第五話 磔刑
前回の翌日(10/6)の話です。
今日の天気は快晴、洗濯日和となるでしょう──。
朝日が差し込むベッド、鳴る目覚まし時計──
ああ、なんと爽やかな朝なのだろう。
ふと窓の外を見てみると、雲一つ無い快晴、雀の声が聞こえてくる。
今日はいつもより早めに学校へ行こう、そう思わせてしまうくらい、
天気一つで気分はこんなに簡単に変わるものなのだ。
身支度を済ませ、家を出る。
秋らしい涼しさを感じさせる風が頬を撫でる。
「おう、唯人じゃん、今日は早いんだな。」
泉だ。泉はいつもこんなに早く家を出るのかと感心する。
「そうだね、おはよう、泉。」
「珍しいな、唯人が先に挨拶してくるなんて。」
「気分だよ。」
「まぁ、そういうときもあるか。」
僕たちは他愛のない会話をしながら学校へ向かう。
ふと、思った。クラスメイトが殺害されているのに、何故…こんなに気分が良いのだろう、と。
今考えても仕方ないか。
そろそろ着きそうだ。
「それでさぁ──。…ん?あれは何だ?」
校門の近くにある電柱に…なにか引っ掛かっている…?
「…ん??」
あれは
…っ!!
「なん…で?」
柊だ。
「十…字……架………こ…れ……は……α………に…過ぎ…な……い」
α?いや、それよりも通報しないと…
柊は…まるで、処刑されたイエス・キリストのようだった。
電柱に手を引っ掛けて何かで縛っているみたいだ。
泉が学園の先生に伝えてくれたからか、事後処理はスムーズに終わった。
しかし、学園内の生徒はそうはいかなかったようだ。
その事件は噂としてまたたく間に広がった。
教師は授業をするが、どこか上の空、生徒も同様だった。
だって、犯人だったはずの人が、殺されたんだもの。前代未聞の出来事らしい。
──授業中。
柊が言っていた十字架とは何を指し示すのだろう。十字架といえば、復活の象徴、イエス・キリスト…
だからそれが何だというのだ。α?αは定数だろう…。いくら考えてもそれくらいしか思いつかない…。ただ、クラスメイトに聞くのは難がある、泉は勉強そのものが得意でないと言っていたし…。やはり堂々巡りだ…。何かないのか…柊が言っていた言葉の意味を…。
──放課後。
「ねぇ、柊が言っていた言葉の意味…わかる?」
僕はダメ元で泉に聞いてみることにした。
「さっぱりわかんねぇ。」
やはりそうか…。
──自宅。
いくら考えても僕にはわからなかった。
よくよく考えてみれば柊は僕より勉強ができるのだ、いっそ開き直ってしまおうか。いや、でもこのままだと更に被害者が出るかもしれない…。もしかしたら自分という可能性も…。そう思うと鳥肌が立った。
───αはωに収束するのだ。
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