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魔族のお姫様

なにか間違いとか足りないとか、ぜひコメントしてください!

挿絵(By みてみん)

不安が僕を襲った。ここまで駆け上がってきたのは間違ったのか?でも、そうしなければ、あの空飛ぶ少女を救えない。


扉の向こうから、悲痛な叫び声が聞こえた。


少女の声:「キャーッ!!」


アストン:「考える暇はない!動け!この力に後悔は残さない!」


僕は覚悟を決め、命を懸けてこの決断を下した。後悔しながら生きるより、死ぬ方がましだ!


扉を開けると、屋上には誰もいなかった。左右を見渡したが、誰もいない。


そして、空から――


翼の少女:「きゃあああ!!!」


顔を上げると、二人の女が目もくらむような速さで戦っていた。黒い翼の少女は反撃できず、仮面の女の容赦ない攻撃をかわすことしかできなかった。


仮面の女:「私を倒すには10年早い!この忌々しい悪魔め!降参しろ!」


翼の少女:「もう止めなさい!いったいなぜ私を攻撃するんですか?! 理解できないわ!」


仮面の女:「お前は悪魔だからだ!!」


仮面の女は短剣のような武器を投げつけた。一撃ごとに翼の少女の動きが鈍くなった――まるで刃に毒が塗られているかのように。


ついに、翼の少女は倒れ、動けなくなった。頭上の死の時計の針が速まり始めた――死が迫っていた。


僕は次の短剣から彼女を守ろうと、前へ駆け出した。もし当たれば、彼女は死んでしまう!


仮面の女:「おい!!お前!!手を出すな!!」


アストン:「止めろ!彼女はもう動けない!このままだと殺してしまう!」


仮面の女:「だから何だ?!悪魔はみんな死ぬべきだ!なぜ彼女を守るんだ?!まさか…お前も悪魔か!」


アストン:「あなた正気か?!そんなに殺したいなら、僕と戦え!」


僕が彼女を挑発したのは、死の時計が消えたのではなく、一時停止しただけで、死が数秒遅れたからだ。


仮面の女:「傲慢な悪魔め!さっさとお前を仕留めてやる!!」


彼女は飛び降りて攻撃を仕掛けた。最初の短剣は僕の脚を狙ったが、僕はかろうじて避けた。


死角へ駆け寄ったが、次の短剣は危うく僕の頭を吹き飛ばしそうになり、屋上を転がり落ちた。


仮面の女:「いい動きだ!だがこれで終わりだ!死ね、悪魔!!」


最後の短剣は避けたが、頬をかすめた。麻痺毒が効き始め、僕の体は凍りついた。


アストン:「ちくしょう… 僕はこのまま死んでいるのか…? せめて彼女の命ぐらい…」


突然、聞き覚えのある女性の声が彼らに向かって叫んだ。


女性の声:「そこまでよ!!」


僕はまだ意識を失った翼のある少女を見た。すると、彼女の頭上の死の時計はもう消えていた。


アストン:「よか...った…」


安心した僕は、運命を受け入れた。視界がぼやけた。


ドアの向こうから、見覚えのある女性の声がマスク姿の女に話しかけているのが聞こえた。すぐに意識を失った。


保健室で目が覚めた。ベッドの横に女教師が座っていた。


女教師:「やっと目が覚めた!」


アストン:「先生!どうして?僕は屋上にいたが…そうだ!あの仮面の女は…」


仮面の女:「私はどうした?」


アストン:「え?!まだここにいるの?!」


理解できなかった。なぜ先生とあの暴力的な女が同じ部屋にいるんだ?


アストン:「あの翼の生えた少女!どこにいるの?!」


女教師:「落ち着いて、アストン。彼女なら隣のベッドで休んでいるわ。」


アストン:「休んでいる?!でも、この女が殺そうとしていたんだぞ!」


仮面の女:「うっせな!また気絶させろって?は?!」


女教師:「やめなさい、モルア!あなた、人間を傷つけたくないんでしょう?」


彼女は仮面の女にとても親しいようで、名前まで呼んでいた。


モルア:「知らないやつの前で私の名前を呼ばないでよ、リシ!」


リシ?:「あら、ごめんなさい…でも、親友の名前を呼べないなんて…ちょっと悲しいわ…」


モルア:「リシ…」


リシ?:「モルア…」


二人は、見つめる生徒を無視して、愛情を込めて抱き合った。


アストン:「一体何の状況だこれ?」


鏡を確認すると、僕の死の時計はもう消えていた。翼を持つ少女のも同じ。


リシ?:「彼女は学校が終わるまでここにいるの。麻痺の毒は数時間で切れるわ。」


アストン:「なるほど…ありがとうございます、リシテア先生!」


リシテア:「どういたしまして!さて!今から授業があるの。また後でね!」


アストン:「はい!」



リシテア:「寝てる女の子には触らないでね? <3」


アストン:「えっ?!」


彼女は去っていき、僕は危うく僕を殺そうとした女と二人きりになった。気まずい雰囲気だった。


アストン:「…」


モルア:「で、あんたは人間なのか?」


アストン:「当然だろう!どうしてそう思わなかったんですか!?」


モルア:「あんたがあの悪魔を守ったから…ついそう思ってたんだ…」


アストン:「なっ?! まさか…まだ彼女を殺すつもりか?!」


モルア:「もうしないよ。」


アストン:「え?!どうして?」


モルア:「リシと話し合った結果、彼女を生かしておくことにしたの。それだけだ。」


アストン:「そうか?ならよかった…」


静寂が戻った。


僕は翼持つ少女をちらりと見た。近くで見ると、彼女は見事なピンクのウェーブのかかった長い髪と、豊満な体つきをしている。もし彼女が悪魔なら、人間界に来たのには何か理由があるはずだ。


モルア:「おい…あんた…目がすけべだぞ.」


アストン:「えっ?!違います!そんなつもりじゃ…」


仮面の女は仮面を外し、驚くほど美しい東洋風の顔を露わにした。彼女は僕と視線を合わせた。


モルア:「申し訳ありませんでした!」


アストン:「え?!」


彼女は深々と頭を下げた。


モルア:「私、この力で人を殺さないと誓ったのに…でもあんたを…」と嗚咽した。


アストン:「モルアさん…大丈夫ですよ…頭を上げてください。」


モルア:「うん…」


彼女の目に涙が浮かんだ。見た目は違って、彼女の心は繊細だ。


それでも、彼女の戦闘技術は恐ろしかった。二度と刺激を与えてはいけない。


モルア:「しかし、さっきはあんたの動きは見事だったぞ!あんた訓練したの?」


アストン:「え、ああ… 少しだけですが…」


モルア:「本当か?じゃ、いつか私とスパーリングをしましょうか?!」


アストン:「え?!いいえ、結構です!僕は生きている方がましだ!」


モルア:「え〜? しようよ!ほら!私が手加減するからさ!絶対大丈夫だぞ!」


会話は友好的な雰囲気に変わった。モルアは僕の肩を抱きしめ続け、一緒に練習しようと言い張った。


やがて学校のチャイムが鳴った。もう帰るの時間だ。


モルア:「おっと、もう行かなきゃ。じゃあな、アストンちゃん!」


アストン:「あんな呼び方があるか!」


彼女は窓から飛び降りて姿を消した。


僕は翼のある少女のベッドのそばに座って、彼女が目を覚ますのを待っていた。


翼のある少女:「うう…」


アストン:「あ?!起きたの?」


彼女のエメラルドグリーンの瞳がパチリと開いた。


翼のある少女:「あなたは誰?ここはどこ?いたっ!」


アストン:「動かないで!君の傷がまだ癒えていないよ。僕はアストンだ。君の名前は?」


翼のある少女:「アストン…人間なの?」


アストン:「ああ…君は本当に悪魔なのか?」


翼を持つ少女:「そうですわ!私はヴァルヨネッセ・ターコイズ・バイオレット!ダーク・レルムからのバイオレット姫なのよ!私、この世界で平和に来たのだわ!わ…あぁ!!」


アストン:「無理しないで、ヴァリオネス…」


ヴァルヨネッセ:「ヴァルヨネッセ姫、ですわ!」


アストン:「あ、そう…休んで、ヴァルヨネッセ姫…傷が開くかもしれないよ。」


ヴァルヨネッセ:「アストン、よね?私はこの世界の支配者に会いたいの!今すぐわたしを護衛しなさい! 人間の支配者のお城へ!」


アストン:「え?!そんなの無理だよ!」


ヴァルヨネッセ:「え? どうして?!」


アストン:「ここは人間の世界だ。法律がある。世界の指導者に勝手に会うわけにはいかないよ。」


ヴァルヨネッセ:「…そんな!じゃ…私がここに来たのは無駄だったの?」


彼女はショックを受けて黙り込んだ。


夕暮れが近づいたので、僕はここを去らなければならなかった。


でも、彼女はどうなるの? 彼女を学校に置いていくべきでいいだろうか?


ヴァルヨネッセ:「ちょっと!どこに行くの?」


アストン:「もう帰るよ。君も自分の世界に戻ったほうがいい。」


ヴァルヨネッセ:「うそ!私を一人にするつもり?!」


アストン:「ごめん、ヴァルヨネッセ…でも、夜までに戻らないと僕の家族が心配するから。」


ヴァルヨネッセ:「家族?」


アストン:「そう!家族!だから行かなきゃ。君はまだ自分な世界に戻れないなら、一晩ぐらいここにいて。でも、誰にも見られないようにね!今日みたいなことはまた起こるかもしれないから。」


ヴァルヨネッセ:「わ、わかりましたわ…」


彼女は意外と大人しい。さっきの襲撃がトラウマになっているんだろう。


アストン:「もう行くよ…明日は早く来ったから、また会おうね。じゃあ、ヴァルヨネッセ!」


ヴァルヨネッセ:「ヴァルヨネッセ姫ですわ!!」


アストン:「はいはい…」


僕は急いで荷物を取りに行った。


駅に着くと、電話が鳴った。


アストン:「もしもし?」


発信者:「アストン!もう~ どこに行ってたの?」


エリセナからだった。


アストン:「あっ!エリセナか?!…ごめん!帰る時間まで保健室にいたんだ。お腹が痛くて…」


エリセナ:「本当?!だからドーナツばかり食べちゃダメって言ったでしょ!ちゃんと体に気をつけてよね!」


アストン:「あ、あ…」


彼女は心配していた。


エリセナ:「もう大丈夫なの?」


アストン:「うん!大丈夫!」


エリセナ:「も〜 せっかく栄養のあるご飯をおごってあげたのに!いきなり消えちゃった!」


アストン:「え?!本当か?!ああ…ごめん…次は僕が食べるから!」


エリセナ:「次はないもん〜!」


アストン:「えっ?!」


エリセナ:「ふふふ!なにその反応!冗談よ!」


アストン:「えっと…じゃ…?」


エリセナ:「いいよ!でも、また消えないでね!」


アストン:「おお!!」


エリセナ:「あなたって本当に食いしん坊ね!もう行かなきゃ。電車が来るわ。」


アストン:「わかった、エリセナ!ありがとう!」


エリセナ:「うん…じゃあね!また明日!」


アストン:「じゃあ!」


僕は彼女の電話番号を登録した。


帰り道、携帯が何度も振動していた。ステラから「どこにいるの?」というメッセージだった。僕は「先に家に帰るように」と返信した。


電車の窓の外を見ると、黒い影が走り去っていくのが見えたような気がした。もしかしたら、疲れのせいで幻覚を見ているのかもしれない。


家に帰ってドアを開けると…


アストン:「ただいま!」


サイモン叔父さん:「おかえり!」


ステラ:「おにぃ!どこにいたの?まさか、女と遊んでいたんじゃ…はあああ!?」


サイモン叔父さん::「おや!」


アストン:「どうしたの、ステラ?叔父さん?」


サイモン叔父さん「フム…お名前を聞かせてもよろしいですか、少女よ?」


僕は振り返ると…


ヴァリオネスが後ろに立っていた。


ヴァルヨネッセ:「ごきげんよう〜 アステンの家族たち!私はヴァルヨネッセ・ターコイズ・バイオレット!アストンの友達よ!お会いできて光栄ですわ!」


サイモン叔父さん:「ヴァルヨネッセさんですか?こちらこそ、お会いできて光栄です!」


アストン:「お会いできて光栄、ですて?!ヴァルヨネッセ!どうしてここにいるの?!」


彼女の見た目は変化した。翼も角もなく、普通の女子高生のような格好をしていた。


ステラ:「おにぃは…女だらし…」ドスン


ヴァルヨネッセ:「ええ!あの子大丈夫なの!?」


ステラはショックで気絶した。サイモン叔父さんはステラを部屋まで運んだ。


それから、ヴァルヨネッセとサイモン叔父さんはリビングルームで紅茶とクッキーを囲みながら、和やかに語り合った。すぐに意気投合した。


アストン:「ああ… 僕の平穏な生活が… 消えていく…」


--


第2章 魔族のお姫様 - 終了


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