その12 混ぜると爆ぜる。
ほとんどがセリフですm(__)m
いつもより五月の出番が少ないような…?
五月「おい、玉ねぎ。何故お前はそんなに執拗に私の目を攻撃するんだ? これはあれか、私に対する挑戦か? よし! 受けて立とう! お前など欠片も残らんから覚悟しろよ!!」
タンタンタンタンタン……
比間「…おいバカ。お前、今何をしてる?」
五月「何ってお前、調理実習だよ。黒板にでかでかと書いてあるだろ。」
タンタンタンタンタン……
比間「…あぁ、返答の範囲が広すぎるな。もっと絞って、狭い範囲で頼む。」
五月「この玉ねぎを微塵切りで粉微塵だ。いわば制裁だな。」
タンタンタンタンタン……
比間「問題はそこだバカ野郎っ!」
すぺしっ!
五月「ふぉっ!! 危ないだろ! 仮にも刃物持ってんだぞ!」
比間「お前、肉じゃがの玉ねぎを微塵切りにすんなよ!」
五月「玉ねぎだけ細かいから違和感が出るんだ。肉をミンチにして、じゃがを潰せば……。」
比間「玉ねぎと肉でハンバーグ、付け合わせのマッシュポテトが完成だな。」
五月「そっちのが美味そうだな。よし! そっちにシフト━━」
比間「馬鹿言うなバカ。だいたい、肉が足りん。」
岩井「ちょっとあんたたち、いい加減にしなさいよ。」
五月「あ! イワちゃん! 比間が私をいじめるんだ!」
比間「おぉ、イワちゃん、いつも通り、被害者は俺だ。」
岩井「はぁ……ったく、毎回毎回よく飽きないわね…。」
紹介がしよう。この姉御肌な御方は岩田サン、通称『イワちゃん』だ。
五月「つーかお前、それじゃまるで私が悪い人みたいじゃないか。」
比間「何を言うか、お前は完全にダークサイドの人間だろ?」
五月「なんだと!」
岩田「あのねぇ、あんたたち? そんなんじゃ日が暮れちゃうわよ。」
比間「イワちゃんよ、白米は順調だぞ。あと数十分で炊ける。心配なのは肉じゃがだ。」
因みに、各班4人一組で、それぞれ分担してご飯、肉じゃが、味噌汁を作る。
ウチの班は、俺がご飯係。料理上手なイワちゃんが1人で肉じゃが。そして会長と五月が味噌汁。だったのだが……。
会長「……今回は、きっと調子が悪いだけだから。そうよ、そうだわ。本気を出せばこのくらい………」
比間「………ええ。分かってますよ。」
〜数分前〜
比間「じゃあ会長、ネギ切っといて下さい。」
会長「これね。」
ストン。
比間「………切れてない?」
まるで切れた様子の無いネギ。だが、確かに刃があたったハズ。現に物が切れる音がした。
会長「オカシイわね……?」
パタン。
比間・会長「「………なっ。」」
まな板が真っ二つに。しかし、ネギには傷一つ無い。
比間「……会長、どんな能力使ったんですか?」
会長「え? …いや、そんなもん無いわよ!」
岩井「…………じゃ、こっちお願い。」
渡されたのはニボシと鍋。
岩井「出汁とるだけだから。」
会長「……分かったわ。」
━
━━
━━━
パーン!!
比間「何だっ!」
会長「………。」
視界にあるのは、ホッペにニボシを付けた会長の姿……。
比間「いったい何が……?」
会長「………。」
そんな訳で、急遽イワちゃんと五月をチェンジ。
そして現在に戻る。
五月「いや〜ぁ、てっきり会長は完璧超人だと思ってたけど、実際そうでも無いんだな。」
会長「…五月蝿いわよ悪行超人! その薄ら笑いをやめなさいよ!」
五月「……なっ! 私は正義超人だっ!!」
比間「…でもまぁ、会長が料理出来ないのは意外だったな。」
藤谷「だが、会長の場合それも長所だ。」
比間「……お前いつの間に」
藤谷「普段から、文武両道。才色兼備を地で行く隙の無い会長が、突然見せた意外な欠点。そのギャップが素晴らしい。結婚して欲しい。」
比間「最後の一言がおかしいぞ。つーか、自分の班に帰れ。」
岩井「ちょっと、比間、あたしお皿取ってくるから、味噌汁に味噌入れといて。」
比間「あぁ。了解しました。」
会長「…ちょっと待った!」
比間「会長、どうしたんですか?」
会長「比間くん、私に汚名返上のチャンスをくれないかしら?」
比間「…へ?」
ゴゴゴゴゴ……。
比間「(…なんか逆らえそうにねぇ。) ………どうぞ。」
会長「この味噌をお玉の上で溶かせばいいのね?」
比間「……はい。」
この時、比間は思い出した。会長は物凄く負けず嫌いなのだ。
比間「会長、落ち着いて。ゆっくり混ぜてください。」
会長「……えぇ。これでいいの?」
比間「上出来です会長。そのまま、平常心です。」
会長「……平常心。」
五月「……っくしゅん!!」
ゴゴゴ……
比間「(…マズイ)」
会長「…平常心、平常心。」
ゴ…。
比間「(……収まったか?)」
藤谷「会長! いつか俺に味噌汁を━━」
パーン!!
その日、ネギ、豆腐、ワカメが調理室を舞った。
※後で藤谷に美味しくいただかせました。
オマケ
五月「ギャップと言えば、イワちゃんだよな。」
比間「皆に信頼され、頼りになる姉御肌で、お料理上手で手先が器用。……長所がどんどん上がってくぞ。」
五月「まぁ、そんな主婦みたいなアビリティを備えてるにもかかわらず……」
比間・五月「男なんだよなぁ。」
岩井「あら、呼んだ?」
お粗末様でしたm(__)m




