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2051年4月19日 地球時間23:50

大型移民宇宙船“海原”艦橋にて




「地球から脱出するまで、後十分です」


艦橋の中央から音声アナウンスが流れる

この宇宙船が地球から旅立つまで、後十分を切った

操縦席の隣に座るケンタロウは、その音声の重みを噛みしめるようにそっと目を閉じた



あの衝撃的な記者会見から一年、遂に地球を脱出する時が来たのだ

自分たちが育った地球こきょうを離れ、見つかるかどうかも分からない新天地を探しに行く放浪の旅

その出発点に自分が立っている


その様な思いが、ケンタロウの中を廻り続けた


「船内に人口酸素を放出します、酸素精製機を起動してください!」


「了解、酸素入れて!」


乗組員の一声により酸素が放出される

ケンタロウはその酸素を大きく吸い、大声で指令を出す


「これより、脱出宇宙船“海原”を発射シークエンスへと突入させる!

総員、配置につき、ジェットを起動せよ!」


「了解!」


「発射シークエンスに突入しました、ジェットを起動します」


機会音のアナウンスと共に燃料に火がつき、エンジンから火柱が轟音と共に立ちあがる


ケンタロウは、そのジェット音に負けないよう、一際大きな声で命令を下す


「これより、脱出宇宙船“海原”を発射する!

打ち上げカウントダウンを開始せよ!」


「脱出宇宙船“海原”発射までのカウントダウンを開始します」


5……4……3……2……1……


「“海原”発進!!」


ケンタロウの声と同時に“海原”が宙に浮く

宇宙へと向かい、段々と速度を上げながら宙へと舞っていく“海原”

エンジンの炎が煌々と燃え上がり、夜空に一本の後を残していた


地球を発つ前の最後の命令、それはこれからの旅路を表しているようなものだった


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