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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
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迫り来る闇

キングズ・トーナメントの四回戦の後、トーナメントは準決勝ステージへ移る。興奮した観客が静まり返る中、アナスタシアがステージに上がる。


アナスタシア:「みなさん! デュラン高校の最強八人の素晴らしい活躍を見届けました……そして今、残るは四人の強者だけです!」


巨大スクリーンに残った闘士のプロフィール写真が表示される:


*不敗のアストン・ヘイルファイア、1-B

*破壊者、フリック・ストームヘッジ、1-C

*黄金の王子、セトレ・グレッグソン、1-A

*銀の狼、ソフィア・ヴォルコワ、1-C


アナスタシア:「ここからキングズ・トーナメントは次の段階へ! 準決勝です! みなさん、次のステージの準備と闘士たちの回復時間を確保するため、一時間の休憩を設けます!」


観客がざわつき、闘士たちの体調や、長めの休憩で興奮が冷めてしまうのではないかと議論する。


アナスタシアがニヤリと笑い、黄金の機会だと感じる。


アナスタシア(興奮):「そして休憩時間中は、食べ物やミニゲームの屋台をおすすめします! 手作りファッションやお土産の屋台もありますので、ぜひ訪れてみてください!」


観客が互いに頷き合う。観客としても、興奮を保つためにエネルギーが必要だ。


アナスタシア:「みなさん、デュラン高校学園祭を存分に楽しんでください!」


アナスタシアが発表を終えると、観客がそれぞれ行きたい屋台へ散っていく。


一方、保健室ではセトレがベッドに弱々しく横たわっている。彼が意識は回復したが、力はまだ戻っていない。


ユズ:「セトレ様! 目が覚めてよかったです!」


セトレ:「レディ・ユズ……君がここまで運んでくれたのか?」


ユズ(優しく頷く):「うん……でもウィル先輩も途中手伝ってくれたから……」


突然、セトレが彼女の手を温かく握る。


ユズ(慌てて):「セ、セトレ様!?」


セトレ(弱々しく微笑む):「レディ・ユズよ……いや、ユズ……君の優しさに、心の底から感謝するよ……君の美しい心は、ここにいるどんな美しい女性よりも輝いている……」


ユズ(激しく赤面):「ええっ、セトレ様が私を褒めてる!? なんてこと……」 *完全に動揺


セトレ:「それに、お願いだ……私をそんな呼び方で呼ぶのをやめてくれないか? そんな敬称で自分を卑下してほしくない……」


ユズ:「え!? でも! 無理です! それはあまりにも……セトレ様〜!!」


彼の愛情深いアプローチに圧倒され、柚子は真っ赤な顔を覆いながら保健室から走り去る。


セトレ:「待ってくれ! ユズ……」


彼が体を起こして座り、困惑した表情で残される。


セトレ(心の中で):「なんで彼女は俺を置いて行ったんだ? まさか! また俺が台無しにしたのか!?」


彼は幼馴染のエリセナに拒絶された過去のトラウマを思い出し、その後彼はちゃんと休めなかった。


すると保健室のドアが再び開く。


セトレ:「ユズ!」


だが柚子ではなく、僕だった。


アストン:「よ!」


セトレ(驚き):「お前! なんでここにいるんだ!?」


アストン:「実は、俺だけじゃないよ……」


僕の後ろからスレイヤーズの女子たちが姿を現す。


エリセナ:「セト、具合はどう?」


モルア:「やあ! セト坊! よく戦ったな!」


セトレ:「おお、我がレディたち!! みんなが訪ねてきてくれるなんて光栄だ!! そしてお前、アストン、消えて俺の時間を楽しませてくれ!」


エリセナ:「うわ……また始まった……」


アストン(気まずく笑う):「そんなこと言わないでくれ、セトレ。俺たち友達だろ?」


セトレ(衝撃):「友達!? 自分の立場をわきまえろ、凡人!」


アストン(がっかり):「そうか……」


僕のがっかりした表情に気づき、グラシアが僕の前に出てセトレに向き合う。


グラシア(冷たく):「この傲慢な馬鹿……よく聞きなさい。私たちはアストン本人の頼みでここに来たのよ。彼を無視するなら、私たちも訪問をキャンセルするわ……行きましょう、みんな!」


エリセナ(淡々と):「グラシアの言う通りよ……セトを一人にしておきましょう。」


モルア(眉を上げる):「まあ、あんたは他人を見下ろせるくらい元気みたいだが……」


セトレ(慌てて):「待って! お願いだ! 待ってくれ! レディたちを無視するつもりはなかった! 置いていかないで、お願い!!」


彼はようやく僕の訪問を受け入れることに同意する。


学校の校庭では、学園祭が活気づき、さらに来場者が増え続ける。地元住民、近くのオフィス、他の学校からまで。


来場者の中に、平らなキャップをかぶった小さな男の子と、フリルのドレスを着たふっくらしたツインテールの少女が学校に入ってくる。


小さな男の子(渋々):「くそ……人混みを見ろ……無理すぎる……」


ふっくらした少女:「でもここって、美味しいお菓子の匂いがするわよ! わあ……どこから行こうかしら?」


小さな男の子(真剣に):「キャンディス……僕たちはバカンスに来たんじゃないだろう。任務を早く終わらせて、さっさと帰ろう。」


キャンディス:「えぇ? いやよ!せっかく ここまで来たのに、このお菓子の楽園なのよ! ロイドのけち!」


突然、小さな男の子の頭にテレパシーで声が響く。


女性の声:「ロイドちゃん……呪いのエネルギーをできるだけ収穫しなさいよ……あの男みたいに失敗しないでね! <3」


ロイド:「わかってるよ、あの頑固な奴と一緒にしないで……そして僕にちゃんづけをやめて!」


女性の声:「あらあら……小さくてかわいいロイドちゃんがちゃん付けよばれるのはイヤなの?……なら次はもっと大きくなって証明してみたら? ほほほほ!」


ロイド:「このアマ!」


テレパシーの声が突然止まる。ロイドは深いため息をつき、キャンディスがお菓子袋を両手に抱えて屋台を飛び回るのを見守る。


キャンディス(興奮):「ロイド! あの有名なストロベリークレープだ! 買おう!」


ロイド(ため息):「まじに帰りたい……」


スレイヤーHQ内で、リシテアの悪魔レーダーが悪魔の気配を検知する。彼女の目が見開き、詳細を確認する。


彼女はすぐに、僕の隣に座っていたモルアに連絡する。


モルア:「ああ、リシか……」


彼女が通話を受け、軽く頷き、電話を切る。


グラシア:「悪魔?」


モルア:「残念ながら、そうだ。」


エリセナ:「ええっ! 今は学園祭なのに!?」


セトレの目が見開き、悪魔の言葉を聞いて驚く。


セトレ:「悪魔!? まさか、またあのグスタフの野郎か!?」


グラシア:「グスタフ? スヴェグストのことね? 私たちスレイヤーズがすでに倒したから、絶対あいつじゃないわ。」


セトレ(信じられない):「何!? お前たちがグスタフを倒した!? あいつ、めちゃくちゃ強かったぞ!」


モルア(ニヤリ):「じゃあ直接倒した本人に聞いてみたらどうだ?」


セトレ(興味津々):「グスタフを倒した本人?」


セトレの視線がモルアの視線を追い、僕に向く。


セトレ(衝撃):「は!? この凡人がグスタフを倒した!? 本当か!?」


アストン:「もちろん僕だけじゃないよ! みんなの助けがあって、僕が……いや、僕たちスレイヤーズがようやくあいつを倒せたんだ! 特にエリセナ! 彼女の火と雷、めちゃくちゃすごかった!」


エリセナ:「へへ……もっと褒めていいのよ、アストン!」


セトレが信じられない思いで沈黙する。彼が一度簡単に圧倒されたスヴェグストを倒したということは、アストンが自分よりはるかに強いという結論に至る。


その後、モルアとグラシアが仕事に出かける。僕は手伝いを申し出るが断られ、準決勝の準備をするよう言われる。


数分後、僕とエリセナも保健室を離れ、HQへ向かい、リシテアに悪魔発生の詳細を聞く。


一人残されたセトレが、ベッドで頭を下げる。


彼は歯を食いしばり、アストンと自分の力の差と、これまで戦ってきた価値観をようやく理解する。


セトレ(独り言):「ちくしよっ……なんて馬鹿げた……まさかあの凡人、アストンはまた俺を勝つとは……やはり俺なんて、この学校の王になる資格なんて無理かもしれんな……ちくしよっ……ちくしよっ!!」


真実の啓示に打たれ、彼はこれまで戦ってきた自分の強さと価値観を疑い始める。


――


第70章 迫り来る闇 終

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