23. 奇襲
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アインクル湖の湖上では、いまだにプラントドラゴンと湖の主との戦いが続いている。
その姿が遠目に見える所まで来て、オレは立ち止まった。
オレがあのまま主とドラゴンとの戦いに乱入したとしても、おそらくはまずこちらに勝ち目は無い。
ならば狙いは、遠距離からの全力の紫光線の不意打ちで、一撃で仕留める。
ドラゴンの体表がどれだけ硬いのかはわからないが、紫光線を直撃できれば、可能性はあるはずだ。
オレは地面に両足を踏ん張り、全身に紫雷撃の力を呼び起こす。
ドラゴンと主が絡み合った状態では撃てない。
狙うのは、ドラゴンがわずかでも主から離れた時……!
身体中にみなぎった力を口先に集中したオレの視線の先、組み合っていたドラゴンが主の牙をかわし、距離を取って空中に飛び上がるのが見えた。
今がチャンス!
オレは口先に集めたエネルギーを、プラントドラゴンに狙いを定め……撃つ!
オレの口から放たれる、紫色に輝く熱線。
空中にいたドラゴンの顔がオレの方を向き、そしてその目が大きく見開いたような気がした。
閃光が届くかに思えたその刹那、ドラゴンが巨体をよじる。
紫光線はドラゴンの背中あたりに命中し、主が見上げる上空で大爆発が巻き起こった。
やったか!?
と思ったその時、宙に広がる爆炎の中から巨大な影が落ちてきた。
影は4本の手足を伸ばして着地すると、その巨体から長く伸びた首をひるがえしてオレのいる方をにらみつける。
遠くからでもわかる、その目に込められた感情は、怒り。
ダメか!直撃しなかった!
とはいえよく見ると、巨大の背中に立った今まであった、大きな翼が片方無くなっている。
さすがにある程度のダメージは与えていたらしい。
とはいえ……!
オレはこちらを見据えるドラゴンに向けて猛然と走り出した。
まだ距離はあるのだし、もう1発紫光線を……と一瞬考えたが、そういうわけにもいかない。
聞けば、ドラゴンのブレスは超強力で、1発で国が滅ぶとまで言われるのだという。
そんなブレスがあの位置から今のオレに向けて放たれたら、仮にオレは何とか避けられるとしても、その攻撃はクックパ村を、そして今その村に向かって逃げているミズキ達を直撃する。
であればオレに取れる方法は1つ。
近接戦に持ち込んで、あのドラゴンにブレスを撃たせない。
勝てる自信は全く無いが、それでもやるしかない。
今の紫光線でドラゴンはダメージを受けている、そこに賭けるしかない。
突進するオレの前方で、首をもたげたドラゴンが大きく口を開くのが見える。
その口内に膨らむ、深緑色の閃光。
まずい、ブレスを吐かれる!
だがこの距離なら!
オレは走りながらドラゴンに向けて紫雷撃を発射。
紫雷撃は名前の通り雷の形をしているので、紫光線のように狙った箇所にピンポイントで当てるということはできないが、それでも雷撃を浴びた体表で起こる爆発。
ドラゴンが一瞬怯み、口の閃光が消滅するのがわかった。
そのチャンスを狙いオレはジャンプ。
ドラゴンの巨大な顔を、横から全力で張り飛ばした。
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