラシア:「引き続き探せ、だって……」
モルア:「相変わらず厳しいね……でもそれがリシらしいぜ!」
二人は学園祭で買ったお菓子を食べながら捜索を続ける。モルアはたこ焼きを食べ、グラシアは好きなアイスキャンディーをかじる。
1時間後、学園祭は順調に続いていた。
キングズ・トーナメントがついに再開し、観客席が興奮した群衆で一気に埋まる。
アナスタシアがステージに上がり、咳払い。
アナスタシア:「さあ、みなさん! ついにトーナメントを続け、学校の王の称号を決める真のチャンピオンを探す! キングズ・トーナメントだ!!」
観客が大歓声で拍手し、次のステージの開始を宣言する。
澄んだ青空と白い雲の下、トーナメントが次のステージへ進むにつれ、学園祭はさらに賑やかになる。
トーナメントが続く中、アナスタシアがいつものようにルールと対戦手順を説明し、闘士たちに新しい挑戦を追加する。
アナスタシア:「王の玉座に近づくにつれ、闘士たちにはもっと多くの挑戦が待っているわ!」
アナスタシアが背後の巨大スクリーンを指す。
アナスタシア:「ここから、アリーナの地形がランダムに特定のテーマに設定されます! 四つの地形テーマがあります!」
彼女が四つのユニークなアリーナ地形テーマを説明:
*草原テーマ:障害物のない広い平原。
*廃墟テーマ:石柱と梁のある岩場。
*森テーマ:茂みと葉に囲まれた木々が密集したエリア。
*水テーマ:浮かぶ丸太を足場にした主に水のプールエリア。
観客が新しい地形テーマの挑戦に様々な反応を示す。
観客1:「草原テーマが一番いい選択肢だな……」
観客2:「いや、実際は闘士の戦い方次第だろ!」
観客3:「うん……ジャガーノートのようなストレートな戦い方の闘士は草原アリーナで大きな有利だけど、水アリーナでは不利だ!」
観客4:「なるほど……自分の有利だけでなく、相手を不利な地形に置くのも作戦の一つだな!」
アナスタシアが手を叩いて注意を引く。
アナスタシア:「さあ、みんな! 準決勝一回戦をすぐ始めましょう! 正直、私も我慢できないわ! 一回戦は誰と誰の対戦か見ましょ!」
彼女がレオンに合図を送る。レオンが同じ興奮で頷く。闘士たちの名前シャッフルが始まる。
10秒後、シャッフルが止まる。
アナスタシア:「そしてキングズ・トーナメント準決勝一回戦は……破壊者、フリック・ストームヘッジ、1-C VS 黄金の王子、セトレ・グレッグソン、1-A!!」
待機室から、セトレとフリックが発表に反応する。
セトレ(心の中で):「あのゴリラやろか? レディ・ソフィアやあの凡人と当たらなくてよかった……あいつは決勝でぶっ潰してやるから!」
フリック(心の中で):「セトレ? おお、あのキラキラなやろか? ダメージ受けた後でも戦えるのか? どうでもいい、俺に挑む奴はみんなぶっ壊す……」
アナスタシアが発表を続ける。
アナスタシア:「もちろんそれだけじゃないわ! 地形テーマのシャッフルも忘れないで!」
地形テーマのシャッフルが始まる。みんなの目が画面に集中。
数秒後、画面が止まる。
アナスタシア:「そしてこのラウンドのアリーナ地形テーマは……廃墟テーマだ!!」
セトレ(自信たっぷり):「廃墟か? フム、俺の王らしい姿にぴったりのアリーナだ!」
フリック:「廃墟テーマだと?……場所は感けね。結局俺が勝つ。」
数分の準備の後、二人の闘士がそれぞれの入り口に立つ。
セトレに付き添う柚子が希望の目で彼の手を握る。
ユズ:「セトレ様……あまり怪我しないでください……」
セトレ:「わかってる……それに、そんな呼び方やめてくれって言っただろ?」
柚子:「え? そうですけど……」
セトレが彼女に微笑み、頭を撫でる。
セトレ:「この試合に勝ったら、素敵なディナーデートしよう、ユズ!」
ユズが「デート」という言葉を聞いて激しく赤面する。
ユズ(慌てて):「デ、デ、デート!? 私みたいな下賤な者と!?」
セトレ:「約束だよ? じゃあ、行くよ!」 *アリーナへ入る
柚子:「セ、セトレ様……はい! 約束します!!」
反対側の入り口では、ヤンキーグループがフリックがアリーナに入るのを応援する。
ヤンキー女子リーダー、サマンサが彼に近づく。
サマンサ:「ボス! あなたが最強だから勝つのはわかってるけど、私たちの応援を受け取ってくれ!」
ヤンキー1:「はい、ボス!!」
ヤンキー2:「私たちはあなたの忠実な部下です、ボス!!」
フリックが彼らに顔を向け、かすかに微笑む。
フリック:「わかったよ! ただうるさくしすぎて集中を乱さないでくれ、やろども……」
ヤンキーたちがフリックが初めて彼らに向かって笑ったことに喜びで輝く。ただサマンサだけが呆然とする。
フリック:「行くぜ……」
フリックがアリーナに入り、ヤンキーグループを残す。
ヤンキー1:「よし、姉御! 席がなくなる前に座ろう!」
ヤンキー2:「姉御?」
だがサマンサはフリックが歩き去るのを見て呆然とする。
サマンサ(心の中で):「ああ……ボス……笑うと本当にイケメン……」
すると一人のヤンキー男子が彼女の肩を掴む。
ヤンキー1:「おい……姉御、聞こえてるか?」
サマンサ(驚き):「ひっ!?」
*BHAAAMM
触れられたことに驚き、彼女は反射的にヤンキー男子を地面に叩きつける。
ヤンキー1:「姉御……」 *気絶
サマンサ:「え?! ごめん! おまえ大丈夫?!」
ヤンキー2:「さすが姉御! 相変わらず強いぜ!!」
二人の闘士がアリーナで対峙する。彼らの自信が燃える瞳から輝く。
フリック:「よお……キラキラなやろ! 綺麗な顔をぶっ潰されて男らしくなる覚悟はいいか?」
セトレ:「ふん……これはゴリラ野郎じゃないか……いつも自分の能力を超えたことをしようとして……85のIQが丸見えだぞ……」
フリック:「へっ……前回の試合でぎりぎりな勝った奴の生意気な言葉だな、おい。」
セトレ:「てめえ……」
審判が間に入る。
審判:「両者、準備はいいか?」
セトレ&フリック:「ああ……」
アナスタシア(興奮):「さあ! キングズ・トーナメント、準決勝一回戦! 破壊者 VS 黄金の王子! スタート!!」
――
第71章 未発見の脅威 終




