第三話 羽ばたく鳥
10/4の話です
…なんで──。
こんなことに…。
暗い闇に引きずり込まれるような感覚、段々と意識が薄れていく
僕はそのまま、眠りに落ちた。
「ん…」
ああ、朝か。最近は睡眠時間を惜しんで勉強しているので、疲れがあまり取れていない…。
それに…今日は雨だ。もう10月なのに台風は勘弁してくれ…。
僕はその後、身支度をし、学校へ行く──。
校門の勇者像に、人だかりが出来ている。ん…?
「…なんだよ、これ。」
勇者像が掲げている剣に、誰かが刺さって…
クラスメイトの飯島だ──。
まるで、魔王を討伐した後のようだ。
──ねぇねぇ、飯島くん、ミササギにやられたみたい。
──あぁ、可哀想に…
此処の生徒は、ミササギという単語を少々多用しすぎな気がする。まだ犯人が誰かもわからないのに、よくそんな確証を持ったような発言が出来るなと疑念を抱いた。
飯島は人当たりがよく、成績も良い模範的な優等生だった。
僕は思った。彼は憎まれるような性格ではないし、殺される理由も無いではないか、と。今のところ、真相はわからないが、意図的な殺人、ということだけはわかる。教室内を見渡してみると、情報を共有し合っている者、校門側の窓を見ている者などがいるが、ある一点において共通していることがある。皆、飯島の死を悲しんでいないということだ。何故、そこまで冷静にしていられるのだろう。
まぁ、僕もまぁまぁ冷静ではあるが…かなりのショックは受けている。
「唯人〜おはよー」
泉だ。ただ、僕はそんな彼の態度が受け入れられなかった。人が死んだというのに、ヘラヘラしている。
「…おはよう」絞り出したような声で僕は答える。
「どうした?元気無いなぁ」
「あっ…いや…飯島が…」
「ああ、飯島のことか。あんまり気にしすぎないほうがいい。この学園ではしょっちゅう人が死んでいるからな。あぁ、そうだった、唯人は転校してきたんだった…俺達、入学式で言われたんだ。この学園は、呪われていますってね。まぁ、勿論ミササギのことだけど」
ああ、そうか。死への恐怖心が麻痺しているんだ、人が死にすぎて。
「…そうなんだ。でも、1年生だろ?そんな短期間で…」
今は二学期だ、となると一学期、僕が転校してくる前に…
「ああ…9月は奇跡だったよ。誰も死ななくて」
「そうなんだ…失礼だけど…一学期の学年で何人死んだの…?」
「…13人」
そんなに…せいぜい5人くらいだと思っていた。
「このクラスに限定すると?」
「…4人だ」
「退学届を出した生徒とかはいるの?」
「いるよ、このクラスでしかわからないが、6人が自主退学している」
6人、か。思ったよりも少ないが、今のクラスの人数は20人、ということは、入学当初は30人いたのか。理由はなんとなく察せる。
ある夜の日、それは居た──
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