第七話 散る羽毛
10/8日の話です
昨日の晴天とは一転、今日は雨だ。
ヨーロッパ人は日本人ほど日常的に傘をささないらしい。
僕からしたら、ありえない話だが。
制服が濡れてしまうし、なにより濡れた服の感触が好きではない。
今日は、いつも通りに行こう。
昨日みたいに早く家を出る気分には到底なれなかった。
ふぅ、やっと着いた。
家から学園まで徒歩30分もかかる。
ただ、家から最も近い高校だ。
ん?
人だかりが…
校舎を見ている??
校舎に近づいてみる。
あれは…
─天野だ。
校舎の壁に磔にされている…
腕や足になにか刺さって…
包丁、だ。包丁で固定しているのか??
いや、この校舎は珍しく木造だ。
ありえない話ではない。
ただ、かなり深く突き刺さないと…
固定されている…
なんだか標本を彷彿させるような…殺害方法だ。
雨に濡れて血がグロテスクに滴り落ちている。
悪趣味だ、と思った。
やはり、教室内はざわついている。
なんだかこの光景にも慣れてきてしまった
少し様子が違うな。
皆、俯いて、口数が少ない、最低限の情報共有だけ。
次は自分の番かもしれないと危機感を持ったのだろう。
やはり…犯人を見つけなければ…!!
そう心のなかで意気込んだが、いざ考えてみるとなると、不可解なことばかりだった。
そういえば包丁が突き刺さっていたな…どこの包丁なんだろう…
見覚えが
…あっ!!
家庭科室の包丁だ。
ただ、此処のセキュリティはあまり強くないから、
頑張れば誰でも突破出来るだろう。
と、なると…動機とアリバイか。
天野は気が強いタイプだったから、良くないと思っていた人は沢山いるだろうし…
これに限っては思いつかないな
泉に聞いてみるか。
「泉〜」
「どうした?」
「天野を本気で憎んでいるやつって居た?」
「いや、天野は人当たりがよくないから敬遠されがちだけど、悪いやつではない。本気で憎んでいるやつなんて居ないんじゃないかな」
「そうかぁ」僕は肩を落とす。
これじゃぁ絞り込めないじゃないか。
自己防衛を徹底したほうがいいのかな…
──おとぎ話には、明確な悪者が存在する、
桃太郎なら鬼、赤ずきんなら狼。
人は、簡潔で単純な物語が好きだ。
だって、その方が…理解するのが簡単で
いつまでも思考停止していられるでしょう?
少しでも、面白い、や続編を見たい!!という方はリアクションや感想を書いてほしいです!!作者のモチベにつながります。




