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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
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転校生

よろしくお願いします!どうか楽しんで読みなさい

学校の門に着くと、ヴァルヨネッセは手を振って僕と別れた。


僕は校舎に向かいながら、掲示板の前に男生徒たちが群がっているのに気づいた。


好奇心から、近くの男子生徒に声をかけた。


アストン:「ねえ、何か大きなニュースでもあるの?」


男子生徒1:「天使が降臨したんだよ!」


男子生徒2:「やっとだぜ! 中途半端な顔の女子ばっかりで飽きてたんだよ!」


アストン:「あはは……どういうこと?」


男子生徒3:「長いふわふわのピンク髪、美しいエメラルドの瞳!! ああ、もう惚れた!」


アストン:「ふわふわピンク髪にエメラルドの瞳!?」


僕は人垣をかき分けて掲示板を覗いた。そこにあったのは——ヴァルヨネッセの入学告知だった。


アストン:「まさか……」


男たちが僕を押し戻し、自分たちで写真を堪能しようとする。


男子生徒1:「俺のクラスに来てくれよな!」


男子生徒2:「夢見てんじゃねえよ! 絶対俺のクラスだ!」


男子生徒1:「なんだと!? 俺のヴァルヨネッセを奪う気か!?」


男子生徒2:「奪う!? 元々俺のものだろ!」


二人のファンboysがヴァルヨネッセの所有権を主張し合って喧嘩を始める。僕はため息をついて、すぐに教室に向かった。


授業開始のベルが鳴り、僕は席について準備をする。先生が入ってきて、1-Bクラスに転校生が来ることを告げた。男子たちは大興奮、女子たちは男子たちの反応にがっかりした様子。


そこへヴァルヨネッセが優雅に教室に入ってきた。女子たちでさえ息を飲むほどの美しさ。


女子生徒1:「アイドルみたいにキラキラしてる!」


女子生徒2:「めっちゃおしゃれ!」


先生(咳払い):「デュラン高校へようこそ。自己紹介をお願いします。」


ヴァルヨネッセ:「ありがとう、先生! 私はヴァルヨネッセ・ターコイズ・ヴァイオレット、海外からの転校生です! みんな、よろしくね!」 *ウィンク


そのウィンクに、僕以外の男子全員が心を奪われた。僕は本で顔を隠して気づかれないようにしたけど……彼女がこのクラスに来たのは僕のせいだ。


ヴァルヨネッセが僕に向かって手を振ると、教室中の男子の視線が刺さるように感じた。


休み時間、男子たちがアリのように彼女を取り囲む。でもヴァルヨネッセは余裕でかわす。さすがサキュバス、男心を弄ぶのはお手の物だ。


エリセナが僕を真剣な目で見つめてきた。


エリセナ:「君、あの子と知り合いみたいだけど……どんな関係?」


アストン:「ただの友達だよ。どうして?」


エリセナ:「な、何でもない! ただ気になっただけ! 彼女のこと、もちろん!」 *安堵の笑み


アストン:「興味あるなら、昼休みに紹介してあげようか?」


エリセナ:「子供扱いしないで! 自分一人で自己紹介できるわ!」


アストン:「はいはい。がんばってね。」


エリセナ:「もー……からかわないでよ!」


遠くからヴァルヨネッセは僕とエリセナの距離に気づき、胸に得体の知れない感情が湧いたが、気にしないことにした。


授業が終わり、昼休みのベルが鳴る。ヴァルヨネッセが僕の席にやってきた。


ヴァルヨネッセ:「アストン! 私と一緒に昼食を食べる栄誉を授けよう! 断ったら処刑よ! おほほほ!」


アストン:「マジかよ……」


そこへエリセナが声をかける。


エリセナ:「ヴァ、ヴァルヨネッセ!」


ヴァルヨネッセ:「あら、アストンのお友達?」


エリセナ:「うん! エリセナ・シルベストン! よろしぷ——」 *どもった


アストン:「ぷっ……」


エリセナが可愛く頬を膨らませ、恥ずかしさで目が潤みながら僕を睨む。僕は必死に笑いをこらえて息を吐いた。ヴァルヨネッセは微笑んでエリセナの手を取る。


ヴァルヨネッセ:「光栄ですわ、エリセナ! アストンの友達は私の友達よ!」


エリセナ:「本当!? じゃあ友達になって、ヴァルヨネッセ!」


ヴァルヨネッセ:「うふふ!」


挿絵(By みてみん)


僕は二人の可愛いやり取りに微笑んだ。ヴァルヨネッセはエリセナを昼食に誘い、エリセナは新しい絆に興奮しながら頷いた。


屋上では、長い青髪のスレンダーな少女が立っていた。雪のように白い肌、鋭い紫の瞳で下のヴァルヨネッセを見下ろす。手すりに肩を預け、アイスキャンディーを食べている。


青髪の少女:「悪魔の王女が人間のフリか……つまらないわね。」


そこへ男子生徒が近づく。


男子:「グラシア!」


グラシアは振り返りもしない。完全に無関心。


グラシア:「やだ。」


男子:「え? まだ何も言ってないのに——」


グラシア:「……」


男子は諦めきれず勇気を振り絞って告白。


男子:「初めて会った時から好きでした! 付き合って——」


グラシア:「いや。」


グラシアはアイスの棒をゴミ箱に放り投げ、振り返ることなく去っていく。


男子は膝をつき、心が砕け散る。


男子(死んだ目):「死より冷たかった……」


グラシアは空を見上げ、手をコートのポケットに突っ込み、真剣な目で呟く。


グラシア:「まあ……もし問題を起こすようなら、私が片付けるわ。」


翌日、学校へ向かう途中、赤ん坊の頭上に死の時計が見えた。タイマーは【00:15:63】。


母親は友達と話に夢中で気づいていない。


僕はそっとベビーカーを押して移動させた。死の時計が消える。


直後、トラックが元の位置に突っ込んでくる。


母親はパニックになるが、ベビーカーが別の場所にあることに気づく。


母親:「私の赤ちゃん! 生きてる! ありがとう、神様!」


母親は近くにいたホームレスのおじさんを救世主と勘違いした。おじさんは困惑。


母親:「私の赤ちゃんを助けてくれてありがとうございます!」


ホームレス:「え? 俺は——」


母親が札束を渡すと、おじさんの目が輝く。


ホームレス:「そう! そう! 俺が助けたんだ!」


母親(感謝):「大した額じゃないけど、これで感謝の気持ちを受け取ってください!」


ホームレス(ニヤリ):「へへ! もちろん! ありがとう、心優しいお嬢さん!」


僕はその結末を聞いてくすりと笑い、学校へ向かった。


最初は怖かった。誰かの死の時間がわかるなんて。


今は日常の一部になった。時には一歩動かすだけで済む。特に気づかれない方が楽だ。


要するに、数分先が見えれば、計画を立てられる。


学校でも、欄干に危なく寄りかかる不注意な生徒の頭上に死の時計が見えた。僕は肩を叩く。


アストン:「気をつけろよ。床、滑るぞ。」


生徒は掃除中の清掃員に気づき、後ずさる。


僕は窓に映る自分を見つめ、考える。


アストン:「もしまた僕に死の時計がついたら……生き延びられるかな?」


――


第4章 転校生 終

読んでくれてありがとうございます!もしお気になりましたなら、それはなによりです!どうかぜひブックマークしてください!

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