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平凡魔王の善行日記  作者: 雪月華
魔王城周辺
15/23

13話『やっと一息』

アルテは硬化蔓(ストロングツリー)に埋もれて身動きが取れなくなってるが、僕は形態(モード):草花(・スプライト)を解除していなかった。


この勇者はどうするかなぁ。さすがにこのままは不味いし、かと言ってほっとけば魔力が回復してまた、暴れ出すよな。まぁ、暴れたらまた硬化蔓で埋めるだけだけどね。


「お兄ちゃん...終わ...た?」

「ああ、勝ったよ。ルリ、シリカ。」


僕が悩んでいると、森の奥からテトテトとシリカが駆けてくるのが見え、その後ろをルリが小走りでついて来ていた。二人の顔を見たら、緊張が切れたのか、一気に疲れが溢れて、その場に座り込んでしまった。


まぁ、体力的にも、魔力的にもまだまだ余裕があるから、気分的な物だろうね。だから、少し休めば直ぐに動けるはず。


「ところで、その相手はどこにいるのですか?。」


「ん?そこに埋まってるよ。」


「え!?大丈夫なんですか?。」


「さぁ?いちおう、身動き出来ないだけで、締めてるわけじゃないから、大丈夫じゃないかな?」


ルリは驚き、硬化蔓を見ているけど、別に締め上げてるわけじゃないし、窒息の危険もないのに。ただ、蔓で身体が固定されて動けないようにしてるだけなのに、驚きすぎだと思うよ。


あっ!そうだ。

蔓に繰るんだまま、遠くに翔ばすか?。出来れば王都まで翔ばせれば御の字だ。


その事を二人に伝えると、シリカは楽しそうに笑みを浮かべ賛成し、ルリは心なしか顔が青くなってる気がする。


そういえば、この勇者。王都警備隊ってのに所属してるんだよな。...って事は、王都に翔ばすのは不味いかな。

でも、まぁ...いいかな。任務があってこんな所に来てたなら、任務失敗で何かしらの処罰されるだろう。


さて、方針は決まったし、一気にいこうか。


「「種弾(シードバレット) (バレット):飛翔林(・スカイビーツ)」」


ルリとシリカを避け、放たれた弾丸は、アルテが巻き付かれている硬化蔓の内部に隙間に入り込んだ。


この飛翔林は、元々2000メートル級の山脈に分析する植物である。発芽から樹木に成長する間を地上で過ごすが、種子が出来ると、種をより遠くに翔ばす為、空高くに浮き上がる事から、この名前がついたとされる。


勿論、クロノスはそんな事を理解してはいない。シリカから受け取った『植物の概念』の中から使えそうな物を引っ張り出したに過ぎないからだ。


そうこうしている間にも、種弾から発芽し、樹木へとその姿を替えていく。そして、それら樹木は硬化蔓が絡まったまま空へ浮き上がる。


僕は、ルリに王都の方角を確認し、その方向に『突風(ヴェント)』による突風を吹かした。この飛翔林は垂直に浮き、基本的に横への移動ははしないらしい。例外として、突風に煽られた時に、風に乗って移動する性質を持っている。

今回は、魔法でその風を吹かせる事にしただけである。


さて、勇者の処分もすんだし、魔王城に戻ろうか。僕は二人を連れて森を歩き出した。



ーーー

翌日。

夜の魔王城、自室にて。

この場にルリはいない。ここにいるのは、僕とシリカだけだ。


「それで、シリカ。君はいったい何者なんだ。」


僕に隠された能力『十属(ノーブル)礼典(ノアール)』に力の一端を与えたシリカ。彼女は何か知っているのではと思い、こうして話している訳だ。


─私はシリカ...シリカ・エント・グリュンローズ。精霊王の末裔になるかな。まぁ、今は半精霊の状態だから力も半分出ないけど。


精霊王の末裔で半精霊。

なんだってそんな存在が、あんな森の中に、一人でいたんだ。


─封印。


話しによると、二代目勇者が魔王討伐する際、初代勇者に力を貸した10人の精霊王の末裔達も力を貸したらしい。だけど討伐後、勇者と仲間達は、精霊王達との契約を一方的に破棄し、聖域と呼ばれる特殊な場所に閉じ込めたらしい。勿論、この事態に他の精霊達は反発したけど、精霊王達が人質とされ人間達に力を貸さざる得ない状態となったらしい。それから、精霊達も代替わりしていき、次第に精霊王の存在も精霊達から忘れられてしまったと言う。


「精霊達からも王の存在を忘れられたから、シリカは半精霊までしか慣れなかったと。」


─そう、他の精霊達に私が王と言う事を思い出して貰えば、私は王として復活するの。


「そして、他の精霊王の末裔も同じように封印、もしくは半精霊の状態になっているから復活を手伝ってほしいと。」


─そう、そしてそれは、お兄ちゃんにとっても悪い事じゃない。『十属の礼典』を持っているお兄ちゃんなら、力を貸してくれるかもしれない。


はぁー。要するに、勇者を倒したけど、まだまだ、僕に平穏はこないらしい。むしろ、助けないと余計に面倒な状況になる気がする。


「わかった。手伝うよ。」


そう、言うしかない僕は、お人好し何だろうね。そんな風に思い、苦笑するしかない僕だった。


ー ー ー

オマケ『クロの日記』

ー ー

異世界日記3日、4日目

ー ー

3日

今日は近くの森に狩りと採取に出掛けた。

森の名前は『クリプテの森』と言うらしい。(ついでに、魔王のある荒野の名前も聞いて『ゴーロ荒野』と言うらしい)

正直、回りが荒野って事、忘れてて行き帰りどうしようか考えてなかったけど、ルリに昨日のロケット魔法(飛行魔法)を指摘されて、これで移動する事にした。

そして、ルリに怒られた。淡々と無表情で言われ続けられると辛いと身に染みた出来事だった。


森での採取は、多くの食べられる果物を見つけた。どれも美味しいんだけど、どれも地球の物と違っていた。やっぱり、魔力の有無が関係してるのかな?


狩りは、ちょっとした事から『(フォレスト)巨人(ジャイアント)』と言う巨人を呼び寄せてしまったけど、シリカに助けられた。


まぁ、シリカからの頼まれ事で、死に掛けたけど、それは省略する。


肉食べたいな。


ー ー

4日

魔王城に戻った僕は、前日の夜から本日の昼間まで眠りこけていた。なれない事をした反動か、疲れが出たのだと思う。

まぁ、勇者と戦うなんて、現代人の僕には荷が重い話しだよ。

お昼は昨日採ってきた果物と乾パン。少しだけ良くなったけど、もっと食事を良くしたいな。

やっぱり、ルリを送るついでに、世界を回って見ようかな。

ー ー ー

次回から新章となります。

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