幕外1『留守番中の会話(ルリ視点)』
番外編になります。クロが頑張ってる最中のルリとシリカの会話になります。
クロが森の中にある広間から駆けて行くのを私とシリカは見送りました。
魔力切れを理由に、ここに残りましたが正直手持ちぶさたですね。
ふと、シリカはどうしてるかと気になり、横目で確認してみますと、こちらを見ています。
これには、内心ビクっとなりましたが、感情が表情に出にくいのもあり、面に出すこと無くやりきります。
「えっと...何か?」
「お姉ちゃんは...行かなくて...良かった...の?」
首をコテンっと倒し疑問をぶつけてくるシリカ。何でしょうか、この可愛らしい娘は。
まぁ、その問いには、ちゃんと答えますけど。
「別に良いんです。...先程も言いましたけど、魔力の切れた私では、足手纏いでしょうから、これで良いんです。」
これも本当の理由ですけど、心の中には、クロは少し苦労すればいいと言う気持ちもありましたから。だいたい、クロはシリカの胸を見て、デレデレと鼻の下を伸ばして、あげくに、私の胸と比べるとか...私だって、好きで小さい訳ではないのに。しかも、額に口づけされて、嬉しそうにして。
思い出したら、また、怒りが込み上げてきます。クロが戻ったら、お仕置きしましょうか。
「ケンカは...メ!...だよ...お姉ちゃん。」
「...なんの事でしょうか?」
「...ん?...ちが...う...の?」
鋭い子です。それとも、私の怒気が漏れてたのでしょうか?どちらにせよ、気をつけなければいけませんね。
「ところで、シリカはいつからここにいるのでしょう。」
シリカのような子が一人っきりで、こんな森の中にいるのは明らかにおかしいです。なにかしら、理由があるとは踏んでいますけれど、シリカがそれを理解しているとは思えません。
「いつ...から...わかん...ない。けど...私は...あの人...に、...会う...ため...に...ここに...いるの。」
あの人?。何方かわかりませんが、こんな森の中でとは、録な方ではない印象ですね。
─でも、もう出会えたから。
え?
頭に直接声が聞こえます。辺りを見渡してみますが、私達の他に誰も居ません。
─お姉ちゃん、私だよ、シリカだよ。
シリカ?横にいる、シリカを見ますが、変わらず笑みを浮かべています。と言う事は、これは念話の類いでしょうか。
一部の魔法適性にそういった類いの魔法があるとは、学院で習いましたけど、実際に体験するのは初めてです。通信系魔法の適性人数的に学院に回す人員がいないのと、適性のあの人は基本的に軍か国の機関に入る決まりがあるからです。
─良かった。声、届いてるみたい。
「シリカ、貴方、念話が使えるのですか?」
─使えるよ。でも、さっきやっと出来るようになったの。お兄ちゃんが、近づいて来て、目が覚めたの。お兄ちゃんが受け入れてくれたから、私は目覚めたの。
お兄ちゃんと言うと、クロの事ですか。確かに、クロは不思議な人...と言うより魔王ですけど、特別何かしているようには見えませんでしたけど。
それでも、クロの側にいると不思議と落ち着きます。胸の奥が暖かくて、心臓が痛いくらい高鳴りますけど、それも、嫌な感じはしません。むしろ、ずっと側に居たいぐらいです。
─お姉ちゃんは、お兄ちゃんが好きなの?
「人としては好感を持っていますが?」
質問の意味がわかりませんね。クロは私を助けてくれた人ですから、悪い感情は抱いてません。むしろ、好感を持っています。
─お姉ちゃんって、鈍感さんだね。
なにやら、シリカから呆れた視線を向けられてますが、どう言う意味なのでしょうか?。自分で考えろとばかりに、シリカは一方的に眠りに入ってしまいます。
なんなのでしょうか?
そんな、昼間の木陰での一幕。
最近、仕事が忙しい。出来るだけ、早くにあげられるようにします。




