18話『決意と思い』
区切りで短いです。
戦闘はまだしませんよ。
予告とタイトルが違うのは気にしないで下さい。そこまで持っていけなかっただけですので。
「ブァァァァァァァ」
雄叫びをあげ、地響きをたてながらこちらへ向かってくる《岩巨亀》。山頂を縄張りにしていたのか、臨戦態勢を取っている。
そもそも、亀が冬に繁殖期ってさすが異世界。前世の亀の繁殖期は4~6月。爬虫類だから、冬は冬眠する種もいる。それが、冬に繁殖期を迎え、おまけに活発的に行動するとかねぇ。
って、そんな事はどうでもいい。今は目の前の《岩巨亀》をなんとかするべきだ。
僕達まで100メートルを切り、僕達は闘う準備を行う。ルリは両袖口から短刀をスッと取り出し、構えをとる。シリカと僕は接近戦が出来ないので、魔法の準備を行う。
さて、相手は全身が岩である《岩巨亀》だ。手持ちの魔法では効果が薄いだろうね。ならどうするか。簡単だ。塵も積もれば山となる、力を収束させて、一転突破をとるだけだ。
とは言え、土系統の魔物に有効な氷系統魔法を修得していないんだよな。同系統の水系統魔法で行けるかな。ダメ元で行くしかないか。
「(僕に何とか出来るだろうか。)」
横目で他の隊員を見ると《岩巨亀》への恐怖から、未だ立ち直れずにいた。そんな中にいながらも、エルスさんだけは違っていた。
「私が時間を稼ぐ、だから君たちは他の隊員達と山頂を越えて行くんだ。」
彼女は自身の荷物を雪へと落とし、ずだ袋に入っていた細長い物を一気に引き抜いた。
それは目測ではあるが、刀身が5尺 (150センチ)以上、全長260センチ、刀幅50センチ。片刃の直剣であった。
「クリス副隊長、皆を頼むぞ。」
片刃直剣、(仮に斬馬刀としよう)を構え、《岩巨亀》へと駆けて行くエルスさん。
とりあえず、る○剣の斬馬刀を想像した方々、有れば実在しない物だから。でもイメージはそんな感じだね。
昔調べた事があったけど、刀身が5尺、全長が200センチぐらいだって事しか解らなかった。何分、イラストとかも残ってないらしいから、現代の謎武器の1つだよね。
クリスさんが他の隊員達を纏めあげ、この場を離れて行く。そんな中、僕は動けずにいた。
「(このまま、エルスさんを置いて行って本当に良いのだろか)」
そんな事はダメだって事解ってる。でも、自分が行って何が出来る。まともに戦った事などほとんどない、そんな素人なのに。それに、ルリやシリカを巻き込む訳にはいかない。
「僕は、どうすれば良いんだ。」
ポン
「かまいませんよ、クロ。」
─お兄ちゃんがしたい様に。
二人の小さな手が僕の背中へと添えられてた。
「元々、お人好しなクロに人を見捨てる事が出来るとは思ってませんよ。」
─エルスお姉さんを助けに行ってこそ、私たちのお兄ちゃんです。
「だから、悔いが残らない様に、やりたい事を、やりたい様にやって下さい。」
バチン
迷っていた僕の背中を二人が押してくれた。
なら、僕は強くなるよ。二人の思いにこれからも甘えない様になるから。だから、今回だけは甘えさせてもらうね。
「ルリ、シリカを頼むよ。」
「言われなくても、解ってます。私たちは、クリスさん達と合流します。」
─お兄ちゃん頑張れ。
ありがとう、二人供。必ずエルスさんも連れて、二人に追い付くから。
二人と別れ、僕は激突を繰り広げているエルスさんの元へと急いだ。
読んで頂きありがとうございます。
次回も頑張って更新いたします。
本編にあります斬馬刀の補足。
中国にも斬馬刀と言う武器があります。こちらは大型の刀剣や長柄武器と言うのが解ってます。日本の斬馬刀とは関係は不明らしいです。
興味がある方は調べて見ても面白いかも知れませんね。
次回予告
「いいのかい、ここからは死地だ。」
「行くぞ、デカ物。」
岩巨亀の足止めの為残ったエルス。
自身の決意を胸にエルスを助ける為に駆けるクロノス。
そんな二人を嘲笑うが如く、暴れ狂う《岩巨亀》。
二人は無事にエルシュテンを越える事が出来るのか...
魔王と精霊が交わる協奏曲。
第19話
「そんな未来も良いかもな」
よろしくお願いします。




